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コズミック・イラから来た男

作者:正博
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コズミック・イラから来た男

 
前書き
 戦闘シーンはありません。
 開発者が話をするだけの物語です。
 転生者でも無いので不思議な力はないです。 

 
 UC0074年2月
 ジオン公国でモビルスーツ(MS)の選考会が行われ、ジオニック社からザク(後のザクⅠ)が出されただけに終わった。
 ツィマッド社、MIP社からは出されなかった。(試作テストで不具合と噂が流れた)
 
 UC0075年7月
 ジオン公国、ザクⅠの量産開始
 
 UC0075年8月
 ジオン公国、ザクⅠ1号機ロールアウト

 UC0077年7月
 ジオン公国、ザクⅡA1号機ロールアウト

 UC0078年4月
 ツィマッド社に1人の男が入社し、EMS-09プロトドム開発が中止された。
 代わりにEMS-XX09TドムTを開発に着手。

 
 主任開発者「何だいこれは見た事が無い物ばかりだな」
 ユーリ「そうですか」
 
 俺は主任から声を掛けられたが、手を止めなかった。
 時間が惜しい邪魔をするなと言いたいが、相手は主任我慢しよう。
 とにかくファクトリーで書いた物を、一刻も早く再現しなくてはいけない。
 機体の基本設計は終わり、試作機が作られ始めている。
 後は武装だけ必死に、思い出しながら書いている。
 
 ・MX2351ソリドゥス・フルゴールビームシールド発生装置
 (両腕に装着される光学防御兵器。ビームを盾状に発生、発生時も内側から攻撃可能)
 
 ・JP536XギガランチャーDR1マルチプレックス
 (連装式大型バズーカ砲。砲身上部から実体弾、下部からビームが撃てる)

 ・G14X31Zスクリーミングニンバス
 (左胸部に装着される攻性防御装置。ビームと同じ敵にダメージが入る、防御フィールド展開出来る)
 
 ・MMI-GAU25A20mmCIWS
 (両肩部に装備する近接防御バルカン砲)

 ・EX-EZ1200イージーウィザード
 (2基のスラスターとビームサーベル1本をマウント出来るバックパック)

 ・MA-X848HD強化型ビームサーベル
 (ビームサーベル。バックパックにマウント))

 よし武装も完璧に出来た、後は動力の検討だな。
 ここはNジャマーが無い、バッテリーは廃止だ。
 プラズマジェネレーターが積めそうだな、これでいこう。
 設計は完了した、後は全てツィマッド社の技術力に掛かっている。
 試作部門に資料を全て渡して来たので一息つこう。
 後、8ケ月で戦争が始まる、1年でどの程度量産出来るだろうか。
 開発ナンバーEMS-XX09TドムT。
 正式名称ZGMF-XX09T『ドムトルーパー』を。


 そう俺はこの世界の者では無い、コズミック・イラ(CE)73の世界の人間だ。
 俺はよく聞く転生者では無い。
 理由は不明だがこの世界に、偶然入り込んだ。
 だが何故かこの宇宙世紀(UC)の知識が頭にある。
 それだけでは無い、聞いた事も無い機械を1つだけ知っているのだ。
 『プラズマジェネレーター』どこで作られた物かは知らないが、製造方法を知っているのだ。
 ドムトルーパーは俺がCEのファクトリーで、設計に携わったから分かる。
 それに身分証明、社員証、お金等、必要な物を気づいた時には持っていたのだ
 全く訳が分からん、そうだ俺の名を言って無かった。
 名前はユーリ・サハク、オーブのサハク家の一員で、ファクトリーで開発者をやっていた。
 
 
 UC0078年12月3日
 ドムトルーパーの試作が完成した、だが戦争は目の前だ。
 明日、ドムトルーパーをザビ家の者が、視察に訪れるそうだ。
 そこで何としてもこいつの量産を、認めてもらわなければこの国は戦争に負ける。
 戦争を逆転出来るだけの力を、こいつは持っている筈だ。


 UC0078年12月4日
 ザビ家のギレン総帥自ら、視察に訪れた。

 ギレン「うむ。力強いスタイルをしているな。テストを始めてもらおう」

 ギレンは最初重くて鈍そうだと思った。
 だがテストを見て驚いた、機動性、パワー、防御力、何よりビーム兵器をMSが攻防に使っているのに衝撃を受けた。
 
 ギレン「これは誰が開発者だ。素晴らしい」
 ユーリ「私です、総帥。ユーリ・サハクと申します」
 ギレン「そうか君が。すぐに量産に入り給え、予算は幾らでも出す」
 社長「分かりました。総帥すぐに取りかかります」
 ギレン「それとこのサハク君を、軍の開発局に迎えたいのだが」
 社長「それは本人さえ良ければ」
 ユーリ「構いません。私の力で良ければ」
 ギレン「決まりだ。明日にでも総帥府に来てくれ。待っているぞ」

