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八条学園騒動記

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第五百五十六話 酔っていてもその五

「確実にな」
「お風呂のお世話ね」
「そこで酒抜いてすっきりしないと」
「その日動けなくなるから」
「そこは絶対だよ」
「やっぱりそうよね」
「ああ、ウェンディももう飲まないだろ」
「これ以上飲んだら足にくるわよ」
 今は普通に歩けている、だがそれがというのだ。
「そこまで飲まないから」
「その方がいいよな」
「本当にね、まあ甘いものはいけるわね」
「クッキーとかな」
「クッキーね、そういえばね」
 ダイアナが早速出したクッキーを一つ貰ってだ、ウエンディはそのクッキーの味を楽しんでからまたダイアナに言った。
「ウォッカでロシアだけれど」
「ロシアがどうしたんだよ」
「いや、ロシアのケーキってね」
「ああ、あれな」
 ダイアナもそのクッキーを齧りつつ応える。
「あれクッキーだよな」
「そうにしか見えないわよね」
「そうだよな、どう見ても」
「私それが言いたかったのよ」
「そうか、あれ何でああなったんだ?」
 ケーキがクッキーにというのだ。
「ロシアで」
「それ私も不思議なのよ」
「寒いからかよ」
「ロシアって何でも寒さからはじまるわね」
「だからそう思ったんだけれどな」
「寒いとケーキがクッキーになるの」
「凍るんだろ、ケーキが」
「ああ、昔のロシアだと」
「暖房とか今よりずっとないしな」
 この時代では室内暖房も万全であるがだ。
「それじゃあな」
「ああなったの」
「そうだと思うけれどな」
「否定出来ないわね」
「だろ?ロシアだと」
「あの国ならね」
「そう思うからな」
 ダイアナは今こう言ったというのだ。
「あそこなら有り得るからな」
「寒さイコールロシアね」
「それでお菓子も変わったんじゃね?」
「ううん、クッキーになったのね」
「そうじゃね?というか最初ロシアのケーキ見てさ」
 ダイアナはクッキーを齧りつつ話した。
「あたしこれクッキーだって思ってな」
「言ったのね」
「実際にな」
 そうしたというのだ。
「美味そうなクッキーだってな」
「まああれだとね」
「実際に思うだろ」
「私も思ったわ」
 こうダイアナに答えた。
「これクッキーでしょってね」
「だよな、あれは」
「誰だって思うわよ」
「ロシア人以外はな」
「逆にやっぱりアンネットだと」
 ロシア人の彼女はというと。
「ケーキ二つあるってな」
「そう思ってるのね」
「ああ、みたいだぜ」
「あのケーキとね」
「ロシアのケーキな」
 その二つだというのだ。
「大きく分けてな」
「というか普通ケーキってあれだけだけれどね」
「スポンジのな」
「それが二つあるのがね」
 そもそもというのだ。 
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