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艦隊これくしょん~男艦娘 木曾~

作者:V・B
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第五十一話

 
前書き
どうも、連続投稿です。あ、来週はいつものやつなのでおやすみさせて頂きます。ご了承を。 

 

「二号、到着した!」
 
俺は工廠の入り口にやって来るなり、大声でそう言った。中では、既に木曾と明石さん、提督に大淀さんが居た。
 
「よし、背中向けて!」
 
明石さんはどうやら木曽の艤装を付けているらしく、提督もスパナ等を持っていた。
 
いつもなら「提督もできんのかよ!」とか言ってるところだが、そんな暇はどこにもないのでスルー。大人しく背中を向ける。
 
「説明はある程度人が集まったらする!」
 
提督は俺の艤装を運びながらそんなことを言った。
 
了解と一言言うと、どんどん人が集まってきた。
 
「長門、金剛両名、到着!」
 
「長良、夕張も到着しましたー!整備に入ります!」
 
「赤城、加賀、やって来ました!」
 
俺と木曾は装備が完了したので、全員分の艤装を運び始める。木曾や俺位の筋力になると、戦艦クラスの艤装も楽々運べる。
 
十分とかからず、全員分の準備が終了した。
 
「今回は、連合艦隊での出撃となる!目標地点は沖ノ鳥海域北東部!遠征部隊の保護が今回の目的だ!夕立、神通の二名は遠征部隊を率いて先に帰投!残りの十名は敵艦隊の足止め!」
 
…………おっそろしいレベルの艦隊が現れたらしい。この鎮守府の最高クラスの連中しか居ない。神通さんと夕立を護衛艦に使うとか贅沢過ぎる。
 
提督は尚も俺たちへの指示を続ける。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「敵は春雨によると、戦艦レ級一隻とのこと!恐らく、elite以上が濃厚!flagshipも有り得る!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
周りの空気ががらりと変わった。

「現在、摩耶達護衛艦隊は護衛対象の海外艦を護衛中!レ級のせいで移動不可!長門、木曾、二号の三名は近接戦!空母は赤城は彩雲を装備、他は全部戦闘機だ!死んでも制空権を譲るな!北上と時雨は魚雷を撃ちまくれ!敵のには当たるな、死ぬぞ!残りは全員極力回避&砲撃!攻撃貰ったら沈むぞ!」
 
…………いやいやいやいや。
 
俺はコイツらバカなんじゃないかと思いながら提督の話を聴いていた。

その戦艦レ級とやらがどれだけのものかは知らないが、連合艦隊を組んでまで戦うような奴なのか?しかも、撃退ではなく、足止め。こんな豪華な足止めがあるのか?
 
「…………なあ、木曾。戦艦レ級って、どんな……っ!?」
 
木曾に尋ねてみようと振り返ると、木曾は尋常じゃない雰囲気を醸し出していた。久し振りの登場、『魔神木曾』だ。木曾だけでなく、ほぼ全員が殺気にも近い何かを醸し出していた。
 
「…………千尋ぉ。今回はとんでもないのが相手だぜ?」
 
木曾は薄ら笑いを浮かべていた。いや、怖いっす。
 
「その、戦艦レ級ってのはなんなんだよ?」
 
木曾は、軽く溜め息をつきながら話し始めた。
 
「戦艦レ級。艦載機と戦艦の砲門と魚雷を積んで、近接戦もできる。装甲は推定だけど戦艦タ級の四倍、耐久は二倍、火力は当たり所が良ければ中破、悪かったら一発大破どころか、轟沈すら有り得る。報告では、戦艦武蔵が一発大破したとか。そんな化け物だよ。」
 
「……………………(絶句)。」
 
チートかよ。
 
俺は恐らく、顔を真っ青にしているだろう。
 
長門さんですら戦艦タを一発大破できねぇよ。
 
そんなのと肉薄しろと?
 
…………と言うか、春雨達、メチャクチャ危なくね?
 
