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八条学園騒動記

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第四百六十五話 あまり投げるなその九

「それをするのが政治家だろ」
「そうだな」
「それが北朝鮮だとか」
「違っていた」
「国家は自分の為にか」
「そこにいる人達もだ」
 彼等もというのだ。
「その国では人民といったがな」
「人民か」
「市民と意味はまあ同じだ」
 連合では国民をこう呼んでいる、尚エウロパでは貴族は貴族平民は平民として分けて言われていてサハラやマウリアでは国民と呼ばれる。
「その市民達もな」
「独裁者の為にか」
「存在するとされていた」
「滅茶苦茶な話だな」
「人民は独裁者に奉仕すべき存在だとな」
「政治家は国や市民を豊かにする為にいるんだがな」
 無論私利私欲のみの輩もいるがあくまで政治はその為にあるとされている、国益を求め実現することが仕事だとだ。
「それがか」
「あの国では違っていてだ」
「人民、だな」
 フランツはこの言葉を確かめた。
「その人達はか」
「独裁者に奉仕して喜びとする」
「そうした立場だってか」
「されていた」
「凄いな」
「それで共和国と自称していた」
「共和国は確かな」
 フランツは成績は悪い、学校の勉強よりも野球に全身全霊を注ぎ込みそちらに頭を使っている為だ。
「王国じゃないよな」
「選挙で大統領を選んだりしてな」
「国家元首を決めるんだよな」
「そうした国だ」
「けれど北朝鮮は世襲だったんだろ」
「そうだった」
 タムタムはフランツのシンカーを受けつつはっきりと答えた。
「代々のな」
「それじゃあ王国だろ」
「そう思っていい」
 タムタムも否定しなかった。
「世襲だったからな」
「それじゃあ共和国じゃないよな」
「だがそれでもだ」
「共和国って自称してたのかよ」
「他にも民主主義だの人民だの国の名前に付いていた」
 そうした大層な言葉がだ、実話である。
「そうした国だったがな」
「嘘だろ」
「嘘だった」
 タムタムはまたしてもはっきりと答えた。
「究極の独裁体制で人民主体でもなくな」
「共和国でもなかったな」
「それで独裁者の為に国があるとされていてだ」
「自由も民主主義もなくてか」
「階級制の封建体制だった」
 その実はというのだ。
「ピラミッドみたいな、な」
「エウロパの貴族やマウリアのカースト制みたいな感じか」
「どっちも遥かに甘い位だ」
 北朝鮮の階級と比べると、というのだ。
「絶対なまでに強固な階級だった」
「絶対か」
「敵対階層という国内でも信用されない敵視されている人達もいたからな」
「奴隷みたいな感じか?それは」
「そんな扱いだった」
 これも実h話である。
「そうして徹底的に迫害、弾圧されていた」
「有り得ない国家だな」
「尚共産主義は全人類の平等を謳っていた」
 それが多分にお題目であってもだ、やはりソ連も含めた殆どの国はある程度でも守ろうとはしていた。 
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