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獣篇Ⅰ

作者:Gabriella
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32 真選組局中法度第21条、 敵と内通せし者、これを罰する。〈完結話〉

屯所に戻ると、一番隊の隊士から松平の犬の葬式がある、と聞いたので、着替えをしに部屋に戻った。


いつもの制服を着る。

広間に集うと、もうそこには近藤と沖田がそろっていた。あ、零杏でィ、と沖田が手招きする。

そうこうする間に、お尚さまがおいでになった。

ちなみに、山崎氏がまだ生きていることは知っている。また、この部屋の襖にいることも。



_「あ?あ、今松平のとっつぁんの犬の葬式。」

_「なんか足しびれたな。」




_「なんだよ。副長、謹慎処分解けたんじゃねェのかよ。
副長の活躍が無けりゃあ、真選組は今ごろ、潰れたぜェ。」

_「どうにも今回の件、責任感じちゃってるみたいだよ。自分から謹慎処分の延期を申し出た、って。そういやァ、前も様子が変だったしなァ。」
_「まさか真選組に戻ってこねェなんて
ことはねェよなァ?」

_「あんなことがあったし、もうオレたち、以前の真選組に戻れねェかもしれねェなァ。」


色々と、五月蝿くなってきた。
こんな時に、副長がいればなァ…



_「局中法度第12条、マガジン以外の漫画、局内で読むことなかれ。

  局中法度第17条、会議及び重要な式典の際は、ケータイの電源を切るべし。

  局中法度第45条、死して尚、化けてでることなかれ。武士たるもの、潔く成仏すべし。」



副長が戻ってきた。


他の隊士たちに、囲まれている。
なんだ、案外好かれてるじゃん。









_ 真選組局中法度第21条、
敵と内通せし者、これを罰する。




後日聞いた話。

あらゆる神社仏閣を訪ね、あらゆる呪い念仏を唱えてもらってきたが、ついにコイツが体から離れるこたァなかった。どうにもコイツの呪い、オレの体奥深くまで食い込んでるようだ。またいつ何時コイツに喰われちまうか、分からねェ。



つまり、あの妖刀は副長とこれからも剣身一体ということになる。だが、たまにはヘタレた副長の姿も見てみたいものだ。
 
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