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おぢばにおかえり

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77部分:第十二話 制服その三


第十二話 制服その三

「目が釣り目の人じゃない」
「そうよね。大体」
「北川景子さんとかね」
「あっ、そういえば」
 北川景子さんと聞いて彼女はふと気付いたみたいです。
「何?」
「長池先輩ってその北川景子さんに似てない?」
「そういえばそうよね」
 言われてふと気付きました。
「背も同じ位だったわよね」
「ええ」
 北川景子さんが一六〇ですけれど先輩もそれ位です。女の人では標準ですね。大体一五五なかったら小柄なんだと思います。私は一五〇ですけれど。
「顔つきは」
「先輩は北川さんを優しくした感じよね。あと髪の毛を」
「もっと茶色にしてふわふわした感じね」
「そうそう。そうなるわよね」
「それ考えたら先輩って」
 また気付きました。
「本当に奇麗なのね」
「高井先輩もそうよね」
 御二人はよく一緒におられますけれど。美人ユニットです。
「それぞれタイプが違ってるけれどね」
「だから余計に目立つのよ。そういえばさ」
「何?」
 話が変わりました。
「高井先輩って岡山の人よね」
「ええ、そうよ」
 これは先輩から直接教えてもらったことです。
「岡山の教会の娘さんよ」
「それも結構大きな教会だったわよね」
「かなりね」
 だから高井先輩はお嬢様になっちゃうんでしょうか。天理教の人は飾らないからそんなイメージはないんですけれど。
「大きな教会の娘さんなのよ」
「そうだったんだ」
「あんたも教会の娘さんじゃない」
 今目の前にいる彼女もそうです。地方から天理高校に来ている人は大体教会や布教所の息子さんや娘さんです。私もそうですし。
「同じじゃない」
「大教会違うし」
 彼女はこう私に言いました。
「高井先輩のことは詳しくなかったのよ」
「そうだったの」
「それにしても岡山かあ」
 何かそれに思うところがあるようです。
「いいなあ」
「いいの?」
「だって美味しいもの一杯あるじゃない」
 理由はそれでした。
「桃だってマスカットだって」
「果物多いわね」
「あと黍団子にままかり」
 そういえば多いです。神戸もその点では不自由していませんけれど。
「うちの兄貴がね、イギリスに布教に行ったのよ」
「イギリス、ねえ」
 イギリスと聞いただけでおおよそのことは察しがつきました。
「壮絶だったって」
「食べ物がなのに」
「もう食べていられなかったそうよ」
 やっぱりそれでした。イギリスといえば食べ物がかなりあれなことで本当に有名でしたから。
「どれ位かっていうとね」
「どれ位なの?」
「天理高校の一昔のお昼御飯レベルですって」
「それってかなりってことよね」
「ええ」
 私に対して頷いてきました。
「それかもっと酷かったって言っていたわよ」
「うわ、凄いなんてものじゃないわね」
 天理高校のお昼御飯は一昔前はかなり壮絶なものだったらしいです。私達もお米やおかずも信者さん達からの寄付からですから当然です。あと天理高校の施設も全部寄付からです。それがかなり凄くて天理高校の施設はかなり整っています。八条学園並です。
「それだと」
「それ考えたら岡山っていいじゃない」
 岡山に話が戻りました。
「美味しいものが一杯でね」
「行きたいの?」
「行きたいわ」
 答えはもう決まっていました。
「私の実家大阪だから近いし」
「大阪だったら別にいいじゃない」
 話を聞いて心の中で何だと思いました。
「食い倒れだから別に」
「まあそうだけれどね」
 これは本人も認めました。
 
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