獣篇Ⅲ
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5 大女優はモノマネが十八番(おはこ)
レポートを書き終えて無事に真選組に送ったあと、スーツケースからボストンバッグを取り出して、いつもの正装をする。今着ているのはエメラルド色の着流しなので、一応さらしを巻いたままである。使うかもしれないので、綺麗に畳んで例の棚の中に入れておく。部屋に置いてあった鏡台の前に座る。髪飾りの入ったバッグを取り出して、頭をポニーテールにし、垂れてきた前髪を横に流し、頭に髪飾りを着ける。それが終わったら、録音機を仕込んだダイヤのピアスをつけ、耳にはイアホン、そして目にはカラコンを入れた。スパイたちの間ではお馴染みの、いろいろ伝達やら細工やらができるやつである。薄く化粧を施した。お道具たちを例のバッグに詰め終えて、あとは、万が一の時のために晋助の髪の毛を一本頂けば、準備は完了だ。
_「よし、できた。じゃ、行ってくるねー」
と言って、ハグするふりをして髪の毛を一本頂戴した。ラッキーだった。抜けていた毛があって。wwww
そのまま部屋を出た私は、ハンカチに包んで紐で縛っておく。チャンスは一回しかない。ちなみに、ポリジュース薬は、性別が違う相手になる場合もちゃんと性別が変わる。便利な薬だ。
もちろん、晋助で実験済みである。
船を使って行くのが面倒なので、ワープした。カモフラージュで、船に魔法をかけておいた。春雨の船を探索する間に着くだろう。コンタクトから指示を出して、晋助に出発したとLINEを送っておくように指示を出しておいた。瞬間技で春雨のマントを被る。顔を包帯で隠して片目をだけを出して歩く。提督の部屋に向かう。ポリジュース薬に神威の髪の毛を一本入れた。混ぜて飲む。神威になってから、提督の部屋に行く。ノックして入る。入れ、という声がした。部屋に入る。
_「どうした?神威。」
_「部下の一人を、天導衆に使いに出したいんだけど、いいカナ?」
お得意の笑みを浮かべる。
提督は、突然どうした?と声をかけつつも、言葉を続ける。
_「どんな内容で行くんだね?」
_「部下の一人が天導衆のオジサンに呼ばれたらしいヨ。オレも信じられないけどネ。」
_「使いに出す、くらいならいいだろう。ちなみに誰なんだ?」
_「えっとネ、アンナ・イェラノヴァって言ってたカナ?」
_「アンナ・イェラノヴァだと!?中々の大物だぞ!?」
_「そうなノ?」
ってか私、ここにいるよーwwww
_「あァ。彼女を捕まえたのはスゴいことだ。しかも我が春雨にいるとなれば、こんなに名誉なことはない。ぜひ行かせてこい。」
_「あららー、意外とあっさり許可を出すんだネ?アンナって、そんなにスゴいんだネ。じゃ、オレはこの辺で戻るとしようじゃないか。」
じゃあネ、と言ってその場を去った。
そろそろ薬が切れる頃だ。格好を変えねば。急いでスパイの服に着替える。化粧も変え、頭もセットし直し、天導衆の船にワープした。
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