進め!ブラックマジシャンガール!
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中庭にて
ツカサ:「はぁ…はぁ…居た。夜上くーん!」
主が中庭に向かうと、そこには
花壇に囲まれ雑草取りをしている
夜上君の姿があった。
夜上:「ツカサ……」
ツカサ:「夜上君……」
夜上:「どうしたの?」
ツカサ:「僕も手伝うよ」
夜上:「え……どうして…」
ツカサ:「早く雑草取りを終わらせて、
夜上君と一緒に無くしたデーモンの召喚を
探したいから…」
マジシャンガール(主……)
アックスレイダー(主は何故中庭に…)
リグラス(問題は解決したはずじゃあ…)
マジシャンガール(結果だけ見るとね…。
でも、主は多分…)
夜上:「あぁその事か……いいよもう。
探さなくても……」
ツカサ:「えっ」
マジシャンガール(!!)
夜上君の一言に、主と私は驚いた。
ツカサ:「もういいって、どうして…」
夜上:「誰にも言わない?」
ツカサ:「…うん」
夜上:「実は先生と約束して、学校に
もうカードを持って来ない代わりに、
新しいデーモンの召喚を買ってくれるって
言ってたんだ…だからもう……」
ソニックバード(主の奴、何をしたいんだ?)
ホーリーエルフ(さっき先生から聞いたじゃん)
人喰い虫(ケッ。もう忘れちまったのか)
違う……。主は、夜上君に伝えたい事がある。
デュエリストにとって、デュエルとはまた違う
とても大切な事……カードを大切にする
主だからこそ……
ツカサ:「いいわけ無いよ夜上君…」
夜上:「えっ」
ツカサ:「自分のカードを無くしたままで、
いい訳が無いよ……それに今の夜上君、
新しいデーモンの召喚が手に入るって
なっても、ちっとも嬉しそうじゃない」
夜上:「ツカサ……」
ツカサ:「夜上君本当は、
先生に買ってもらうやつじゃなくて、
自分で持ってたデーモンの召喚が
1番好きなんじゃないの?」
夜上:「えっ……」
マジシャンガール(主……)
ツカサ:「実は僕も今日間違って、
遊戯王カードを学校に持ってきちゃったんだ」
夜上:「え、ツカサも?」
ツカサ:「うん…。でも僕は夜上君みたいに
カードを無くした訳じゃない。
だけどカードを無くした夜上君を見て、
何となく夜上君の気持ちが
分かる気がするんだ。
もし僕が今日持って来たカードの
どれか一枚でも無くしたら、
例え先生が同じ新しいやつを
買ってくれるとしても、全然嬉しくないもん」
夜上:「……」
ツカサ:「カードは、自分で手に入れるから
嬉しいんじゃないか」
夜上:「!!」
リグラス(主……)
アックスレイダー(我々のどれか一枚でも、か)
ツカサ:「だから、先生に買ってもらうんじゃ
なくて、雑草取りが終わったら一緒に
デーモンの召喚を探そう!僕が手伝うから!」
夜上:「ツカサ……うっ…うぅ」
主の言葉を聞いた夜上君は、
まるで溜め込んで抑えていたものを
吐き出すように泣き出した。
夜上:「本当はっっ、嫌なんだっっヒグッ。
新しいやづ……ヒック。僕が当でたっ…
初めでのレアだがら……」
マジシャンガール(あのデーモンの召喚、
夜上君が当てた初めての
レアカードだったのね……)
リグラス(それなら尚更ですねぇ…)
ツカサ:「じゃあ早く
雑草取りを終わらせよう!
もう泣かないで夜上君!あダメだよ!
土のついた手で擦っちゃ!」
夜上:「グスッ……うんっっ」
夜上君と一緒に探す約束をした主。
でも、しばらく雑草取りをしていると
佐藤先生からの校内放送がかかり、
学校が閉校時間を迎えた為
まだ残っている生徒は
速やかに帰宅するよう告げられた。
主と夜上君は仕方なく帰宅する事にし、
2人は気分が晴れないまま帰路を辿った。
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