オズのトロット
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第十一幕その一
第十一幕 イッソスの国の女王
遂にです、一行はイッソスの国に入りました。そうしてイッソスの国の中を見てそのうえでなのでした。
カルロスは目を瞬かせてこう言いました。
「鏡が多いね」
「確か鏡は」
ジョージも言います。
「イクシー女王はお嫌いだったんじゃ」
「そうだったね」
神宝はジョージのその言葉に頷きました。
「鏡にご自身の素顔が映るから」
「それでお嫌いだった筈なのに」
ナターシャもお国の中を見ています、見ればお家の扉の前には絶対にありますし鏡の迷路もあります。
「何でこんなにあるのかしら」
「どういった変化かしら」
恵梨香も首を傾げさせます。
「これは」
「鏡のことね」
トロットは五人にすぐに答えました。
「それはイクシー女王が気付いたからよ」
「気付いた?」
「何に気付かれたんですか?」
「鏡が映し出すものによ」
それにというのです。
「気付いたのよ、だからよ」
「この国に鏡が多いんですか」
「あちこちにあるんですか」
「そうなの、イクシー女王は鏡に映る自分の本当のお顔が嫌だったでしょ」
「それでバド王やフラフ王女と騒動になって」
「そしてでしたね」
「最後は仲良しになってますね」
バド王とフラフ王女にイクシー女王がお会いしたお話でもあります、五人もこのお話については知っています。
「その時にですか」
「女王もおわかりになったんですか」
「鏡のことが」
「そう、鏡は自分の本当の姿を映し出すのよ」
そうしたものだというのです。
「だからね」
「若し自分の心が確かですと」
「イクシー女王もね」
「鏡に映るご自身のお姿がですね」
「奇麗なままだってね」
「おわかりになってですか」
「鏡を置いたのよ」
お国のあちこちにというのです。
「そうなったの」
「そうですか」
「そう、そのことに気付いてね」
「こうしてですね」
「お国のあちこちに鏡を置いてるの」
「そもそもね」
ここで教授がお話します。
「オズの国では誰も歳を取らないね」
「そうですよね」
「ご自身でもっと歳を取りたいって思ったら成鳥出来ますけれど」
「トロットさんみたいに」
「そう自分で思わな限りは」
「歳を取らないですね」
「イクシー女王もだよ」
この人もというのです。
「そのことにも気付いたしそれにね」
「鏡のことにもですね」
「気付いたからね」
だからだというのです。
「そうしたことをしなくなったんだよ」
「そうですか」
「そう、魔法ケープもいらないってわかってね」
そしてとカルロス達にお話します。
「そしてね」
「そのうえで、ですね」
「鏡もね」
「こうしてですね」
「沢山置く様になったんだよ」
ご自身のお国の中にです。
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