夢幻水滸伝
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第四十話 高城への進軍その十一
「そやからな」
「出来るだけ早くやな」
「ここでの戦を終わらせるべきや」
「そもそも長くかかる戦はな」
「国にとって百害あって一利なしや」
そうした代物だというのだ。
「それはもう何度も言うてるけどな」
「銭はかかるしそっちに内政や貿易の分の労力も割かれてな」
「しかも商売にも支障が出る」
ここでの商売は貿易も入っている。
「陸や海の道が戦で阻害されるからな」
「それも大きいな」
「しかもな」
さらに話す芥川だった。
「街や田畑も荒らされる」
「そうした場所が戦の場になったりもするしな」
「戦に巻き込まれてな」
「それでやな」
「ええことは一つもない」
それこそというのだ。
「そやからや」
「戦ははじめたら早いうちに終わらせる」
それがベストだというのだ。
「何といってもな」
「そういうことやな」
「そやから九州での戦はここでや」
これからはじまる決戦でというのだ。
「連中を徹底的に叩いてな」
「それでやな」
「倒すんや」
そうするというのだ。
「ええな」
「そして降してやな」
「後はここも治めることになるわ」
「星の連中も兵達も組み入れてやな」
「そうして貿易もする」
それも行うというのだ。
「長崎や平戸、あと琉球でもな」
「それでこれまで以上に儲けるんやな」
「堺、神戸と並んでな。あと土佐に港置くからな」
長崎や平戸それに琉球を使ってというのだ。
「大儲けするで、太平洋諸国と貿易してな」
「中国やらアメリカやら東南アジアやオセアニアとか」
「中南米ともな」
「そういえば他の勢力の船堺や神戸でも見るな」
ここでこのことを言った中里だった。
「連中とはやがて戦うってのにな」
「それはそれ、これはこれや」
「戦は戦でか」
「貿易は貿易や」
そうなるというのだ。
「商売はな」
「また別か」
「そや、戦は確かに大事やし太平洋を統一する勢力も決める」
こうしたことは絶対だとだ、芥川は中里に話した。
「けれどこうしたことと同じだけ商売も大事やろ」
「儲けることもな」
「勢力にとっても商売人にとってもな」
「特に商売人は生活がかかってるからな」
それだけにというのだ。
「大事や、それでや」
「商売もか」
「やがて戦うことが決まっててもな」
「やってるんやな」
「それもどんどん大きくしていく」
貿易の規模、それをというのだ。
「中原が乗り出してるわ」
「そうしたことはやっぱりあいつやな」
「根っからの商売人やからな」
「それでやな」
「そうや、儲けてその銭で兵も装備ももっと整えてな」
今以上にというのだ。
「それ以上に内政に使う」
「儲けをか」
「田畑と街と工場とな」
「灌漑とか治水もしてやな」
「橋も道も築いて治安対策もしてや」
そうした内政の全てをというのだ。
「領内を整えてな」
「そこからもさらに儲けるんやな」
「そしてその儲けをまたや」
「内政に注ぎ込む」
「そうしてどんどん国を豊かにしてく」
勿論貿易で儲けた銭も投入し続ける。
「それは太平洋を統一してもやってく」
「内政には際限がないな」
「そや、どんどん儲けてな」
「国も整えてやな」
「ええ国にしていくんや」
こう中里に話した。
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