 ギレンは満足げに帰って行った。
 それから俺は社長に挨拶をして荷物をまとめ、短いツィマッド社に生活に終わりを告げた。

 翌日出来る限り早めに、総帥府へ出かけて行った。
 受付に行くと総帥は用事が出来たという事で、直接第206新兵器開発局へ行かされた。
 第206新兵器開発局に行くと、局長から辞令を貰い大尉になった。
 そして第2MS開発部門へ回された。
 そこの責任者は俺だった、俺の為に新しく第2部門を作ったらしい。
 と言っても俺1人なんだけどね、人員は後で回してくれるそうなのでまあ気楽にやろう。
 
 
 UC0079年1月3日
 遂に連邦にジオンが宣戦布告をした。
 
 俺は現在既存兵器であるザクⅡC型と、新型のF型用に使えるビーム兵器を開発している。
 ビームマシンガンとビームトマホークを作っている。
 ザクタイプは1番量産数が多いからね。
 噂でドムトルーパーの量産体制が整い早ければ、2ケ月後には戦線に投入されるそうだ。
 
 
 UC0079年3月
 地球降下作戦が開始された。
 ビームマシンガンとビームトマホークも、既に量産され1部ではあるが配備され始めた。
 流石にストライクフリーダムは拙いよな、ムラサメもまだ早い。
 MBF-M1・M1アストレイでいいか。
 
 ・75mm対空自動バルカン砲塔システム・イーゲルシュテルン
 (頭部CIWS2門)
 ・71式ビームライフル
 ・70式ビームサーベル
 (バックパックに2本装備)
 ・対ビームシールド
 (ビームコーティングされている)
 
 これならザクⅡF型・J型よりは、遥かにマシでしょう
 
 試作製作部門に頼んで製作をして貰おう。
 
 
 UC0079年5月
 M1アストレイのテスト評価が良かった為、量産が決まった。
 俺は少佐に昇進した。
 
 
 UC0079年9月18日
 宇宙攻撃軍所属シャア少佐、サイド7・1バンチコロニーにて連邦軍のV作戦を発見。
 偵察命令を無視した部下がザクⅡF型で攻撃したが、連邦軍MSによって2機共撃破される。
 しかし脱出をするべく宇宙に出て来たところを、少佐のドムトルーパーが撃破した。
 現在サイド7にて連邦軍施設の調査が行われている。

 ユーリ「ガンダムを潰したか・・・・何! 可変式MSだったって?」
 
 数日後、詳しい調査資料が回って来た。
 Zガンダムとリックディアス、そしてアーガマおかしい俺の知識と食い違っている。
 UC0087年のMSが何故ここで出てくる。
 しかも研究施設の調査報告、これってZZガンダムとνガンダム。
 UC0093年のMSまで、もしかして俺がこの世界に入った事で歴史が歪んでいるのか。
 だからと言って今更後戻りできない、歴史が俺を殺す気なら俺が歴史を変えてやる。
 自重は止めだ。
 CEの技術全てを出しても抵抗してやる。


 UC0079年9月21日
 レセップス級大型地上戦艦設計図作成(砂漠戦用)
 コンプトン級大型陸上戦艦設計図作成(*注意 履帯式の為砂漠等は不向き)
 FX-550スカイグラスパー設計図作成
 MS支援空中飛翔体グゥル設計図作成(SFSの事)
 グングニール設計図作成(超強力EMP発生装置 *注意 味方に対EMP処理が必要)
 EF-24Rフライトローター・シュライク設計図作成(アストレイ空中飛翔用バックパック)
 陽電子リフレクター発生器設計図作成
 ローエングリン砲設計図作成

 UC0079年9月25日
 強襲機動特務艦設計図作成(アークエンジェル)
 ゴンドワナ級超大型空母設計図作成
 ボズゴロフ級潜水空母設計図作成
 

 UC0079年10月2日
 MVF-M11Cムラサメ設計図作成
 YMAF-X6BDザムザザー設計図作成
 ZGMF-1001ザクファントム設計図作成
 ZGMF-2000グフイグナイテッド設計図作成


