MS Operative Theory
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技術解説
通信システム①
——旧世紀の技術が復活した宇宙世紀の通信事情——
一週間戦争において、連邦軍宇宙艦隊が公国軍の急襲によって壊滅させれたことはよく知られている。この際、ルナツーの動きが見られなかったことの理由として、各サイドに駐留する艦隊とルナツーが通信途絶状態に陥っていたことが挙げられる。これはマイクロ波や超長波など、殆どの電磁波を遮断するミノフスキー粒子によって通信が妨害されるためである。このため、高い命中精度を誇る精密誘導兵器や、相互データリンクによる統合艦砲射撃が使用不能となっただけではなく、それまで情報網の要であった通信システム全体が機能不全となり、攻撃手段だけでなく通信手段までもが第二次世界大戦時のレベルにまで後退するという事態が発生した。さらに充分な対ミノフスキー粒子シールドが施されていない機器も誤作動を起こしたため、有線通信も制限された。
軍隊には強力な武器と優秀な将兵だけがいればいいと素人は考えがちである。確かに武器や将兵は軍隊を構成する上で重要な要素である。しかし、これは情報や補給といったファクター同様、「点」でしかない。この「点」同士を繋ぐ「線」がなければ、軍隊は充分に機能することはない。この「線」に相当するものが通信であり、これが無ければ味方や敵の位置、状況などの把握が困難となり、部隊の行動を著しく制限することとなる。また、出撃中の味方部隊に命令を伝えることも不可能となるばかりか、部隊同士の連携や支援の要請、さらに部隊内の連絡すら出来なくなる。
宇宙世紀の戦場ではミノフスキー粒子の影響により、一週間戦争や地球侵攻作戦が行われた時期には、連邦軍内での連絡網は使用不能であった。そのため、新たな通信手段が模索されたが、決定的な解決策は提示されなかった。短距離ではミノフスキー粒子濃度が低い場合に限って通常の無線通信や接触回線が用いられるほか、MSのモノアイや位置特定用ランプなどを点滅させて情報を伝えるライト・シグナル、MSの手振りを用いたジェスチャーなどが近距離での通信手段として使われるようになった。また、ミノフスキー粒子対策を施した人間用通信機も普及している。これらは人間が背負うバックパック型やトランシーバーなどが使用されているが、サイズが大きい割に通信距離が短いという欠点を持つ。このため、航空機投下用の通信筒や、伝令兵などの旧世紀の戦場における通信手段が併用されているのが現状である。
補足事項
——人間レベルの通信手段——
■通信機
ミノフスキー粒子散布下であっても、将兵レベル(特に地上軍)の通信は無線機が多用される。ただし、ミノフスキー粒子対策を施しているためバックパック型など、大型のモデルが多く、個人レベルで携行することは少ない。
■通信カプセル
命令やメッセージの書かれた書簡などを入れ、航空機から基地や中継通信施設へと投下するカプセル。航空機が無線封鎖状態にある場合などに使用される。投下後は発見しやすいように、発煙するタイプもあった。
■伝令兵
無線封鎖や機密保持などの理由で味方部隊と通常通信が出来ない場合、伝令兵が命令を伝えるケースも見られた。伝令は単独で行動することが多く、敵の占領地域を通過することもあるため、危険な任務であった。
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