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八条学園騒動記

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第五百五十五話 キャビアとウォッカその七

「海よりも川、湖なの」
「そっちか」
「どっちかっていうとね」 
 食べるものはというのだ。
「そうよ」
「そうしたお国柄なんだな」
「私の住んでいた星のその地域だけかも知れないけれど」
「ウェンディのか」
「実は湖の港町なのよ」
 そこがウェンディの故郷だというのだ。
「私の星というかセネガル最大の湖のね」
「どれだけの大きさだよ」
「星の十分の一位の、星の大きさは地球の二倍位で」
「おい、大きいな」
「だから海って呼ばれてるのよ」
 あまりにも大きい為だ、地球でもカスピ海は湖だがこう呼ばれている。
「トランコ海っていうの」
「そこの港町生まれか」
「そうなの、人口二百万のね」
「結構以上に大きいな、街も」
「漁業が盛んで工業もあってね、周りは工業地帯でもあって」
「そこに住んでてか」
「魚介類はね」
 そうしたものはというのだ。
「メインはそっちだったわ」
「湖のものか」
「あと川のね、淡水産の鮫とか鯨もいたし」
「鯨もかよ」
「そっちも食べてたわよ」
「味どんなのだよ」 
 ダイアナは鱒、ごく普通の種類のそれを食べつつウェンディに尋ねた。淡水産の鯨の味はどういったものかとだ。
「一体」
「海の鯨と大体同じよ」
「あっ、味は変わらないんだな」
「けれど淡水産だから」
「虫はか」
「注意しないとね」
 おこはとだ、ウェンディはウォッカを飲みつつダイアナに話した。
「駄目なの」
「それはあるんだな」
「そうなの、けれどね」
「それでもか」
「湖の幸もいいわよ」
「美味いんだな」
「これがね、まあ私のところはそうでね」
 セネガルの中でもというのだ。
「それでね」
「セネガル全体でか」
「そうだと思うわ、よく淡水魚のメニュー本とかネットであるし」
「お国柄なのは確かか」
「多分ね、チリはお肉でね」
 それでと言うのだった。
「こっちは川魚ってことよ」
「それぞれメインで食うものが違うか」
「ちなみに主食はどっちかっていうと御飯だったわ」
「ああ、それこっちもだよ」
 ダイアナは今は黒パンを食べているがそれは同じだと答えた。
「こっちもどっちかっていうとな」
「御飯だったのね」
「よくカレーとか食ったよ」
「そうなの、カレーだったの」
「香辛料かなり利かせたな、特に唐辛子な」
 この中南米原産の香辛料をというのだ。
「利かせたの食ってたんだよ」
「そうだったのね、こっちは普通に白い御飯だったわ」
「それか」
「そう、そこは違うわね」
 ウェンディも今は黒パン、キャビアをたっぷりと上に乗せたそれを食べつつ話した。この組み合わせが実によく合っていた。
「どうにも」
「そうだな、そこはな」
「同じお米が主食でも」
「国によって違うな」
「これがエウロパだとあれよね」
「ああ、あそこは白パンとジャガイモだよ」
 この二つが主食だとだ、ダイアナはウェンディに話した。 
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