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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十六話 たこ焼きその七

「行きます」
「三人でだね」
「どうでしょうか」
「うん、是非ね」
 時間はあるしそういえばあっちの水族館には暫く行ってないしだ。
「行こう」
「それでは」
「そうしようね」
 こう話してだ、僕達は屋台の側にあったバス停でバスに乗ってそこから須磨の水族館に向かった。
 その途中だ、ジョーンさんがこんなことを言った。
「蛸は海にいますわね」
「うん、そうだよ」
「川や湖にいる蛸は」
「それがさっき話したヒョウモンダコだけれど」
 僕はジョーンさんにまたこの毒のある蛸のことを話した。
「あの蛸が浜名湖にいたんだ」
「浜名湖に」
「そう、鰻で有名なね」
 鰻は好きだ、特に鰻丼が。
「あそこの湖でいたってね」
「そうですの」
「まあ入り込んだと思うけれど」
「湖に蛸がいることも」
「あるにはね」
 迷い込んだにしてだ。
「あるんだ」
「そうですの」
「まあアマゾンにはね」
 あそこならとだ、僕は隣の席のジョーンさんに話した。
「ひょっとしたら」
「いますの」
「あくまでひょっとしたらだよ」
 こう前置きした。
「いるかも知れないよ」
「あそこなら」
「そう言ったら烏賊もね」
 日本では蛸と烏賊はセットだ、狐と狸もそうだしもう一緒くたになって考えられている。そして食べられている。
「若しかしたら」
「いるかもですわね」
「あそこは海みたいだから」
 もう河というよりかだ。
「海豚もエイもいて」
「海にいる生きものも」
「マナティーもね」
 この生きものもアマゾンにはいる、カリブ海にもいるしアフリカの方にもいてアマゾンにもいるのだ。
「いるしね」
「あそこは特別ですわね」
「若しかしたら蛸や烏賊も」
 淡水生のものもだ。
「いるかもね」
「そうですのね」
「若しいたら大発見だよ」
 それもかなりのだ。
「いたら面白いね」
「そうね。そうした蛸がいたら」
 エリザさんも言う、水槽の中を泳いでいるピラルクを観ながら。二メートル程の種類だけれど本当に大きい。
「観てみたいわ」
「エリザさん本当に蛸好きですね」
「好きになったから」
「来日してから」
「可愛いく思えてきたし」
「蛸って愛嬌あるんですよね」
 デフォルメした絵だけでなく実物もだ。
「烏賊にしても」
「昔は怖かったけれど」
「あの外見が」
「悪魔に思えた」
 まさにそうしたイメージだったというのだ。
「気持ち悪くて捕まえてきそうで」
「それが今では」
「美味しそう」
「可愛いじゃなくて」
「美味しそう」
 そうだというのだ。 
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