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NEIGHBOR EATER

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EATING 16

俺達は喫茶店で朝食を食べた後、ショッピングモールに来ていた。

「ハル…」

「何?」

「金は有るのか?」

見たところ財布も何も持っていない…

「有るよ。これでも私ってお嬢様なんだから」

そう言ってハルが出したのは数枚のカードが入ったケース…

お嬢様…雪ノ下建設だったか?

まぁ、いいか。どのみち自分の分は自分で出すし。

あ…夜架のは買ってやらないと…

大規模進攻の時の褒賞金があるし…

「で、何を買うんだ?」

「そうね…取り敢えず服と…ランドセルかなぁ…」

「わたくしは自分の物が有ります」

ランドセルかぁ…

「あー…何処かに放り出してそのままだな…」

ネイバーから逃げる時、重りになるランドセルは捨てたのだ。

「先ずは服ね」

と言われてハルは俺と夜架をユニクロへ連れて行った。

「んー…じゃぁ二人共、好きに服を選んで来て」

そう言われたので子供服の有るコーナーへ向かう。

好きに…ねぇ…

ぶっちゃけどうでもいい…

ファッションに興味は無い。

んー…適当に黒い服でも買うか…

俺は手近な黒いシャツやズボン等を選んでレジに向かった…が

「はい、ちょっと待とうねー」

「お待ちください主様」

「なんだよハル、夜架?」

二人に肩を掴まれ、足を止めた。

「いや、葬式にでも行くの?」

「暗殺でもなさるおつもりですか?」

散々な言い様だった。

「いや、黒なら無難だし…」

「甘い!甘いよ翼君!…夜架ちゃん?」

「はい、わかっていますわ」

何がだよ?

「はーい、ちょっとこっち来ようね…」

とハルに引きずられて…着せ替え人形にされた…

試着室内

「おい待てバカ野郎!?それ女物じゃねぇか!」

ハルが持ってきたのは…ゴスロリ服だ。

「いいじゃん、似合いそうだし」

「おい!夜架!拘束を解け!主様の命令だぞ!?」

俺を羽交い締めにする自称従者に命じる。

「…………………………お許し下さい主様」

「ちくしょうめ!」

そんな風に一通り俺の普段着(ユニセックスが多かった事に作為を感じる)を選んだ後に女物の服を着せられた。

「う…うぅ…」

はづかしい…

「うん…似合うわ…」

「主様、とても美しゅうございます」

二人がカーテンの隙間から顔を覗かせて感想を言った。

「他の服も…」

「やだ!」

「陽乃様…もうこれくらいに…」

もう少し早く味方して欲しかった…

「んー…そうね」

ハルがようやく元の服を返してくれたのでそれを引ったくって着替える。

「もう…私が悪かったからそんなに睨まないでちょうだい?」

「自覚あるなら止めろよ」

「探求心が勝ったのよ」

んのヤロウ…

その後レジに行った。

「俺が払うよ」

「いいわよ、私の方が持ってるし」

「そうか?でもなぁ…」

「あー…あと、はい」

ハルが見せてくれたのはクレジットカードと手紙だった。

『雪ノ下君、きっと翼君は「自分で払う」と言うだろう。
その時はこのカードで払ってくれ。
彼が支給品だけで済ましているのは我々にも責任がある…』

とその後にもう少し続き、最後に…

『忍田、林道』

とあった…

「好意は受け取っておく物よ」

いや、益々払って貰う訳には…

一応家が吹っ飛んだ分の補償金は貰ってる訳だし…

その後少し揉めたが結局ハルが渡されたカードで払った。

「次は…ランドセルかな?」

あぁ、そだな…


と言う訳でランドセル売り場にやって来た。

「どれにするの?」

「黒でいい」

「あら?この赤とか似合いそうだけど…」

「却下だバカ野郎……おい、夜架、その手に持ってるのはなんだ?」

「わたくしのお薦めですわ」

夜架が持っていたのはラベンダー色のランドセルだった。

両サイドにはご丁寧にラベンダーの刺繍付き…

「益々却下だ!……ハル!お前まで持ってくるな!」

ハルが持っていたのはさっきの赤いランドセル。

「揃いも揃ってアホか!」

結局折衷案という事で蒼いランドセルを買った。

「はぁ…なんか疲れた…」

防衛任務はトリオン器官喰えるからいいけど…

女子(と)の買い物に付き合うのって疲れる…
 
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