夢幻水滸伝
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第四十八話 再戦その五
「それでいくがや」
「正直他の手はないな」
「そうですね」
滝沢と正宗はまずは二人で話した。
「この状況で関西に勝つには」
「他にはない」
「では我々も」
「司馬さんの考えに賛成だな」
「私もです」
最後に鈴子が言ってきた。
「それしかないと思います」
「では」
「はい、空船で北ノ庄城本丸に入り込み」
「雨の夜に」
「そこから降下して兵達が降りてですね」
「本丸を一気に占領してです」
そのうえでというのだ。
「それと呼応してです」
「越前自体をですね」
「一気に攻めるのです」
残った兵達でというのだ。
「本丸を攻めるのは棟梁と滝沢君、そして正宗君で」
「わし等がだがや」
「はい、武に秀でた方々で」
「まさに戦向けのだがや」
「本丸を攻めそして残りの星の者達が加賀と越前の国境から攻めます」
そうするというのだ。
「指揮系統を乱すと共に敵も攻めて」
「勝つだがや」
「そうしましょう、若しここで勝てれば」
「それでだがや」
「我々は劣勢を覆すことが出来ます」
今のこの状況をというのだ。
「それを狙いましょう」
「まさに乾坤一擲だがや」
「そうです、ですから何としても成功させましょう」
「わかっただがや、では今から用意だがや」
その奇襲のだ、こう話して実際にだった。東海と北陸の者達は奇襲を仕掛ける為の用意に入ったのだった。
この頃関西も戦の用意を進めていた、中里は伊勢に移り尾張との国境に七万五千の兵を向かわせつつこんなことを言った。
「尾張でまずは名古屋城を攻め落とすか」
「そうしてでごわすな」
中里の下に入っている北原が応えた、見れば九州の星の者達だけでなく中国と四国の者達も共にいる。
「尾張自体も」
「そや、手に入れてな」
「そこから三河もでごわすな」
「東海道はまさに東海の大動脈や」
中里は北原に強い声で話した。
「そやからな」
「まずはでごわすな」
「名古屋城を攻め落としてな」
「駿河まで進むでごわすか」
「そや、僕等はそうしていく」
東海道を攻めていくというのだ。
「そうしたら東海の力はガタ落ちや」
「講和するしかなくなるでごわすな」
「それでや」
「名古屋城を攻め落としそのうえで」
「駿河を目指すで」
「海からの援護もありますし」
軍師としている美鈴が言ってきた。
「吉川さんと又吉君の軍勢がいますし」
「そうや、それでや」
「水軍とも共同してですね」
「東海を攻めてく、勿論港も占領する」
そこもというのだ。
「港から物資も受け取りつつな」
「攻めていきましょう」
「是非な、しかし何かな」
ここでだ、中里は敵の軍勢の動きの報を聞いたことから言った。
「敵の動きはな」
「ああ、思ったよりもね」
雪路が中里に応えて言ってきた。
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