オズのトト
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第八幕その三
「それこそね」
「どうしてなの?」
「だって世界はとんでもなく広いんだ」
それでというのです。
「宇宙はね」
「この国がある星の外のだね」
「そう、宇宙はね」
「とんでもなく広いから」
「その全部を知ることはなんだ」
「出来るものじゃないよ」
とてもというのです。
「本当にね」
「そうなんだ」
「だから私が全部を知ろうとしてもね」
「出来ないんだ」
「無理だよ」
絶対にというのです。
「そんなことはね」
「ううん、そうなんだ」
「だから幾ら知っていってもね」
「まだまだ知らないことがある」
「だからね」
「知ってもだね」
「まだまだ知らないことは沢山あるのが世の中だよ」
教授は今度はパンを食べつつボタンにお話しました。
「だからその心配は無用だよ」
「わかったよ」
「そういうことでね」
「そういえば幾ら知っても」
恵梨香も言いました。
「幾らでもね」
「知らないことは出て来るね」
「学校のお勉強も世の中のことも」
「常にね」
それこそというのです。
「沢山あるんだ」
「そうなんですね」
「うん、だから私はどんどん知っていくんだ」
そうだというのです。
「調べてね」
「終わりがないから」
「何時までも楽しめるんだ」
「じゃあオズの国でずっと」
「私は遊べる幸せな者だよ」
こう笑顔でお話する教授でした、その教授のお話を聞いてトトも言いました。
「そういうことだね、教授も遊ぶ人なんだ」
「楽しむという意味でね」
「そうなるんだね、僕は学問には興味がないけれど」
それでもというのです。
「ドロシーと一緒に遊ぶことはね」
「楽しいね」
「冒険もね」
今行っているそれもというのです。
「本当に好きだよ」
「ではその好きな遊ぶをね」
「これからもだね」
「楽しむといいよ」
「そうさせてもらうよ」
トトは教授に笑顔で応えました、そうしてお昼御飯を食べ終えてそれから再び冒険をしますが。
山の中は隅から隅まで回ってもでした、本当に。
誰もいませんでした、夕暮れが山を完全に覆う頃まで回ってそうしてでした。一行は飛行船に戻ってです。
晩御飯の後で、です。ドロシーが皆に笑顔で言いました。
「あの山で決まりね」
「そうですね」
「誰もいませんでしたから」
「それならですね」
「鳥さん達はあの山に入ってもらって」
「そうして暮らしてもらいますね」
「そうなるわ」
是非にというのでした。
「明日は鳥さん達のところに行って」
「そうしてね」
まさにというのです。
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