| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

死神と呼ばれた転生者

作者:正博
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第3話

 アムロがまたドジを踏んだ。
 懐かしいのは分かるが、敵がうようよいる所で会うなよ。
 そのせいでミライと子供が、ティターンの人質になった。
 挙句に責任を感じたアムロが、人質交換交渉に行って捕まった。
 1回ぐらいのドジは許すが3度もやるなよ、最強のニュータイプ。
 ハヤト達が奪還作戦を立てているが、俺は俺でやらせてもらう。
 久しぶりに陸戦装備を身にまとい、ロングコートで隠し外へ出て行った。
 最近忘れそうになるが、今思い出した生身の『死神』を。

 スードリは近くに停泊しているのは、情報で分かっているのですぐにたどり着いた。
 スードリのタラップで歩哨していた2人を、サイレンサー付き拳銃で始末し中へ。
 後はすれ違いになる奴の喉を、軍用ナイフで切り裂き先に進む。
 疑似ニュータイプ能力でアムロ達の居場所は、何となく感じている。
 とにかくミライ親子を先に助ける、ドジ踏んだ奴は後だ。
 下層部付近に捕らわれていた、ミライ親子を救出。

 ミライ「ありがとう。貴方に助けてもらうなんてね。リュウイチ」
 リュウイチ「今はエゥーゴのメンバーだからね。ドジ踏んだ奴の後始末だよ」
 ミライ「アムロは?」
 リュウイチ「これからだ。女子供にはきついが我慢してくれ」

 とにかくミライ親子を連れて、アムロの救出に向かう。
 出会う者を皆殺しにするのをやはり気に入らないらしいが、自分達のせいだと分かっているので口には出さないでいる。
 ようやくアムロを助けると、武器を渡し脱出にかかった。
 本当は全員殺しておきたいが、ミライ親子を巻き込むのは流石に気が引ける。
 突然、警報が鳴り出した。
 あれだけ殺して、今迄見つからん方が不思議だ。
 
 リュウイチ「俺が敵の目を引く、その間にミライ親子を連れて逃げろ」
 アムロ「そんな事をしたらあなたが」
 リュウイチ「『死神』がそう簡単にくたばるか。オデッサに比べりゃ楽な物だ」

 俺は手榴弾を投げて敵の目を集めた。

 リュウイチ「早く行け。お前はともかくミライ親子は絶対守れ」

 俺は敵に突っ込んでいった。
 どれ位時間が経ったか分からんが、攻撃が止んだ。
 5.6発食らったがまだいけるが、しかし取り敢えず撤退するか。
 無事にスードリを降り、隠して置いていたバイクでアウドムラに戻った。
 生身の『死神』は、健在の様だ。
 アウドムラに入ると、突然意識が途絶えた。


 目覚めるとミイラ男にされていた。
 通りかかった奴に聞くと、4日も倒れていたらしい。
 アウドムラは既に発進していた、ベッドの脇にミライからの感謝の手紙があった。
 別に見る気は無いので、カバンに押し込んだ。

 アムロ「リュウイチ! 大丈夫なのか。もう少し休んだ方が」
 リュウイチ「構わない。『死神』がそう簡単にくたばるか。それよりあれは?」

 俺が指さしたのは何か落ち込んだ、カミーユの姿だった。

 アムロ「サイコガンダムのパイロットと、知り合いだったみたいで少しな」
 リュウイチ「春が来たのに、冬に逆戻りか。色恋事は任せた」

 その場をアムロに任し、RX-78BD-5『ブルーディスティニー5号機』の元へと行った。
 また知らない間に弄った様だ、ヴェスパー、ミノフスキー・ドライブ、ビームシールド。
 もうこれなぁにと聞かれも答えられんぞ。
 しかもジェネレーターをV2ガンダムの物に交換、おかげで化け物になっていた。
 その為かバスターランチャーがカートリッジ式から、直接機体からエネルギーをチャージ連射出来る様に変更されていた。
 それと腰に刀が装備されていた、聞くと『シシオウブレード』だそうだ。
 ガンダム以外が入り出したな、趣味人共。
 RX-78BD-6『ブルーディスティニー6号機』になった・・・どこまで行く気だ。


