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141部分:第十一話 プールでその八


第十一話 プールでその八

「そこに行く」
「うん、じゃあそこでね」
「二人も楽しむ」 
 椎名は残る二人にも言うことを忘れなかった。
「わかった?」
「あ、ああ」
「それじゃあ」
 その広いプールの中で話す。屋内だがそこには様々なプールがある。流れる円になっているプールもあればかなり大きなプールもある。滑り台付のものもある。そして周りには緑のジャングルを模した木々もある。その中に色々な店や休む為の関や寝椅子がある。かなり見事な中であった。
 その中においてだ。椎名は二人に言うのである。
「好きな場所に行って」
「じゃああっちのジャングルプールに行くか」
「そうします?」
「西堀はそっちでいいよな」
「はい、私は」
「よし、じゃあ」
 これで二人の話は決まりだった。そして椎名もその二人にまた言うのだった。
「私達も二人で行くから」
「そっちもかよ」
「私と」
「僕とね」
 赤瀬もここで言うのだった。 
 そして二人はその滑り台のところに向かう。既に狭山と津島は大きな、その百メートルはあるプールの中にいる。陽太郎は月美を誘うのだった。
「なあ」
「はい」
「向こうのジャングルプール行くか」
「あそこはかなり凄いですよ」
「えっ、そんなに!?」
「ジャングルプールですよね」
 それを言うのだった。
「そこですよね」
「ああ、そこだけれど」
「あそこは凄いんですよ」
 また言う月美だった。
「プールが幾つもあってそこがそれぞれつながってて」
「えっ、そういうところなんだ」
「ボートで行ったりもします」
 そうしたこともするのだという。陽太郎は月美の今の言葉を聞いてだ。その眉を思わず顰めさせた。そのうえでまた言うのであった。
「そんな場所だったんだ」
「知りませんでした?ここの看板なんですけれど」
「そうだったんだ」
「はい、凄い場所ですから」
 月美は話しながら笑顔で述べる。
「もうかなり」
「そうか。じゃあボートでも借りる?」
「そうします?」
「それともゆっくりと泳いで回ろうか」
「そうですね。それでしたら」
「泳ぐか」
 月美の言葉を入れて話が決まった。そのうえでだった。
「それじゃあな」
「行きますか」
「うん、行こうか」
 また言う陽太郎だった。そうしてである。
 二人でそのジャングルプールに向かう。周りはまさにアマゾンといった演出であり多くのプールがつながっていた。二人はその中を泳いでいきながら話をしていた。
「ここって全部でどれ位かな」
「まっすぐ行って二キロは普通にあると思います」
「そうか、二キロか」
「泳げます?」
「ああ、大丈夫だよ」
 こう答えることはできた。
「それ位だったらな」
「斉宮君も泳ぎは得意なんですね」
「結構好きなんだよな」
 実際にそうだというのだった。
 
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