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獣篇Ⅰ

作者:Gabriella
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27 新米放送部員は、噛まないように言うことがとても難しい。

エンジンをかけていると、無線が作動した。

_「あーあー、こちら三番隊、こちら三番隊。応答願います。どうぞ?」

この声は…銀時!?

_「土方は見つかったか?」

_「見つかりましたが、超~かわいくて強い味方がついてまして、敵いませんでしたァ~。どうぞアル。」


この声は…神楽ちゃん。
つまり、万事屋ファミリーもどれかの真選組パトカーにいる、ということだ。


_「アル? どんな手を使ってでも殺せ。近藤を消したとしても、土方がいたのでは意味がない。近藤暗殺を前に、不安要素は全部除く。近藤、土方両者が消えれば、真選組は残らず全て、伊東派に恭順するはずだ。…
我ら以外の隊士たちに、気づかれるなよ?あくまで攘夷浪士の犯行に見せかけるのだ。この段階で伊東さんの計画が露見すれば、真選組が真っ二つに割れる。近藤の方は、半ば成功したようなものだ。伊東さんが仕込んだ通り、隊士募集の遠征につき、すでに列車の中。付き従う隊士たちは全て、我々の仲間。ヤツァ、たった一人だ。近藤の地獄行きは、決まった。」

ハイ、ばっちり聞きました。:)


急いで銀時に電話する。
新八くんがでたようだ。


_「もしもし、新八です。」

_「もしもし、こちら零杏です。」

_「突然で申し訳ないけど、一つ聞いていい?」


耳のイアホンに切り替え、話を進める。

_「副長(ひじかた)いる?あと、何番車両に乗ってるか、分かる?」

_「ハイ、土方さんも乗ってます。ただし、ヘタれてまふが。苦笑
あと、僕たちが乗ってるのは、えっと…五番車両です。」

_「Ok*分かった。ありがとう。
じゃ、無線をそっちに繋げるわね、
一旦こっちをきるわ、」


言われた通りに、五番車両に無線を切り替えてコンタクトを取ると、ビンゴ。
ちゃんと銀時たちが乗っている車両に繋がった。

_「あー、もしもし。五番車両、聞こえますか」

_「オウ、零杏。バッチリ聞こえてるぜ?」

と、銀時の声。

_「私も今、一番車両の中にいるんだけどね、
今はこの緊急事態でしょ?私は今から、屯所に残っている全隊士たちをそちらに向かわせるから、
銀時は、そのためのアナウンスをかけて、

それから私が指揮をかける。副長秘書の権限で。笑」

_「了解、秘書殿?」

_「あァ。宜しく頼む。」


と、屯所に向けて運転を再開し、屯所(そちら)に向かっていると、銀時のアナウンスが聞こえてきた。

_「あー、もしもし。聞こえますかー、税金泥棒ー。伊東派だかマヨネーズ派だか知らねェが、全ての税金泥棒どもに告ぐ。今すぐ持ち場を離れ、近藤の乗った列車を追え。モタモタしてたらテメェらな大将、首取られちまうよ?コイツァ、命令だ。背いたヤツには、士道不覚悟で切腹してもらいまーす。」

_「見方かッ!?テメェ、誰だッ!?」

_「テメェこそ、誰に口聞いてんだ。
誰だとォ?真選組副長、土方十四郎だ、コノヤロー!」



銀時(かれ)らにコンタクトを取る。

_「ありがとう、私はもうすぐ着くから、副長(かれ)のことはしばらく頼んだわ、」


と、屯所に着いたので、急いで放送室に向かう。


_「あー、あー、もしもし。こちら零杏。
今、アナウンスがあった通り、緊急事態が発生している。ただちに全隊士に指令を出します、局長の乗った列車を追ってください。先頭には、私がつきます。各自GPSを持って、私の後を追ってください。」


そして私は急いでパトカーを乗り込み、銀時たちのGPSを割りだして、あとを追った。


しばらく車を飛ばすこと30分、ようやく前方に銀時たちの車が見えてきた。
 
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