何もない俺が異世界転移
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第1章.王都編
10.初めての戦闘
前書き
異世界初の戦闘です。
今俺は初の魔物との戦闘【ゴブリン】×2との戦闘をしている。
戦況はというと、お察しの通り...
最悪である。
剣もまともに振り回せないし、ゴブリンは斧を持っており
その攻撃を避けるので精いっぱいだ。
「本当に俺なんかい倒せるのかよッ!」
そう言いながら逃げていると、
「そんな事ではこの世界では生きては行けんぞッ!」
テジモフさんからそんな言葉が飛んできた。
そうだ、これからこの世界が俺の生活する世界だ、
こんな所で立ち止まってどうする。
そう自分に言い聞かせると剣を強く握りしめ、ゴブリンを睨み付ける。
そして、ゴブリンの方へ走り斬りかかる。
が、躱される。しかし諦めず再び斬りかかる。
ゴブリンの一体は、予想外の反応に体勢を崩しこけた。
「よしチャンスだ!」
そう思いそのゴブリン目がけ剣を振り下ろそうとした時、
「おい横じゃ!ゴブリンはもう一体いるんじゃぞ!」
その言葉を聞いた時には既に遅く真横ではもう一体のゴブリンが
斧を振り上げているところであった。
俺は確信した...避けれない。そう思った時、
時間が止まったような感覚に陥った
『えぇ、ここで死んじゃうの...つまんないなぁ、
君なら少しは楽しませてくれると思ってたんだけどね。』
脳裏に誰かの声が流れてきた。
『まぁ、平凡な君に期待した僕が馬鹿だったのかな』
俺は昔から平凡だとか普通だとかずっと言われてきた、
「所詮はあの雄一だ」とかね。
俺だってそんなことを言われて大丈夫なわけない、
いつか見返してやりたいとかずっと考えていた。
『じゃ、今やりなよ。』
そんな事出来るわけない、だって俺は死ぬんだから。
『今それが出来なければ【来世】もただの平凡だよ。』
今できるのか、俺は。
『それは君の覚悟次第さ、さぁ目の前の敵を打ち倒せ。
君は、自分が平凡だと勝手に思い込んでいるだけだよ、
周りから言われただの、俺は出来ないだの
そんなこと分からないじゃないか、
数多あまたの可能性を信じるんだ、君にはその力があるはずだよ。』
勝手に思い込んでいるだけ、か。
それもあるかもな、そこまでいうならやってやろうじゃねぇか!
『そう、その意気だよ。』
そう俺が決意した瞬間何かが流れ込んでくるような感覚があったが、よく分からない。
そして、意識が戻りその瞬間はまさにゴブリンが斧を自分に向けて
振り下ろそうとしていた瞬間であった。
「あぶなっ!」
咄嗟に後方へ飛び退く、
あれ、俺ってこんな反射神経よかったっけ?
今なら倒せるような、そんな気がする。
そして次は周りをよく見て、2体のゴブリンの位置を把握し再度斬りかかった。
さっきは重くて上手く扱えなかった長剣も何故か重く感じない。
「いっけぇーッ!」
そしてその剣はゴブリンを切り裂くことに成功した。
残りは1体、そいつは相方のゴブリンがやられたことにより狼狽うろたえている。
「これで止めだッ!」
そのゴブリンに向け最後の一撃を繰り出す。
そして異世界最初の戦いは幕を閉じた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「驚いたぞ、まさか初めてで2体のゴブリンを倒してしまうとは。
途中でワシも助けに入ろうとしたがいらぬ心配だったようじゃな。」
「いえ、途中でテジモフさんの声がなければ俺は無傷ではいられなかったです。」
あの時テジモフさんの声がなければ背中を斧で切り裂かれていただろう。
想像しただけでも恐ろしい。
「そういえば、あの声は何だったんだろう。」
「あの声とな?」
やられそうになった時に聞こえたあの【女性の声】は何だったのだろう。
その時あった事を話した。
「ふむ、ワシにはそんな声は聞こえなかったぞ?
ともかく、初戦闘の後じゃ少しここで休んでから行こう。」
「はいそうさせてもらいます。」
少し休憩した後、
俺とテジモフさんは隣村に向け歩き始めるのだった。
後書き
面白いと思ってくださったら、評価&感想などよろしくお願いします。
ページ上へ戻る