俺は今の状況が(木曾の話がすべて本当だとして)ヤバイと言うことに気づいた。
 
「いいか、避けろよ?避ければまた戦えるからな?間違っても倒そうと思うなよ?死ぬぞ?」
 
…………あぁ。やっぱり、戦争してんだな俺達は。
 
なぜか、今更そんなことを自覚した。
 
「さてと、僕から言うことは…………絶対に帰ってきてくれ。腕が無いくらいなら、どうとでもできるから。」
 
提督は、泣き顔になっていた。心配そうな顔とも言える。
 
「…………いつもの口上では、出撃できないなこれは。」
 
長門さんはそう言うと、工廠から外へ出て行った。その後に全員が続く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…………連合艦隊、抜錨する!全員、生きて帰投するぞ!!」
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
長門さんがそう言うと、連合艦隊の十二人全員が海に飛び降りていった。
 
…………春雨、無事でいてくれ…………!
 

 
 
 
 
 
 
―海上―
 
 
 
 
 
 
 
…………さぁ、困った。
 
アタシは提督への報告を終えて、皆の方に振り返った。
 
プリンツと春雨は、顔を真っ青にして震えていた。どうやら、アタシが提督と通信している間に愛宕や望月から聴いたらしい。
 
アタシも最初は震えたな。どう考えても絶望だもん。
 
さてと、これからアタシらが出来ることと言えば…………大人しく待機が一番なんだけども…………。
 
…………ここは、プリンツの力を使おう。
 
「プリンツ、彩雲を飛ばしてくれ。アタシらのいるところとは反対側からレ級に近付ける感じで。」
 
プリンツは『始祖』の特長として、重巡洋艦の癖に艦載機を扱うことができる。これでたまたま載っけてた彩雲で偵察してしまおうという魂胆だ。こっちの位置がバレないように反対側から。
 
「り、了解!…………お願い!偵察機、発艦!」
 
プリンツはそう言いながら、彩雲を飛ばした。
 
 
 
―十分後―
 
 
 
 
「戻ってきました!」
 
プリンツが指差した方を見ると、無事に彩雲が戻ってきていた。
 
「よし!お疲れ様~!」
 
プリンツが彩雲を受け止めた。
 
「んじゃ、映像を見せてくれ。」
 
プリンツは頷くと、自分の手のひらに彩雲の横っ腹を向ける。横っ腹には小型投射機があり、そこから彩雲が録画した映像が映し出される。
 
「…………スタート!」
 
プリンツの手のひらを全員で覗きこむ。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
そこには、海上に佇むパーカー姿があった。間違いなくレ級だ。
 
レ級はレ級でも、eliteじゃない。かといって、flagshipでもない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「レ級…………改…………flagship……………………。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
考えうる、最悪だった。
 
 
 
 
 
―キャラ紹介のコーナー―
 
どうも、V・Bです。このコーナーも連発ですね。今回は、ヒロインである春雨をご紹介します。
 
春雨『始祖』(十五才相応) 女
 
呉鎮守府第二船隊所属
艦種 春雨
 
身長 一五五センチ
体重 (強制規制)
練度 四十一

長所 大人しい 優しい 可愛い
短所 慌てん坊
 
好きなもの 千尋 ぬいぐるみ
嫌いなもの 他人に迷惑掛けること
 
趣味 ぬいぐるみ集め
最近の悩み 千尋さんが格好いいこと(惚気)
 
今作のヒロイン。春雨の『始祖』で、海から産まれた本物の艦娘。自分が『始祖』なことを気にしている。
 
大人しく優しい子で、他人のことを大切に思っている。その割に少し幼い所がある。
 
『始祖』の特長として、海の上で敵の位置を正確に把握することができる。
 
千尋のことが好きで、その事でよく周りに弄られては真っ赤になってる。
 
裏話としては、このキャラは完全にV・Bの妄想プラス艦これでの設定できている。(ちなみに、すべて艦これでの設定は反映している。)
 
  
 

 
後書き
読んでくれてありがとうございます。いやー、もし本当に出てきたら恐怖でしょうね。戦艦レ級改flagship。出ないことを祈ろう。

それでは、また次回。 
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