 UC0079年10月5日
 ZGMF-X42Sデスティニー設計図作成
 ZGMF-X666Sレジェンド設計図作成
 GFAS-X1デストロイガンダム設計図作成


 以上を全部書いた当日提出、現在ジオン上層部は大混乱である。
 悪いがこれで負けるなら、俺も諦める。


 UC0079年11月7日
 連邦軍がオデッサ奪還作戦を開始。
 連邦軍量産MSジェガンを主力に攻め込んで来た。
 ジオン量産MSドムトルーパー、アストレイが対抗。
 流石に地上戦艦とかは、間に合わなかったか。
 だが戦局は膠着状態らしい、未確認機が少数いるらしいが、ドムトルーパーで防げているらしい。


 UC0079年12月1日
 連邦軍オデッサ奪還作戦を断念撤退して行った。
 グングニールを各戦線で使ったらしい。
 またジオン上層部も危機感を持ったらしく、提出した案が次々採用され、異例の早さで量産が進められている。
 俺は特務技術士官となり、大佐に2階級昇進した。
 第206新兵器開発局の第2MS開発部門は廃止され、俺は総帥直轄特務技術士官として新たに第01特務新兵器開発部を任された。
 ただ面倒なのは週1回の局長クラスの会議に、出席しなければならなくなった。
 大佐ではあるが総帥直轄特務が付くと、事実上2階級分上になるらしいだから将官扱い。


 UC0080年1月3日
 開戦から1年が過ぎた。
 途中から俺の自重は無くなり、戦局が荒れている。
 UTA/TE-6Pジオグーン(地中機動用MS)設計図作成
 ジャブロー制圧用に提案として提出。


 UC0080年2月1日
 新人が配属されてきた。
 ケリー・ダイン総帥直轄特務技術少尉と言う。
 だがこいつは最初に小声でおかしな事を言った。

 ケリー「なんでジオンにCEの兵器が既にあるんだ」

 俺は聞き逃さなかったこいつはCEを知っている。

 ユーリ「ケリー少尉話がある」

 俺専用の部屋に連れ込むと、鍵を閉め防諜システムを動かした。

 ユーリ「ケリー単刀直入に聞く。お前何故CEを知っている」
 ケリー「大佐も知っているのですかCEを、じゃあ同じ『転生者』ですか」
 ユーリ「悪いが違う。『転生者』の意味は知識として持っている」
 ケリー「えっ違うってそれでは何で、CEの兵器を作れているのですか?」
 ユーリ「理由は不明だが俺は元々CEの人間だ。それも技術者としてな」

 面白い話が色々聞けた。
 ・ケリーを含めジオンに転生者が複数いる事。
 ・連邦にも転生者がいる
 ・転生者には何らかの特別な力を持っている事(ケリーは技術的な力を持っているらしい)

 ユーリ「納得した。連邦が時代違いの兵器を作れるのか分かった」
 ケリー「でも大佐は分かりませんね。転生者でも無いのに知識があるって」
 ユーリ「俺も聞きたいよ。お前があった神様とかには連絡取れ無いのか」
 ケリー「それは無理ですね。死んだから会えただけで、転生しましたからもう」
 ユーリ「そうか。理由が聞けると思ったんだが仕方が無い」
 ケリー「ところで大佐。これだけCE技術使っているって事は、自分も自重しなくても」
 ユーリ「逆に言ってやる。自重するな、したら負けるぞ。好きなだけやれ」
 ケリー「はい」

 面白くなってきた、こいつがどんな兵器を作るのか。
 それにパイロットにも転生者がいるのなら沢山作ってやる。


 UC0080年2月15日

 ケリー「大佐、プラズマジェネレーターってジオンの動力何ですか?」
 ユーリ「俺の知識にあった」
 ケリー「じゃ良かった、既に使いましたから。それと出来ました自分の設計図」

 ZGMF-X20Aストライクフリーダム設計図作成
 ・MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲
 (頭部に2門装備)
 ・MA-M21KF高エネルギービームライフル
 (2挺携帯、前後に合わせる事で高出力ロングレンジビームライフルになる)
 ・MA-M02Gシュペールラケルタビームサーベル
 (2基装備。デバイスを合わせる事によりアンビデクストラス・ハルバードモードになる)
 ・MX2200ビームシールド
 (両腕に装備されたビームシールド発生装置)
 ・MGX-2235カリドゥス複相ビーム砲
 (腹部に内蔵された大出力ビーム砲)
 ・MMI-M15Eクスィフィアス3レール砲
 (両腰の電磁レール砲兼AMBACユニット)
 ・EQFU-3Xスーパードラグーン機動兵装ウイング
 (光パルス高推力スラスターとスーパードラグーンのプラットフォームを持つ可変式機動兵装ウイング)
 ・スーパードラグーン
 (プラットフォームに8基装備されたドラグーン。地上で分離は出来ない)
 ・MA-80V突撃砲
 (スーパードラグーンに内蔵されたビーム砲。ビームを砲口にビームソードの様に固定して格闘兵器として使用可)

