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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2023話

 ゆかりのペルソナがパワーアップしてから、数時間……取りあえずゆかりは色々と……そう、本当に色々とあって、俺と顔を合わせるのが恥ずかしかったらしく、再度の休憩時間は俺1人で回る事になってしまった。
 同級生からは、戻ってきたゆかりが顔を真っ赤にしていた事もあって何かあったのではないかと勘ぐられもしたのだが……いや、実際に何かあったのは間違いないから、別に勘ぐりって訳でもないのか?
 険悪だった母親との仲の関係修復、俺とのキス、それが見つかるところだったかもしれないという危機感、そして……ペルソナの進化。
 実際に覚醒したペルソナ……ゆかり曰く、イシスという名前らしいが、とにかくそのイシスの能力については今夜にでもタルタロスに挑んでしっかりと確認する事にした。
 ともあれ、そんな風に短時間で本当に色々とあったので、ゆかりも自分だけで考えたい事があるのだろう。

「ん、これ美味いな」
「へへっ、だろ? ならもっと買っていってくれよ。2-Fは儲かってるんだろ?」

 クレープを作っている屋台で、男子生徒がそう言う。
 いや、実際このクレープは美味い。
 ……ただ、クレープというのは作るのが酷く難しいというイメージが俺にはあるんだが、よく屋台をやるつもりになったな。
 クレープの生地とか、俺の場合は引っ繰り返す時に絶対に破くぞ。
 ともあれ、実は俺の中でクレープというのは、好物であると同時にネギマ世界のゴーヤクレープの件もあって、複雑な思いがある。
 幸い……って言い方はどうかと思うが、俺が知ってる限りでは、この世界にゴーヤクレープは存在していない。
 けど、影時間を解決して自由にホワイトスターと行き来が出来るようになれば、恐らく、この世界にもゴーヤクレープが浸食してくるんだろうな。
 何だかんだと、今では全ての世界にゴーヤクレープが浸食してるし。
 寧ろ、もう行けなくなった門世界にもゴーヤクレープが浸食していたとしても、恐らく俺は驚かない。

「そうだな、ならもう1つ貰おうか。このスペシャルイチゴサンデーで」
「はいよ、700円な」

 そうして係の男に金を払うと、男はすぐにクレープを焼き始める。
 鉄板に生地を流し、それを薄く広げて焼き、素早く引っ繰り返す。
 そこに生クリームやイチゴをトッピングして生地を巻けば、あっという間にクレープが出来上がった。
 思わず、本職かよと突っ込みたくなった俺は、決して間違っていないだろう。
 ともあれ、最初に買ったクレープは食べ終わったところだったので、新しいクレープを手にして、学園祭を見て回る。
 中には部活で出店している屋台もあり、かなり賑やかだ。
 あのゴムボールを投げて、標的役をやっている男の被っている看板に当てれば賞品が貰えるって奴……やってみるか?

「アクセル」

 声のした方に視線を向ければ、そこには美鶴の姿があった。

「どうしたんだ、生徒会長が。今日は色々と忙しいんじゃないのか?」
「ちょっと前までは忙しかったんだがな。ただ、他の皆が私にも少しは学園祭を楽しんでこいと言ってくれてな。1時間程休憩の時間を貰ったんだ」
「へぇ……なら、そうだな。ちょっと一緒に回るか?」

 そう告げると、美鶴は少しだけ驚いた表情を浮かべる。

「いいのか?」
「ああ、俺はそれで別に構わない。……寧ろ、美鶴の方こそいいのか? 折角の学園祭を俺と一緒で」
「構わんさ。もし誰にも誘われなければ、結局1人で見て回っていたのだからな」
「意外だな。美鶴はかなり人気があるんだし、それこそ一緒に学園祭を見て回りたいって奴が大勢いてもおかしくないと思うんだが」
「ふっ、どうだろうな。アクセルがどう思っているのかは分からないが、結局今の私はこうして1人でここにいる、それが全てだよ」

 美鶴は間違いなく人気のある人物だし、下級生からもお姉様と慕われている。
 実際、今も俺と話している美鶴に通行人が何人も視線を向けているのだから。
 そう考えれば、誰かが美鶴を誘ってもおかしくはないんだが……
 寧ろ、お互いに牽制し合っている間に、結局誰も誘えなかったって感じだったりするのか?
 ともあれ、俺と一緒に学園祭を見て回るのは問題ないようなので、俺は美鶴と共に歩き出す。

