ランス END ~繰り返しの第二次魔人戦争~
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第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
序章(CP0第一周、結末Cエンド)
第01話 ヘルマン共和国の再建
前書き
此処からは第00話の前日譚です。
LP7年5月前半 ヘルマン共和国 首都ラング・バウ
皇子パットン率いる革命軍による「ヘルマン革命」から半年が過ぎた。
帝政だったヘルマンは、今やシーラ大統領による共和政へと国の形を変えた。
国を二分した内乱は、リーザスとゼス二大国の大規模な軍事的介入もなく二ヶ月月後で終息した。
新たに総司令官となったヒューバートは、陣頭指揮取りながら軍の再編を行っていた。
なんとか想定より人的損害は抑えられたというものの、革命で多くの士官(軍の指揮官)が命を落とした。
第一軍から第五軍まである正規軍の将軍は、第五軍のロレックス将軍を除いて皆が亡くなっている。
軍部の反乱を警戒していた前宰相ステッセルは、軍の予算を最低限に抑えていた。
人間を信頼していなかった彼は、生物兵や機械兵といった「不死の兵団計画」に多額の資金を投下。
兵の強さはともかく士官の育成においてヘルマンは、リーザスやゼスの後塵を拝していた。
ヘルマン人は概して身体が大きく、頑強なものが多い。
だいたい男性は、身長が180前後で普通、170くらいの女性兵も数多くいる。
その為か、他国からは「ヘルマン兵は畑で取れる」と揶揄されていた。
しかし、兵はともかくとして、今は将が足りない。
ヘルマン最強の第三軍は将軍の適任者おらず、総司令官のヒューバートが兼任。
主力である第一軍の将軍に、二十歳にも満たないアミトスが任命されたことからもそれが分かる。
幸いなことに新生ヘルマン共和国とリーザス王国およびゼス王国との関係は、以前ほど悪くはない。
各国の首脳を「俺の女」と呼ぶ無法者の大将として共に戦ったあいつのお陰だ。
これからはヘルマン軍の主戦場は、魔軍と国境を接する番裏の砦になるだろう。
第二軍は堅実なボドゥに将軍を任せ、第一軍、第三軍の生き残りから熟練兵を下士官として再編した。
逆に第一軍、第三軍は革命の戦場で生き残った若手を多く集めた。あの革命が初陣だったという者も多い。
再編計画は五年後、十年後と先を見据えた長期的なものとなるだろう。
十代、二十代の若者たちが経験を積めば大陸最強と謳われたヘルマン軍はかつての陣容を取り戻すだろう。
「その頃には俺も親父みたいに貫禄がついてるのかね……」
貫禄がついてる自分の姿が、想像できずため息をつく。
「ヒューバードさん、どうかされました?」
同じ執務室で、重要書類に判を押していた大統領のシーラが反応する。
「んん? いや、五年後、十年後……俺たちは、どうなってるだろうなって」
「なによそれ。この国の未来をよくするためには、アンタたちが頑張ってるんでしょ?」
秘書のペルエレが呆れたように口を挟む。ちなみにこいつは休憩中だ。
「あー、そうだな。そりゃ、そうなんだが……。
ふと、親父やレリューコフの爺さんのような貫禄のある将になれるかなと思ってな」
「ふ~ん、そういう話ね」
「私たちの五年後、十年後ですか……」
話を軽く流したペルエレとは違いシーラは、未来に思いを馳せる。
「そうですね。パットン兄様は、お髭を生やしても似合いそう……」
つられてヒューバードもレリューコフのような髭を生やしたパットンの姿を想像する。
その隣に並ぶ歳月を経ても変わらぬ姿の黒髪のカラーと一緒に。
「ぶっ!」
思わず吹き出す。
「はははは、そりゃいいな! あいつには青髭とでも呼ばれてそうだ」
「くすくす……」
「なーに、二人で仕事中に、しょーもないことで笑ってるのよ。
ま、その調子なら、この国の未来も、私の老後も、だいぶ明るいわね」
「そうだね。その為にも頑張らないと」
「そうだな。死んでいった奴らに合うときは、笑いながら報告できるようにしないとな」
