八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百五十四話 青い空その三
「更衣室にいるのは」
「それは」
「学校はそうじゃないけれど学校以外の場所だと」
公営のプールやお風呂屋さん等のだ。
「お婆さんもいたりするじゃない」
「確かに」
「だからね」
「あまりよくないんだ」
「おトイレなんか特に」
こちらの盗撮もある、ここまでいくと変態じゃないかと思う。おトイレまでとなると幾ら何でもだ。
「いいものじゃないわよ」
「まあ変態さんもいるから」
実際にこう友奈さんに返した。
「だからね」
「そうした人もいて」
「おトイレもね」
僕にとっては理解出来ないことだけれどだ。
「いるんだろうね」
「そうなの、けれど」
「そんなことをしても」
「いい匂いは嗅げないし」
「いいものもだね」
「見られないわ」
それが現実だというのだ。
「そこがわかっていないのよ」
「そうしたことをする人は」
「女の人の匂いは甘く見ないことよ」
「それが現実なんだ」
「女子寮に潜入すれば」
忍者やスパイみたいにだ。
「花の園に入るのじゃないの」
「その逆なんだ」
「禁断の世界に入るのよ」
そちらになるというのだ。
「絶対に後悔するわ」
「嫌な現実だね」
「だから義和がそうした気にならないことは」
女子寮に入ろうとか思わないことはというのだ。
「いいことよ。これは男子寮もでしょ」
「ああ、正直ね」
そう言われるとだ、僕にしてもこう言えた。
「あまりね」
「お勧めしないわね」
「うん」
友奈さんにはっきりと答えた。
「いいものじゃないよ」
「少女漫画にある様な世界じゃないわね」
「全然違うよ」
笑って友奈さんに話した。
「汗臭くて汚くて」
「そうした世界よね」
「いじめはないにしても」
寮だけじゃなく閉鎖された世界ならよくあることだ、学校にしても閉鎖的な世界であるだけにそうした話が多い。
「うちの男子寮先生達が目を光らせてるから」
「そうしたことには厳しくて」
「けれどね」
「奇麗な世界じゃないわね」
「ええと、風と木の詩?」
僕はかなり危ない漫画を思い出した、ここで。
「同性愛の漫画だけれど」
「そうしたお話もよね」
「ないから」
笑って友奈さんに話した。
「猥談ばかりにしても」
「そうよね、うちの女子寮もね」
「ないよね、そんなお話は」
「ないわ、猥談も多いし」
「女の子もなんだ」
「いじめもないけれど」
女子寮もというのだ。
「それでもね」
「よく言われる様なだね」
「花の園じゃないわ」
「禁断の世界だね」
「そうよ」
まさにというのだ。
ページ上へ戻る