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オズのトト

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第十一幕その十

「面白いね」
「そうでしょ」
「あっ、それじゃあ」
 ドロシーは恵梨香のそのお話を聞いて言いました。
「皆で浴衣を着てね」
「そしてですか」
「明日は楽しまない?」
「浴衣ですか」
「何かお話を聞いていたら面白そうだから」
 だからというのです。
「皆で浴衣を着ましょう」
「ドロシーさん浴衣持っておられるんですか」
「飛行船のクローゼットに服が一杯あって」
 そしてというのです。
「その中に日本の着物も一杯あってね」
「それで、ですか」
「浴衣もあるの。実は私も持ってるから」
「それは知りませんでした」
「だからアメリカにも日系人の人がいてね」
 このことからというのです。
「オズの国にも反映されるからよ」
「だからですか」
「オズの国にも浴衣があって」
 そしてというのです。
「私もオズマも浴衣を持ってるのよ」
「それは知りませんでした」
「何なら今度見せてあげるわね」
 オズマの浴衣姿もというのです。
「よかったわね」
「わかりました、ただ」
「驚いたみたいね」
「はい、浴衣まであるなんて」
 オズの国にはです、本当にドロシーはそこまでとは考えていませんでした。この国がそこまで多彩とはです。
「思いませんでした」
「他にも色々な服持ってるから」
「浴衣以外にも」
「ええ、民族衣装とかもね」
 恵梨香ににこりと笑ってお話します。
「一杯持ってるわよ」
「今みたいな冒険用の服やドレス以外にも」
「持ってるのよ」
 実際にというのです。
「一杯ね」
「いいですね」
「そうでしょ、何着持ってるか」
 その服はといいますと。
「私もわからない位よ」
「そんなに持っておられるんですか」
「そうなの」
 どうにもというのです。
「何か色々貰って」
「オズの国の人達から」
「そうなってね」
 そしてというのです。
「もう何百着あるか」
「わからない位ですか」
「そうなの」
「王女様になるとそうなりますか」
「色々な人がくれて」
 服をプレゼントにです。
「そうなったの」
「ううん、それで何百もですか」
「千あるかも知れないわ」 
「いいですね」
「それで浴衣もなの」 
 この服もというのです。
「持ってるのよ」
「それで飛行船のクローゼットには浴衣が」
「皆の分があるわ」
「それは何よりですね」
「じゃあ皆は明日はね」
「それぞれの浴衣を着て」
 恵梨香は笑顔で応えました。
「そうしてお祭りに出るんですね」
「そうしましょう」
 是非にというのでした。
「皆でね」
「わかりました」
 笑顔で頷いた五人でした、そして。
 そのお話の後で、です。また冒険をしてでした。その中でカエルマンは双子山についてこんなことを言いました。
「沖縄と北海道を一瞬で行き来出来るか」
「それは無理だね」
「うん、日本のことはよく知らなくても」
 教授に応えてさらに言います。 
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