この国の明るい行く末を象徴するように、大統領の執務室はどこか賑やかだった。
「そういえば、あいつは今どこにいるんだ? 先月、帝都に立ち寄ったと聞いたが」
「そういえば、あんたは視察に行ってたから入れ違いだったわね」
「はい。ランス様なら滞在された後に、氷雪地帯に向かわれましたよ」
「相変わらず冒険か?」
「シベリア地方の北部の奥地に何やら巨大な遺跡があるとか」
「あのバカが豪雪に埋もれてくれた世の中は平和ね」
あの破天荒な男が埋もれてしまったら困るが、あいつが波乱の種であることも事実だ。
特に女性被害者にとっては……まあ居てくれない方が平穏な存在だろう。
「んん? あいつの冒険の動機は女絡みとばかり思っていたが……
そういえば、あんなところに人が住んでいるのか?」
「い、いえ……それが……」
シーラが言い難そうにしているので、ペルエレが口を挟む。
「今は世界に四体しかいない聖女の子モンスターを探してるらしいわ。
こないだも赤髪の小さな女の子を引き連れてたわよ」
「はい。力のベゼルアイ様ですね」
「はぁ……相変わらずみたいだな」
聖女の子モンスターは、モンスターとはいっても、神に属する存在だと言われている。
セックス目的で探したりするのは、あいつくらいだろう。
一方、その頃――
「がはは、これでトドメだ!」
ランスアタックにより、モンスターたちが吹き飛ぶ。
「わわっ、またランス様がトドメですね」
「まったく、お陰でこっちは初トドメさえできねえよ。ヌヌヌ」
「ふ、英雄である俺様が最後のトドメを刺すのは当然だ」
「サテラは、あくまで監視だから、手は貸さないからな」
「でもランス様、アームズさんは、初トドメの方がドロップ率が上がるって言ってましただ」
「えーい、うるさーい!」
ランスキーックがロッキーに炸裂!!
「ぶぎゃっ!」
「だ、大丈夫ですか? ロッキーさん!?」
「あいただだ……」
「そもそも俺様は、レアイテム厨のアームズとは、冒険の目的が違うのだ!!」
「はいはい、短い間だけどランス君のことは、良くわかってるわ」
「がはは、はやく聖女の子モンスターを見つけるのだ!」
ランス一行は、ホルス達が棲む巨大戦艦遺跡の奥を進んでいた。
*ゲームデータ*
時系列 ランスⅩ Trun0 巨大戦艦遺跡の冒険
プレイヤー ランスX初プレイ(プレイングマニュアル流し読みで、チュートリアル気分で開始)
今回のワンポイント
「初トドメ」(宝箱取得率50%UP)は超大事。ランスⅩにおいて宝箱=戦力です。
大戦争RPGであるランスⅩは、よくあるRPGのように、ボスの前に適当に雑魚を沢山倒してレベル上げができません。
このシステムのお陰で、ボス戦である魔人戦は、かなりシビアにできています(そこが面白い!)
戦闘終了後に宝箱が手に入らなくても「ま、いいか」で進めると段々と戦闘が厳しくなります。
初見の一週目からガチガチに考えれプレイしろとは言いません(むしろ試行錯誤が楽しいゲーム)
しかし二周目以降に周回プレイを効率的に進めるには宝箱の取得率は100%を狙っても良いと思います。
後書き
ランスⅩは期待通りというか、期待以上の大作でした。
えろかみ大帝国の完結を発売前にできずスイマセン(連休を取るために仕事を優先しました)
私はAクリアを終えるまで、できる限りネット上の情報にアクセスしないようにしていました。
一度目のAクリア後は、攻略Wikiを解禁し、何とか二部のエンドまでたどり着きました。
その後はランスロスが続いています。集めたカードは800に届かず、達成した実績も80でストップ。
実績をすべて埋めてしまえば、もう何一つなくなってしまうことが……怖い。
マグナムのような追加を望んではいるものの、それを求めるのは明らかに贅沢であろう大作でした。
学生時代に鬼畜王でランスに出会って、ランスが終わった時代を生きるのが正直言って辛い。
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