八条学園騒動記
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第四百六十八話 破滅願望その十二
「シャバキさんもね」
「あの凄い何かを発明にでも向けたら」
「エジソン以上の発明王にね」
「なってたね、天才は九十九パーセントの努力に」
まずはこれがあってだ。
「一パーセントの閃きだけれど」
「その一パーセントの閃きがね」
「あの人は桁が違うから」
例えそれが破天荒極まる電波にしてもだ。
「絶対に凄いことになってたわ」
「そうよね」
「そう、普通にね」
まさにというのだ。
「閃きがあるから」
「それで努力は」
「シャバキさん努力はね」
「努力と思わないから」
何しろその人生を殆ど寝ないで人類滅亡の証明に賭けているのだ、超人的な能力もその不眠不休の中で培ったものだ。
「そうした人はね」
「そう、九十九パーセントの努力はね」
エジソンが必要としたもう一つの要素はというのだ、しかし世の中九十九パーセントの努力も大変でこれが出来る者はおおむね成功する。
「もう達成してるから」
「努力を努力と思わないなら」
「それ位の人は」
もうその時点でというのだ。
「達成してるから」
「余計に残念ね」
「シャバキさん努力はしてるんだよ」
その主張に向けてのそれをだ。
「不眠不休で騒いで」
「無茶苦茶に書いてね」
「色々とね」
ブログは毎日更新している、しかも一日で文庫本一冊書けるだけの量で読む本の量も一日で十冊位である。シャバキは速読術も身に着けているのだ。
「努力はしてるんだよ」
「しかもその努力を努力と思わない」
「そうした人だから」
「話はわかった!人類は滅亡する!」
シャバキはその『努力』の結果を今また喚いた。
「俺にもわからないことはある!だがわかってみせる!」
「本当に残念な人だね」
「そうした意味でもね」
そのシャバキを見てまた話す二人だった。
「この熱意と能力があれば」
「どれだけ連合に貢献出来たか」
「発明王にも文豪にも大政治家にもなれただろうに」
「絶対にね」
「それが一生精神病院に隔離って」
「本当に残念なことね」
「人類滅亡への序曲だ!」
だがシャバキは叫び続けるだけだった、己の破滅願望のままに。ネロとアロアはそのシャバキを見て思うのだった。
破滅願望 完
2018・3・16
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