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練習断片【RO】

作者:梨.
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練習断片1【RO】

 
前書き
画面がどんな風に見えるのかのテストを兼ねています。
タナトスタワーにて、とあるパーティの一場面。とっても中二病。
出てくる人
春陽(ハルヒ)→殴りプリ
夏空(ナソラ)→支援バード
乙姫(オトヒメ)→アシデモ特化クリエ
春・夏は兄弟で三人は幼馴染。乙姫さんは、四聖獣の一角「玄武」の跡取り娘。神族です。 

 
 塩酸炎の煙が晴れやらぬ間に、すいっと瓶を投げつけた練成術士が足を踏み出す。
 腰に下げた美しい装飾の刀剣に手をかけ、彼女は駆け寄ってきた詩人に声をかけた。

「なっちゃん、お願いがあるの」
「ん、なに?」

 膝をついていた兄を引き起こし、かかった声に目を向けると、彼女はニッコリと微笑んで

「春サマを連れて、先に行って」
「ヒメっ、そんな…ッ」

 答えたのは、司祭の青年。
 弟に支えられながらも、自分の足で床を踏みしめる。

「いくら範囲攻撃が出来るからって、フォローもなしに姫を置いてなん…」
「わかった」

 春陽の抗議を遮って、夏空が頷いた。

「ちょ、夏空ッ?」
「いくよ、春兄ィ!」

 非難の声をあげる兄の腕を引いて、その場を離れようとする。

「夏空、離して」
「このほうがヒメのためなんだよ!」   
「そうよ、春サマ」

 言いながら、腰に巻きつけたホルダーから小瓶を取り出し、床に叩き付ける。
 がしゃん。という硝子が割れる音と共に、乙姫と二人の間に炎の壁が現れた。

「ヒメ…ッ!!」
「わたしは大丈夫。だから、行って!」

 炎の向こうに揺らぐ影。
 その儚さとは対照的に、彼女の声は強く確かであることを悟り、春陽はぐっと拳を握りこんで、呟く。

「わかった……。待って、いるからね」

 乙姫は、二人の足音が遠ざかるのを確認し、魔物の群れを見やる。
 半数以上は先刻の塩酸炎で焼き払えたが、どうやらそれだけでは収まらないらしい。

「…護るわ」

 ぽつり、と零れた静かな声が、空気を震わせる。

 ──絶対に死なせない。
 必ず、貴方を─人間(アナタ)たちを、護ってみせる──

 装飾のついた鞘から美しい曲線を描く刀を抜き、鈍く輝く刃をすっと斜めに構えて彼女は冷たい笑みを浮べた。

「…南の炎によって生み出され、西の風にチカラを与えられし刃よ。
 その加護を譲り受けた、我が命ずる」

 仄白く、刀身が光を帯び始める。

「我が名は【玄武】
 北の星宿を守護する者なり。
 一族頭首の字、亀姫の名に於いて──封印よ、解けよ!」

 瞬間。
 手にした刀が、眩い白銀の光を放ち、あたりが真っ白に覆われた。 
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