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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十二話 あと二日その五

「ここでお話するよりも」
「あっ、そうですね」
「お食事を摂りつつです」
 つまり朝御飯をというのだ。
「そうしていきましょう」
「それでは」
 僕達も頷いてだ、それで食堂に入ってそうして朝御飯を食べた。今日の朝御飯は大きなハンバーガーと野菜ジュースだった。
 そのハンバーガーを食べつつだ、マルヤムさんはあらためて言った。
「魔物にカーネル=サンダース、怨念でござるな」
「その三つが」 
 まさにとだ、友奈さんが答えた。
「甲子園にはいて」
「それで、でござるな」
「全部祟って」
 それも相手じゃなくて阪神にだ。
「負けるの」
「それもハンデでござるな」
「高校野球と同じで」
「そうしたものまで憑いているでござるか」
 マルヤムさんは食べながら唸った。
「恐ろしいでござるな」
「そうなの」
「しかし」
「しかし?」
「魔物は勝負では常でござる」
 いるとだ、マルヤムさんは言った。
「そして怨念が篭ることもまた」
「あるっていうのね」
「そうでござるが」
 それでもというのだ。
「残る一つがわからないでござる」
「カーネル=サンダースが」
「あれでござるな」 
 マルヤムさんが言うことはというと。
「ケンタッキーの」
「そう、あの人」
「それが何故阪神にでござるか」
「それはマルヤムは聞いてないの」
「阪神は好きでござるが」
 それでもというのだ。
「怨念等の話ははじめてでござる」
「聞いたの」
「そうでござるよ」
「それでカーネル=サンダースのお話も」
「今はじめて」
 まさにというのだ。
「聞いたでござる」
「じゃあお話するはね」
「お願いするでござる」
「ではね」
 友奈さんはあらためて話した。
「道頓堀走ってるわね」
「大阪でござるな」
「そう、あそこでのお話なの」
「そうだったでござるか」
「あそこに阪神が日本一になった時に」
 昭和六十年のことだ。
「皆で跳び込んでいたの」
「あれでござるな」
「優勝して嬉しくて」
 この時からはじまったらしい。
「それでね」
「その時にでござるか」
「飛び込んだのよ」
 その道頓堀にだ、本当にこの時からはじまった。
「そしてね」
「その時にでござるか」
「バースに似ているという理由で」
「拙者も知っているでござる」 
 バース、この人はというのだ。
「三冠王を二度獲得して」
「その阪神を日本一にした」
「最高の助っ人でござるな」
「史上最強最高の助っ人よ」
 もうこう言っていい位だと思う、あの人は。 
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