八条学園騒動記
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第五百五十六話 酔っていてもその十一
「それでもな」
「世界征服とかは」
「最初は家を乗っ取ろうとしてたけれどな」
そこで様々な謀略を主人公に行うのが第一部の序盤だった。
「石仮面被ってからはな」
「それも興味がなくなったわね」
「完全にな」
「人間じゃないとね」
「家乗っ取ってもだしな」
「世界征服も」
ひいてはこうしたこともだった。
「意味ないわね」
「だからな」
「それ特撮の悪役だとね」
「人間じゃなくてもやろうとするけれどな」
このジャンルの悪役のかつての定番だった。
「何とか首領とかどうこう大帝とか」
「特撮は特撮ね」
「けれどあの作品の悪役はな」
どのキャラも相当に個性的な面々ばかりだがだ。
「そういうタイプはいないだろ」
「というか出来なくなってるのもいるわね」
「その第一部のやつとかな」
「お昼は動けないならね」
日差しを浴びると灰になる、俗に言われている吸血鬼の属性の一つだ。
「どうしようもないわね」
「だろ?夜だけしか動けないとな」
「世界征服なんてね」
「出来ないしな」
夜だけでなく昼も活動出来ないと、というのだ。
「それでな」
「あのキャラもそうなのね」
「第四部の奴なんだな」
「クレージーダイアモンドね」
「人間的には野心がないからな」
そうしたものが皆無という非常に珍しい悪役であったのだ、当時はそのキャラが極めて斬新で評判だった。
「草花みたいに生きていたいっていうな」
「サイコ殺人鬼ってだけでね」
「そのサイコ殺人鬼なのが問題だったけれどな」
「野心はなくて」
「第五部のもだっただろ」
「マフィアのドンでね」
「第六部だってな」
この時の悪役もというのだ。
「世界を再構築するってな」
「世界征服とはまた別ね」
「何かこうな」
「そうした悪役じゃなくて」
「独特の考え持つな」
「特撮のラスボスとは違うのね」
「柱の男だってな」
ダイアナはあらためてこのキャラ達の話をした。
「思考的にはそうだろ、それでな」
「人間じゃなくて」
「どんな進化したらそうなる、でな」
「中南米にもいなかったのね」
「絶対にいなかったよ」
ダイアナは断言した。
「あんなのは」
「そうなのね」
「石仮面だってなくてな」
「脳についても」
「絶対にないさ」
また断言したダイアナだった。
「それは」
「まあああして頭にぐさぐさ刺さったらね」
「死ぬだろ」
脳を破壊されてだ。
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