八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十四話 青い空その一
第百五十四話 青い空
僕はお昼御飯の後また八条荘のお庭に出た、一人でそこを散策しようと思っていて出たけれど。
その僕にだ、友奈さんが声をかけてきた。
「暇なの?」
「うん、だからね」
それでとだ、僕は友奈さんに答えた。
「今からね」
「お庭を歩いてなの」
「時間を潰そうと思っていたんだ」
「そうだったのね、私もね」
「友奈さんもなんだ」
「そのつもりなの」
そうだというのだ。
「今からね」
「一緒だね」
「そうね、一緒ね」
友奈さんは僕に微笑んで応えてくれた。
「たまたまだけれど」
「そうだよね」
「じゃあたまたまだから」
「だから?」
「これも何かの縁だから」
それでというのだ。
「一緒に歩かない?」
「そうする?」
「ええ、二人でお話でもしながら」
そうしつつというのだ。
「一緒に歩きましょう」
「それじゃあね」
僕は友奈さんの言葉に頷いてそしてだった。
二人でお庭を一緒に歩きはじめた、八条荘はお庭もイギリス風で草花もそうだ。その草花を見ていてだ。
僕は友奈さんにこんなことを言った。
「一ついいかな」
「どうしたの?」
「友奈さん八条荘のお花好きかな」
「好きよ」
僕に笑顔を向けて答えてくれた。
「薔薇も他のお花もね」
「それは有り難いよ」
「有り難いの」
「うん、ここの管理人としてはね」
とはいっても本当に何もしていない、そうしたことは畑中さん達が何でもしてくれている。
「嬉しいよ」
「そうなの」
「僕の家でもあるし」
「そうね、ここは義和のお家でもあるわね」
「皆にとってはお部屋になるね」
「お家というよりは」
むしろというのだ。
「お部屋よ」
「実家は別にあって」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そちらになるわ」
「今住んでいる場所と実家は違うからね」
「ええ、感覚的にね」
「それでだね」
「今住んでいる場所はお部屋よ」
「お家じゃないね」
「そこは違うから」
どうしてもというのだ。
「他の娘達もそうじゃないかしら」
「実家が一番かな」
「そうね、一番落ち着くのはね」
「実家だよね」
「私もね。それと」
「それと?」
「うちの学園の寮のことは知ってるわよね」
お庭の中を一緒に歩いてそこにある草花達を見つつだ、僕に聞いてきた。
「高等部の」
「うん、何度か行ったこともあるよ」
「遊びに」
「寮生の友達も多いから」
このことは初等部からだ、八条学園はそうした寮の設備も充実していて小学生から入られるのだ。
「何度かね」
「行ったことがあって」
「知ってるよ」
それなりにと言うべきだろうか。
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