「それで、最初はどこにいく?」
「ふむ……どこという場所はないな。取りあえず適当に見回らないか? 面白そうな場所があれば、そこを見ればいいし」
「それは構わないけど、美鶴の場合はどこで何をやってるのかってのは分かってるじゃないか?」

 生徒会長という立場上、全ての出し物に許可を出したりとしているのだから、そうであってもおかしくはない。
 だが、美鶴はそんな俺の言葉に苦笑を浮かべる。

「一応全部の出し物をチェックしているが、それはあくまでも書類上の事でしかない。また、準備中に見て回る事はあるが、今のように完全に出来たところを全て見て回る訳にはいかないからな」
「あー……なるほど」

 月光祭の規模そのものは、そこまで大きなものではない。
 そもそもの話、月光館学園の敷地自体がそう広くはないのだから、それは当然だろう。
 ……麻帆良学園の学園祭とか、数人の生徒会で管理しろと言われれば、間違いなく不可能になりそうだが。

「なら、そうだな。取りあえずあそこに行ってみないか? 見た感じ、結構人気らしいけど」

 俺の視線が向けられたのは、教室を使った喫茶店。
 ただ、当然ながらただの喫茶店でそこまで人気が出る筈はなく……

「仮装喫茶? ほう、そう言えばそのような店もあったな」

 美鶴の言葉通り、そこは様々な仮装をした生徒達が開いている喫茶店だった。
 それこそペルソナ世界でやっているアニメのキャラから、猫耳、犬耳……魔女という格好もいれば、メイド服や執事もいる。

「学園祭らしいと言えば、らしいんだろうが……」
「ふふっ、そうだな」

 教室の中に入って中を見回しながら呟くと、美鶴はそんな俺の言葉に面白そうな笑みを浮かべてくる。
 まぁ、この学園祭では金を稼ぐ事が認められている。
 そう考えれば、この仮装喫茶はそれなりに狙いがいいのだろう。
 もっとも、あくまでもメインは仮装という扱いで、食べたり飲んだりしている料理は出来合いのものを普通に使ってるだけにしか見えないのだが。

「ご注文はお決まりですかにゃん?」

 猫耳と猫の尻尾をつけたウェイトレスが、そう注文を取りに来る。
 少し……いや、かなりわざとらしい語尾だし、手が招き猫のような形を取っているのもあざといが、席がほぼ満席に近いという事は、それなりにこれが人気だという事なのだろう。
 俺にはちょっと信じられないが。
 ともあれ、適当に紅茶とケーキを注文する。
 さっきクレープを食べたばかりだが、俺の場合はその辺りを気にするようなことはない。
 ちなみに美鶴は紅茶とクッキーのみ。
 美鶴の場合は、これからも色々と仕事があって大変なんだろうが。
 ……そう言えば、ゆかりのペルソナが進化した件は、美鶴に報告した方がいいのか?
 いや、何だかんだと俺と美鶴は別の勢力という扱いなんだし、そう考えれば別に報告する必要はないのか。
 もっとも、ゆかりが報告するべきだと考えれば、そのうち報告もするだろうが。
 寧ろ、イオが進化したように、ペンテシレアもそのうち進化するのかが気になるな。
 イオは結局どういう理由で進化したのかが分からなかったが。
 最初は母親との関係が良好になり、ゆかりが精神的に成長したからか? と思わないでもなかったのだが……実際にイオが進化したのは、俺とキスをしているところを見られそうになって、それを何とか誤魔化してからだ。
 そういう理由でペルソナが進化したというのは、ちょっと……色々と考えたくはない。
 取りあえず、後でゆかりとその辺は口裏を合わせるというか、しっかりと話をしておくとしよう。

「アクセル、月光祭は楽しめているか?」
「ん? ああ、俺は随分と楽しませて貰ってるぞ」
「そうか、よかった」

 美鶴がしみじみとそう呟いたのは、俺を月光館学園に入学させるのをかなり強引に進めたという自覚があったからだろう。
 実際、月光館学園に通うようになってから、1日の大半が学校での時間となっているのだ。
 俺が高校生活を楽しむ為に転入したのでなければ、恐らく……いや、確実に不満を募らせていただろう。