 ユーリ「ZGMF-X20Aストライクフリーダムか・・・・・」
 ケリー「えっダメですか、もしかして」
 ユーリ「いや、ちょっとな」
 ケリー「何か気になるんですが」
 ユーリ「うーん、まあいい。それじゃ総帥に持ってくぞ」
 ケリー「はい」
 ユーリ「いや、お前も来るんだよ。俺はこれ説明しないぞ」
 ケリー「げっ。総帥に説明するのですか自分が?」
 ユーリ「当たり前だ」

 ギレン総帥にアポを取り、新型機の説明をして認可された。

 ケリー「疲れた」
 ユーリ「お前それで疲れていたら、局長会議死ぬぞ。未来の総責任者」
 ケリー「無理。昇進要らない」


 UC0080年3月30日
 
 ストライクフリーダムの試作機が完成し、テスト運転を上層部が視察に来た
 ストライクフリーダムの余りの高機動に、テストパイロットが持たなかった。
 急遽エースパイロットが呼ばれ、上層部は性能に喜びはした。
 しかしエースパイロット専用機としての生産はするが、量産は認可されなかった。

 ケリー「量産したら、圧倒できるのに」
 ユーリ「やっぱり。こうなると思ったんだ」
 ケリー「どうしてですか?」
 ユーリ「ストライクフリーダムの、本来のパイロットは誰だ」
 ケリー「キラ・ヤマトでしょ」
 ユーリ「コーディネーターの頂点、スーパーコーディネーターだぞ。一般人に扱えると思うか」
 ケリー「あっ無理だわ」
 ユーリ「だから俺は作らなかったんだ。普通は死ぬよ、あの機体性能」
 ケリー「そうか。強ければ良いって物でも無いのですね」
 ユーリ「高性能機はコスト、整備性色々問題もあるんだ」


 UC0080年4月10日
 再び、連邦軍がオデッサ奪還作戦を開始した。
 今度は量産機ジェスタと見込んでいたが、ガンイージーとガンブラスターだった。
 こちらも準備していた。
 しかも今回は自重無しで作った物で、CE製ばかり何の戦いと言われそう。
 今回は3日で決着がついた、ジオンの勝ちだよ。
 
 
 UC0080年5月10日
 
 ・GAT-X102デュエル設計図作成
 ・GAT-X103バスター設計図作成
 ・GAT-X105ストライク設計図作成
 ・GAT-X207ブリッツ設計図作成
 ・GAT-X303イージス設計図作成
 ・ミラージュコロイド発生器設計図作成


 UC0080年8月22日

 地球ではジオンが遂に、ユーラシア大陸を完全掌握した。
 残すは、オーストラリア大陸と南アメリカ、それにアフリカのゲリラ。
 月の一部とルナⅡを残すのみとなった。
 しかし連邦政府も連邦軍共に、降伏の兆しが見えなかった。

 ケリー「やっぱりジャブローをどうにかしないと、諦めないのですかね」
 ユーリ「だろうな」
 ケリー「またコロニー落としをやると、言い出しかねませんよ。上層部」
 ユーリ「否定はせんが、余り大きな声で言うな。上層部批判で捕まるぞ」
 ケリー「CEの機体も派生機は、沢山残っていますが」
 ユーリ「そんなマイナーチェンジ機ばかり無駄だな」
 ケリー「でかくて危ないのは、まだあるんですがね」
 ユーリ「絶対に書いたり喋ったりするな、シャレにならん被害が出るぞ」
 ケリー「分かっていますよ。自分だって大量虐殺者なんて御免です」


