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オズのトト

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第八幕その七

「春は桜、夏は緑の葉、秋は紅葉で冬は雪」
「その四つの色がだよね」
「日本の山にはあって」
「季節ごとに凄く奇麗で」
「観ていて飽きないよ」
「そういえば」
 ここでトトが言いました。
「この山紅葉や銀杏も多いから」
「紅葉も観られるっていうのね」
「うん、そうだと思ったけれど」
「それじゃあね」
 ボタンがこんなことを言いました。
「この山で紅葉も楽しめるのかな」
「桜も多いわよ」
 ドロシーはこの木に気付きました。
「梅や桃もね」
「ふむ、夏の木ある」
 教授も指摘します。
「これで雪が降れば」
「白くもなるね」
「そう、この山は凄い山かもね」
 こう言ったのでした。
「景色も存分に楽しめる」
「あれっ、けれど」
 ここでボタンが言いました。
「オズの国の山は」
「そう、常春の国だからね」
「季節は楽しめないんじゃ」
「いや、これがね」
「違うんだ」
「そう、オズの国はお伽の国だね」
 だからだというのです。
「例えばこうして願うと」
「あっ」
 ここでボタンは観ました、教授が桜の木に満開になって欲しいと声をかけたその桜達をです。
「満開になったね」
「こうしたことが出来るんだよ」
「オズの国なら」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「こうしたことも出来るんだ」
「何か凄いね」
「この山はね」
 まさにというのです。
「こうしたことが出来る山なんだよ」
「よくそれがわかったね」
「いや、見ていてわかったんだ」
「山の木を?」
「そうだよ」
 こうボタンに答えるのでした。
「オズの木の中でも独特の木達でね」
「桜や紅葉でもなんだ」
「そうした木なんだ」
「成程ね」
「それに雪もね」
 それもというのです。
「降って欲しいと願えば」
「降るんだ」
「そうだよ」
 こう笑顔でお話しました。
「実際にね」
「ううん、何というか」
「四季の全てが楽しめる」
「日本の」
「それも出来るよ」
「じゃあこの山を憩いの場所にしたら」
「余計にいいよ」
 景色を楽しめるという点で、というのです。
「本当にね」
「成程ね」
「しかもだよ」
 ここで、です。教授はにこりとしてです。
 柿の木から実を取ってそうして言いました。 
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