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夢幻水滸伝

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第四十七話 越前にてその四

「乗らないと駄目だぜ」
「でっかいことをやってやな」
「国も民も海や川の幸をどんどん食ってもらうぜ」
「そうしていこな、食べものがあってこそや」
「人は生きていけるからな」
「そうしてもらうで、ほなな」
「ああ、今からおいらは関西の人間だな」
「そうなったさかい。基本都におってそして海や川や湖に行って」 
 そうしてというのだ。
「漁業やってもらうで」
「わかったぜ、じゃあな」
「今からな」
 笑顔で応えた尾崎だった、こうしてだった。
 尾崎も関西の陣営に加わった、彼は敦賀でやり残したことそして引っ越しのことを済ませると御所に向かった。その彼を見届けてだった。
 綾乃も都に戻った、この時も八岐大蛇に乗ってだったが大蛇は空を飛びつつ自分の背に座っている主に言った。
「これで、ですな」
「ご主人が誘うべき星の人間は全員入りましたな」
「五人全員」
「五人全員入って」
「他の二人もですな」
「誘い入れるべき星の人間は全部ですね」
「誘い入れてくれたみたいやね」
 綾乃は八つの首で自分に話してくる大蛇ににこりと笑って答えた。
「十二人全員入ったわ」
「いや、よかったです」
「これで関西の内政はかなり変わります」
「内政の専門家が全部揃って」
「それで」
「そやね、うちはここまで考えられんかったわ」
 それぞれの内政の専門家達を迎え入れることはだ。
「星の子は全員加えるつもりでも」
「今の時点で、ですね」
「内政のそれぞれの分野の専門家として迎え入れて」
「内政をより充実させる」
「そこまでは」
「その辺りほんま太宰君は凄いわ」 
 あらためて彼の政治家としての識見と視野の広さに感嘆を覚えたのだった。
「ここまで考えてるなんてな」
「恐るべきは宰相」
「我が関西の宰相ですな」
「いや、味方でよかったです」
「全く恐ろしい宰相を持ったもんです」
「戦も都から支えてくれるし」
 送るべき武器や食料、補充の将兵を常に的確に送ってくれる。それで中里と芥川の九州攻めも無事に進んだのだ。
「内政も今の時点で相当やし」
「そう考えますと」
「ほんまに宰相様様ですな」
「ここで内政の星の人間が一気に揃って」
「内政がかなり充実します」
「そうなるしな、しかもこれまで内政してる時はな」
 どうしてもというのだ。
「戦があると中断していたし」
「そうそう、その時は」
「もう戦優先で」
「星の人間も戦に出てまして」
「その分内政が遅れたりしてました」
「それが専門家があそこまで入ったら」
 一気に十二人もというのだ、それぞれの分野を合わせて。
「そう思うとな」
「大きいですね」
「戦をする星のモンと内政をする星のモンで仕事分担出来て」
「それで、ですね」
「常に内政を充実させられますね」
「内政を進められて」
「そやねん、これからいよいよ東海と北陸の戦になるけど」
 互いの存亡賭けた決戦、それに入るというのだ。
「その時もな」
「内政を出来ますな」
「揃えた十二人で」
「これまで領土にしたとこの内政を」
「それも大きいです」
「そやねん、何か凄い楽になったわ」
 国家運営、それがというのだ。
「ほんま太宰君の言うこと聞いてよかったわ」
「ほなですね」
「都に帰ったら戦の用意して」
「内政もしていきますか」
「そうなるで、どっちも進めて」
 そうしてというのだ。 
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