「アクセル達のクラスは、鉄板焼きだったな?」
「ああ。何だったら、これを食べ終わったらちょっと見に行ってみるか? 結構美味い料理を揃えてるぞ?」

 そう告げるが、美鶴は少し考えた後で首を横に振る。

「そうしたいところだが、そこまで空腹ではないのでな。それに……」
「それに?」
「いや、何でもない」

 言葉を濁す美鶴。
 何かあったのか? と疑問を抱くも、この様子ではもし聞いても答えてくれるような事はないだろう。
 まぁ、美鶴の事だからアイギスとか有里、順平といった面子には会いに行きにくい……といったところか。
 何だかんだと、同じ寮に住んでいるという事で、贔屓されているとか、そんな風に思ってる奴もいるらしいし。
 個人的には、月光館学園の生徒会長という立場なのだから、普通に見て回っても何の問題もないと思うんだが……まぁ、その辺は美鶴に無理をさせても意味はない、といったところか。
 そんな風に思いつつ、簡単なお茶を済ませると俺と美鶴はそのまま仮装喫茶を出る。
 何故かさっきの猫娘? の仮装をした女が、俺と美鶴を見て目を輝かせていたが……それが何を思っての事なのかは、取りあえず考えない方がいいだろう。

「さて、じゃあ次は何を見に行く?」
「ふむ、3-Cでお化け屋敷をやってるらしい。是非一度見に来て下さいと言われていたのだが……行ってみないか?」

 美鶴のその言葉で、次に俺達が行く場所は3-Cに決まったのだった。





「あああああああああ」

 顔を血糊で出血を連想させる特殊メイクをした女が姿を現すが……

「ふむ、なるほど。それなりに良い出来だ。アクセルもそう思わないか?」

 そんな幽霊役の相手を見て、美鶴は感心したように呟き、それどころか俺に意見を求めてくる。
 そんな美鶴の様子に、お化け役の女……だけではなく、周囲で美鶴を驚かそうとしていた他の連中も動きを止めていた。
 毎晩のようにタルタロスで様々なシャドウと戦っているんだから……おまけに、刈り取る者の姿も何度も見てる事を考えれば、美鶴がちょっとやそっとの事で驚かなくなってもおかしくはないだろう。
 あー……でも、お化け役の女がショックを受けているように見える。
 無理もないか。素人目では、そこそこリアルな特殊メイクだし。
 いや、こういうのも特殊メイクって呼ぶのか?
 ともあれ、頑張ってこのお化け屋敷の準備をしていたのは間違いないのに、こうして全く怖がられないってのは……色々と堪えるのは間違いない。

「ほら、美鶴。先に進むぞ」

 このままだと、あのお化け役がかなり可哀想だったので、取り合えず美鶴の手を引っ張ってお化け屋敷の中を進んでいく。
 かなり広い特別教室を借り切り、そこに色々と配置してそれなりに長い時間お化け屋敷の中にいる事になる。
 よって、美鶴は俺と共にそれなりに長い時間お化け屋敷の中にいる事になり……それで被害を受けたのは、当然のようにお化け役を任されていた生徒達だった。
 まぁ、それでも俺達以外の悲鳴はそれなりに聞こえたりしてたので、このお化け屋敷もそれなりに悪いものではなかったのだろう。
 結局はお化け屋敷のお化け達を嘆かせながら、俺と美鶴は次の出し物に向かう。

「ふむ、それなりに面白かったな。だが、出来ればもう少し迫力を……」

 廊下を歩きながらそんな風に呟いているのを見る限り、美鶴としてはお化け屋敷はそれなりに楽しめたのだろう。

「さて、じゃあ次はどこに行く? どこか美鶴がお勧めの場所があれば、そこに行ってもいいんだが」
「そうだな。なら……1-Eにでも行ってみるか」
「何をやってるんだ?」
「写真展だ。クラスの皆で色々な写真を撮って、それを飾っているらしい」
「それだけを聞けば、学園祭当日には遊びたい連中が適当に展示物を作った、といった風に聞こえるけど?」

 適当な展示物を作って、それを教室に貼っておく。
 やる気がないクラス、遊びたい者が多いクラス……そんな者達がやるような展示に思えるが、まさか美鶴がそんな場所を勧めないだろうと考え、百聞は一見にしかずとばかりに、俺達は1-Eに向かい……

「これは、予想以上だな」
「だろう? 私も準備中の時に見たが、本気で凄いと思ったからな」

 そこに展示されている写真は、夕日だったり、花だったり、蝶だったり……
 非常に色々な被写体ではあったが、どう見てもその辺の素人が撮ったようなものではなく、ある程度の技術がある者が撮ったような、本物の写真が展示されていたのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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