 UC0080年10月16日

 連邦軍に動きがあるらしい。
 北アメリカに攻撃を始めたらしいのだ。
 
 ユーリ「連中どういうつもりだ。オーストラリア大陸も、時間の問題で焦ったか?」
 ケリー「さあ向こうも量産機は、殆んど作りましたからね」
 ユーリ「後はガンダム系か」
 ケリー「UC世紀に限ればですけどね」
 ユーリ「やっぱりあるのか、CE以外のガンダムの世界」
 ケリー「ありますよ。AC・西暦・AWまだまだあります」
 ユーリ「お前作れないのか、その世界のMSなんかを」
 ケリー「無理ですね。特典決める時に、1つの時代って制限されて」
 ユーリ「それでストライクフリーダムに憧れて、CEを選んだと」
 ケリー「はい」
 ユーリ「後はパイロットだからな」
 ケリー「技術屋は人気無いですからね」
 ユーリ「まあ裏方だからな」


 UC0080年11月9日

 オーストラリア大陸がジオンの手に落ちた。
 しかし連邦の北アメリカへの攻撃がまだ続いていた。
 上層部も何が目的か、判断が付かないそうだ。
 
 
 ケリー「大佐。聞きました、ルナⅡを攻撃するみたいですよ」
 ユーリ「まあ、宇宙を掃除してから、ジャブロー制圧するのかもしれんな」
 ケリー「ようやくですか。もうじき2年になりますから、ここらで決着をつけて欲しいですね」
 ユーリ「そうだな。CEから来てもう2年か」
 ケリー「帰りたいですか、CEに?」
 ユーリ「さあな、どうかな今はどっちでもいいと思っているよ」
 ケリー「でも大佐はあのサハクの人間でしょ」
 ユーリ「サハクだが、俺は妾の子供だからな」
 ケリー「すみません。嫌な事を思い出させたみたいで」
 ユーリ「気にしてない。事実だからな」
 ケリー「・・・・・」
 ユーリ「それに別に差別なく扱って貰っていたからな」
 ケリー「そうなんですか」
 ユーリ「それにファクトリーで、働く様になってからは楽しい毎日だった」
 ケリー「キラやラクスに会ったんですか?」
 ユーリ「そりゃ機体を作るのに、何度か会って話したさ」
 ケリー「大佐やっぱり帰りたいんじゃ」
 ユーリ「言っただろ。こっちにもお前等みたいな連中がいるんだ。だからどちらでもいい」

 それは本音だ、転生者なんて不思議な連中と会えたんだ、UC世紀も悪くない。
 それに向こうにはもう家族はいないからな。
 あのオーブが燃えた日にな。


 UC0080年11月25日

 ルナⅡ攻略戦が始まった。
 連邦軍は要塞に籠って出てこないそうだ。
 だけど援軍があって籠城は意味があるが、援軍の当ての無い今無駄なだけだ。
 ルナⅡが落ちるのも、時間の問題だ。


 UC0080年12月9日

 ルナⅡが遂に落ちた。
 これで宇宙は我々の手に入った。
 北アメリカへの攻撃も止まったらしい。
 後はジャブロー制圧で終わりだ。
 俺のここでの生活も終わるだろう。
 戦争が終われば、俺達は不要となる。
 ツィマッド社も仕事が減って戻れないだろうし何か考えなくてはな。
 CEみたいな、ファクトリーでも作るか。


 UC0080年12月20日

 遂にジャブローの攻略作戦の準備が始まった。
 宇宙の兵力も降下させて総攻撃に入るらしい。
 そろそろ俺達も準備するか、第01特務新兵器開発部を閉める準備を。


 UC0080年12月30日

 ジャブロー攻略作戦が開始された。
 俺の作った物が全て投入されている。
 ドムトルーパーはまだ第一線で活躍しているらしい。
 嬉しい物だな、UC世紀に最初に持ち込んだ、CEの技術がまだ活躍しているのは。
 さあ本当に最後にしてくれよ、CE・UCどちらでも通用したCE技術達。


 UC0080年12月31日

 ジャブローが降伏した。
 連邦政府も降伏した。
 明日、月のグラナダで終戦協定が結ばれる。
 ケリーは今頃仲間と会ってはしゃいでいるだろう。
 総帥も喜んで調印式の準備で忙しいだろう。
 俺の役目も終わった。
 この部屋とも今日でお別れだ、退官届は出して来た。
 総帥はご苦労だったと言っておられた。
 CEから来た理由は今も謎だが、もうそれもどうでもいい。
 ジオンが新しい世界を作るのだ。
 しばらく旅をするのも悪くない、新しくなっていく世界を見て回る旅を。
 最後に格納庫を見て去ろう。
 俺は第01特務新兵器開発部のプレートを外し格納庫に向った。
 そして懐かしい俺の作ったCE技術が待っていた。
 ドムトルーパーが。
 
 

 
後書き
 兵器開発者ってこんな物では無いかと書きました。
  
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