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レーヴァティン

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第四十九話 八人目のことその六

「そうしようぜ」
「そうですね、そしてですね」
「心ゆくまで飲んで食いながらな」
「情報もですね」
「聞こうな、こうして店の中で飲んでいるだけでな」
 ただそうしているだけで、であった。彼等が。
「周りの客達があれこれ話してな」
「色々な話が聞けますね」
「そうだよな、やっぱり人が多いとな」
「それだけで、ですね」
「色々聞けるな、特にな」
「島の各地を行き交う商人達が多いと」
「余計にだよ」
 その情報がというのだ。
「聞けるな」
「有益な話が」
「島のな、こうして聞くとな」
 その商人達が飲み食いしつつ何気なく話しているそれをだ。
「色々わかるな」
「島の各地のことが」
「戦やってやり内乱あったりとかな」
 そうした物騒な話が多かった。
「それで民が迷惑したり商いが出来なくなってな」
「戦が起こるとどうしてもだ」
 正はビールを飲みつつ冷静に話した。
「商売どころでなくなる」
「戦に巻き込まれるからな」
「それはわかるな」
「俺達の世界でもそうだしな」
 つまり現代社会でもだ。
「もうそれで民間人は近寄れなくなってな」
「貿易も出来なくなるな」
「巻き込まれてえらいことになるからな」
「だからだ、こっちの世界でもだ」
「戦争になるとか」
「巻き込まれるのを避ける為にだ」
 まさにその為にだ。
「そうした話をしている」
「そういうことだな」
「それもかなりな」
「何処と何処がなりそうかもだな」
「事前に知ることも必要だ」
 戦争が起こる可能性、それをだ。
「難を避ける為にだ」
「それでだよな」
「あくまで今の時点での話だが」
 それでもだというのだ。
「色々知っておいてだ」
「商人は動くんだな」
「そういうことだ、俺達の拠点はヨハネスブルグにあるが」
「ああ、そうだよな」
「その拠点のヨハネスブルグの話もあるな」
「平和みたいで何よりだよ」
 留守にしているその街がというのだ。
「本当にな」
「そうだな、しかしな」
「肝心の話はな」
 自分達が一番知りたい話はというのだ。
「それはな」
「今のところはな」
「聞いてないな」
 少し残念そうにだ、久志は言った。
「まだな」
「ああ、まだだよな」
「あくまでまだだな」
「これからはわからないからな」
 正はそこを言うのだった。
「まだ情報を集めていくぞ」
「そうするべきだな」
「有名な奴は噂に出るからな」 
 それでというのだ。
「俺達もそうだっただろ」
「まあな、凄い奴だってな」
 久志は仲間達、今いる七人を見回しつつ正に答えた。
「噂になっていたぜ」
「それで情報を集めてだな」
「それでな」
「仲間にしていったな」
「だからか」
「ああ、八人目も以後の連中もな」
 その面々もというのだ。 
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