 サイコガンダムが再び攻撃を仕掛けて来た。
 カミーユの説得が効いたのか知らんが、サイコガンダムが突然スードリに突入した。
 フォウと言う少女が、ロケットブースターを準備し出した。
 ウッダーがそれを阻止するべく銃を撃ったが、フォウは軽症だった。
 アムロが気付きフォウを援護、カミーユのガンダムMK-Ⅱをロケットブースターで宇宙に打ち上げた。
 俺は放置か。
 仲間がいるからそいつらと一緒でないと、どの道上がれんがな。
 結局俺達はカラバのニューギニア基地攻略戦を手伝ってから、他の打ち上げ基地から宇宙に上がりアーガマに拾われた。


 俺達がアーガマに入って間もなく、ティターンズの攻撃があった。
 新型可変式MSらしくリックディアスのエマ機が撃墜され、カミーユのガンダムMK-Ⅱもかなりのダメージを食らいピンチに陥っていた。

 リュウイチ「カミーユ後退しろ。的になるぞ」
 カミーユ「それがスラスター系の殆んどが、やられて身動きが取れません」
 リュウイチ「チィ。距離を取られ過ぎて、近づく前にMK-Ⅱをやられる」

 IフィールドでガンダムMK-Ⅱを庇っているが、代わりに攻撃方法がない。
 バスターランチャーを使えば届くが、チャージの間Iフィールドが消える手詰まりだな。
 1機なら攻撃を潰しながら近寄れるが、相手は2機だ1機に構うともう1機がMK-Ⅱを狙うだろうし。
 その時何処からともなく戦闘機が現れ、敵のMSを攻撃し出した。

 カミーユ「あれは、まさか!」
 リュウイチ「何だ、知り合いか?」

 戦闘機がいきなり変形しMSになった。

 カミーユ「Zガンダム完成したのか」
 リュウイチ「味方ならいい。カミーユ、バスターランチャーを使う俺の後ろから離れるな」

 敵MSがZガンダムに気を取られている内に、バスターランチャーを準備した。

 リュウイチ「Zガンダムのパイロットでかいのを撃つ、気を付けてくれ」

 俺は返事を待たずに引き金を引いた、巨大なエネルギー弾が敵MSに向って行く。
 気付いた敵は変形して躱そうとしたが、1機がZガンダムに固執して反応が遅れ下半身がエネルギー弾に飲み込まれた。
 敵MSは大破した1機をアームに掛け逃げて行った。
 
 リュウイチ「やれやれだぜ。Zガンダムのパイロット助かった」
 アポリー「『死神』に礼を言われるなんてなぁ」
 カミーユ「アポリー中尉。Zガンダム完成したのですね」
 アポリー「お前用に運んで来た。俺はもう御免だ」

 Zガンダムに乗り換えたカミーユは、第2陣の補給のレコア・カツを狙った敵を撃退した。
 ガンダムMK-Ⅱはエマ中尉が代わりに乗る事になり、カツの運んで来たGディフェンサーでバワーアップが出来る様になった。


 UC0087年8月10日
 ティターンズが月面都市フォンブラウンに、攻撃を仕掛けて来た。
 第1陣を撃退している間に戦艦が1隻強行着陸して、手を引かねば都市を攻撃すると脅迫してきた。
 ブライトは撤退を指示、俺達は一時フォンブラウンから離れた。
 ブライトはカミーユにフォンブラウンの現状偵察を指示した。
 その間に再びフォンブラウンに接近中だったアーガマが、敵の偵察部隊に発見された。
 その迎撃に独断にMSメタスでファが出撃するも、ギャプランのヤザンに歯が立たずフォンブラウンに逃げ込んだ。
 レコア少尉がZガンダムをカミーユに送り届けている間に、アーガマはフォンブラウンの発電施設を占拠した。
 するとティターンズの指揮官はあっさりと、フォンブラウンを放棄撤退して行った。


