レーヴァティン
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第五十六話 ミラノの街その十四
「我々が起きている世界では過度の強権政治、そして独裁政治は馴染まないでしょうが」
「それでもか」
「この島ではわかりません、むしろです」
「強権や独裁でないとか」
「治まらないかも知れません」
かえってというのだ。
「多くの領邦や都市に分かれていてモンスターも多いので」
「そういった島を統一して魔神に向かうとなるとな」
「余計にです」
「強権、独裁はか」
「否定出来ないかと」
こう久志に話したのだった。
「やはり」
「何にしても柔軟にか」
「考えていきましょう、それがです」
「政治にとって大事なことか」
「その一つです、信念は強く持ち」
そしてというのだ。
「それと共にです」
「柔軟さもか」
「併せ持つべきですから」
「そうか、そういえば歌劇場もな」
今自分達がいるこの街の頭痛の種の一つの件もというのだ。
「何とかしようって思ったらな」
「そう思うならですね」
「徹底してな」
「上からの改革がですね」
「必要みたいだしな」
しがらみを破壊するそれをというのだ。
「そうしたことから考えてもか」
「強権も時によしです」
「わかった、じゃあ旗揚げしたらな」
「柔軟にですね」
「やっていくな」
こう順一に答えてだった、久志は今は仲間達と共にミラノの街を見て回った。九人目の仲間である留美を迎え彼等の旅はまた新たな段階に入った。
第五十六話 完
2018・3・1
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