八条学園騒動記
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第四百六十八話 破滅願望その一
破滅願望
ネロがネットで見たシャバキは相変わらず隔離されている病室で叫んでいた、その叫んでいる内容はというと。
「話は聞いた!人類は滅亡する!」
「そ……そうか!」
「ま、まさか!」
「何だってえーーーーーっ!」
自分で自分に突っ込みを入れつつ叫んでいた。
「マヤ文明は人類を滅ぼす為の仕込みをしていたんだよ!」
「あの、何かね」
「ええ、私も見てるわ」
アロアもネロのスマホを覗き込んで応えた。
「今度はマヤ文明ね」
「人類を滅亡させるって言ってるよ」
「どういう理屈かしらね」
「それ言うかな、今から」
「言うなら聞かせてもらいたいわね」
「そうだよね、マヤ文明とどう関係があるのか」
人類滅亡がというのだ。
「一体ね」
「そこ気になるよね」
「凄くね」
それで二人でシャバキに注目した、するとシャバキは実際に叫んだ。
「マヤ文明はケツアルカトルという破壊神がいるんだ!」
「創造神じゃなかったっけ、ケツアルカトルって」
「そうよね」
二人で思わずネットで喚いているシャバキに突っ込みを入れた、見れば画面への書き込みそうした突っ込みが瞬時に来ていた。
「相変わらず微妙に勘違いして言ってるわね」
「自分に都合のいい感じでね」
「その破壊神が仕込んでいたんだ!」
だがシャバキは相変わらず叫んでいる。
「携帯の電波!それを密かに開発させていたんだよ!」
「ああ、電波が身体や精神に影響を与えるんだ」
ネロはこの理屈はわたった。
「そうした話昔からあるね」
「ええ、確かにね」
アロアもその話は知っていて言う。
「このことはね」
「言われてるね」
「そうよね」
「けれど電波とケツアルカトルって」
「どういう関係かは」
「一切言ってないね」
「そうよね」
だがここでだ、シャバキの彼の中では絶対の予測による断言が炸裂した。
「ケツアルカトルは文化の神でもあるんだ!文化は電波も入っているんだ!」
「まあそうだけれどね」
「それはそうよね」
「ただね、破壊神で文化神って」
「何、その組み合わせ」
それがおかしいと思う二人だった。それでネロが言いアロアも続いた。
「文化は創造して調和だよね」
「破壊してどうするのよ」
「矛盾してるよ」
「というか論理破綻してるじゃない」
だがシャバキにとって論理の破綻なぞ問題ではない、それでさらに一人で喚き散らしていくのだった。
「その電波で人類の全てを破壊するつもりだったんだ!」
「ふうん、そうだったんだ」
「初耳ね」
「というかね」
「もう皆笑ってるじゃない」
書き込みを見れば何だってーーーーが怒涛で来てそんな筈ないだろという書き込みも続いて書き込まれた。
「いつも通りだしね」
「そうなってるね」
「ええ、けれどね」
「この人まだ続けてるね」
「俺にもわからないことがある!」
自分で言いだした、それも唐突に。
そしてだ、今度はだった。
ふと部屋の壁の隅が目に入ってこんなことを言い出した。
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