 UC0087年8月17日
 エゥーゴに存続の危機的事件が起きた。
 代表ブレックス准将が地球で暗殺された。
 連邦軍の指揮権をティターンズに委ねる発議阻止に、連邦議会総会に出席する為地球に降りていた。
 クワトロ大尉を護衛にしていたが泊まっていたホテルで、ティターンズの刺客にあった。
 亡くなる直前クワトロ大尉を、次のエゥーゴの代表に指名した。


 UC0087年9月21日
 ティターンズがエゥーゴに協力的なコロニーを見せしめとする為、サイド2・25バンチコロニーに重巡洋艦アレキサンドリアを派遣した。
 何らかの作戦があると出撃命令が、アーガマとラーディッシュに出た。

 リュウイチ「あれか。やけに数が少ないが、罠か?」
 クワトロ「あれを見ろ。奴らG-3ガスをコロニー流すつもりだ」
 カミーユ「なんて事を」

 ティターンズのハイザック3機がG-3ガスのタンクを、コロニーに設置しょうとしていた。
 俺達の接近を発見したティターンズが、迎撃部隊を出して来た。

 リュウイチ「お前等でG-3を止めろ。俺は迎撃部隊を抑える」
 クワトロ「行くぞ。カミーユ」
 カミーユ「しかし1人では」
 リュウイチ「俺は軍人の命は奪うが、民間人に手を出した事は無い。行け」
 カミーユ「分かりました。行きます」

 俺はバスターランチャーを展開すると、カミーユ達の方へ向かう敵に狙いを付けた。

 リュウイチ「地獄へ行け。ティターンズ!!」

 巨大なエネルギー弾がティターンズの部隊を光に変えた。

 リュウイチ「『トランザム!!』」

 手に『シシオウブレード』を持つと、迎撃部隊に飛び込んだ。
 流石切れ味が良いな、あっさりと死ねる趣味人共に感謝しろ。
 俺が迎撃部隊を壊滅させた時に、G-3のタンクが爆発するのが見えた。

 リュウイチ「やっと終わった・・・・・・まだ死にたいらしいな。ティターンズ」

 俺の後ろから増援艦隊が来て、次々MSを発進させていた。

 リュウイチ「調度いい。この所大人しかったんだ」

 次々来る敵を、ヴェスパーで消し飛ばし、近寄ってはコックピットを『シシオウブレード』で貫いた。
 30機も落とした頃ティターンズ艦隊から信号弾が上がった。

 リュウイチ「馬鹿が『死神』の前に立って、無事に帰れると思うな」

 俺は再びバスターランチャーを展開、敵艦隊事照準に入れた。
 そして引き金を引くと巨大なエネルギー弾が全てを飲み込んだ。
 1機中破でまだ生きている、バーザムを見つけた。

 リュウイチ「コロニーの住民を皆殺しにしょうとした奴らを、降伏させると思うな」

 再び『シシオウブレード』を抜くと、中破したバーザムのコックピットを突き刺した。

 カミーユ「もう抵抗できない相手じゃ無いですか。何も殺さなくても」
 リュウイチ「コロニーの住民も抵抗できないぞ。こいつ等は住民を皆殺しに来た」
 カミーユ「しかし・・・・」
 リュウイチ「お前も昔のアムロと同じだ。武器を抜いた相手を、俺は許す気にはなれん」

 俺は武器を仕舞うと、アーガマに戻って行った。


 UC0087年10月12日
 ジオン公国残党アクシズが、小惑星アクシズと共に地球圏に帰還した。
 ザビ家のドズルの遺児ミネバ・ザビを象徴に、摂政ハマーン・カーンが率いていた。
 エゥーゴとティターンズの双方が同盟を結ぼうとした。
 だがエゥーゴのクワトロとハマーンの、過去の個人的確執により交渉は決裂した。
 ティターンズはシロッコがミネバにも忠誠を誓い、同盟は結ばれた。


