儚き想い、されど永遠の想い
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84部分:第八話 進むだけその一
第八話 進むだけその一
第八話 進むだけ
義正はだ。また兄達と話していた。場所は屋敷のリビングだ。そこで紅茶を楽しみながら話をしているのだ。まず義智がこう言うのだった。
「式の日取りも決まったし」
「早いですね」
「うん、あちらからの御願いもあってね」
こう義正に話す彼だった。
「それで決まったんだよ」
「日取りもですか」
「そう、決まったんだ」
笑顔でだ。弟に話すのであった。
「いや、後は式の日を待つだけだけれど」
「ここからが一番長いぞ」
長兄の義愛は優しい笑顔でその義智に話した。
「ここからがな」
「日が決まってからですか」
「今楽しみで仕方ないな」
「はい」
その通りだと答える彼だった。
「本当に」
「だからだ。長くなるんだ」
「楽しみで。そのことで頭が一杯になるからですか」
「そうだ。それでだ」
そのせいでだ。長く感じるようになるというのだ。
「わかったな。それが」
「わかったというのには」
「無理があるか」
「どうも」
義智は今は困惑する顔でだ。長兄に答えた。
「楽しい気持ちはありますが」
「それがどうかとはまだわからないか」
「はい」
まさにだ。その通りだというのである。
「そうなのですか。長くなりますか」
「そうだ。まあすぐにわかる」
それがわかるのはだ。すぐだというのだ。
「御前もな。わかる」
「では。それを確かめさせてもらいます」
「そうするといい。それでだが」
ここまで話してである。義愛はだ。
義正に顔を向けてだ。こう問うたのである。
「それでだが」
「私ですか」
「そうだ、御前だ」
他ならぬだ。彼だというのだ。
「御前はどうなのだ」
「相手は」
「まだいないか」
「それは」
「いや、答えなくていい」
彼が口ごもるのを見てだ。気を使ってこう言ったのである。気を使ったのだがそれでもだ。真実には気付いていない行動だった。
「しかしだ」
「しかしですか」
「相手は見つけるべきだ」
前とだ。同じ話になった。
「それはな。わかるな」
「はい、それは」
「だといい。御前ならな」
「私ならですか」
「必ずいい相手を見つけることができる」
微笑んでだ。弟に話すのだった。
「必ずな。できる」
「できますか」
「その心ならできる」
彼の心を見ての言葉であった。
「絶対にだ」
「では。そうさせてもらいます」
「結婚をして伴侶を得ることはだ」
長兄はそれが何なのかも話した。
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