 UC0087年11月2日
 キリマンジャロ基地の攻略作戦が、エゥーゴとカラバで始まった。
 カラバを援護する為エゥーゴ艦隊は、衛星軌道まで降下して攻撃を開始した。

 リュウイチ「あいつ等も自重しなくなったな。ウィングゼロの可動式バインダーって目立ちまくりだな」

 俺は今ティターンズ艦隊から発進したMS部隊と戦っていた。
 衛星軌道上のエゥーゴ艦隊を狙ってきたのだ。
 ツインバスターライフルを撃ち、まとめて消しているが数が多い。
 その時ハンブラビの攻撃を食らった百式が、大気圏に落ちていくのが見えた。

 リュウイチ「クワトロの馬鹿野郎!」

 俺は急ぎ救出に行った、2度も代表を失ったらエゥーゴは瓦解する。

 リュウイチ「捕まって俺の上に乗れ、クワトロ」
 クワトロ「貴様が焼け死ぬぞ」
 リュウイチ「俺のこの羽根は大気圏突入が出来る。どの道ここまで落ちたら戻れん」
 クワトロ「貴様に借りを作るのは嫌だが仕方が無い」

 その時カミーユのZガンダムが、ウェブライダー形態で降りて来た。

 カミーユ「2人共乗ってください」
 リュウイチ「良かったな、借りを作らなくて済んで。カミーユこいつだけ乗せろ、俺は自力で突破出来るから」
 カミーユ「はい。大尉下に入ります」
 クワトロ「すまんカミーユ」

 俺達3人は地球のキリマンジャロ基地に降下して、直接攻撃に参加する事になった。

 クワトロ「ともかくカラバの部隊と合流しよう」
 カミーユ「分かりました」
 リュウイチ「それじゃ早く行け。敵に見つかった、ここで俺は遊んで行く」

 俺はツインバスターライフルを撃ち始めた。

 クワトロ「カミーユ行くぞ」
 カミーユ「でも大尉・・・・」
 リュウイチ「カミーユ気にせず行け。俺の邪魔になる」

 俺はツインバスターライフルを撃ちながらそう言った。
 ようやくZガンダムも去って行った。

 リュウイチ「エゥーゴに参加してからお上品な戦いばかりして、調子が狂っている。ここらで本当の『死神』に戻るか」
 
 ツインバスターライフルを仕舞うと、ツインビームサイズを取り出した。

リュウイチ「やはり『死神』と言えばこいつだよな。死ぬぜ、俺の姿を見た奴は死んじまうぜ」

 ブルーは敵のMS群に襲い掛かった。
 久しぶりのコックピット狙い、逃げる相手にはヴェスパーで消滅戻って来た『死神』が。
 敵12機を全て倒すと、敵を探して基地内を歩いた。
 歩兵等は、頭部バルカン砲で潰し、トーチカの砲台もヴェスパーで吹き飛ばした。
 9機のMSを見つけた、獲物だ。
 加速を掛け先頭のマラサイを、コックピット事斬り飛ばした。
 5機をヴェスパーで消滅、残る3機をなぶる様にツインビームサイズを突き立てた。
 周りを見渡して気が付いた。
 サイコガンダムが倒れており、その上にカミーユがZガンダムを降りて行くではないか。

 リュウイチ「やはり反吐が出る。あいつがホンコンで民間人をどれ位殺したか。そんな奴に恋愛だと馬鹿じゃねぇの」

 その時上から敵MSがZガンダムを、狙っているのに気が付いた。

 リュウイチ「俺もおかしくなっているのかな、そんな奴を助けようだなんて」

 そう言ってツインバスターライフルを持つと、狙いを付けて撃った。
 敵MSが気付き躱そうと動いた為、足を吹き飛ばしただけで敵のMSは逃げて行った。

 リュウイチ「やはりおかしくなっているな・・・・・」

 カラバの突撃隊が仕掛けた爆薬が爆発して山が崩壊、キリマンジャロ基地は陥落した。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