艦これ ブラッドスタークは父親から司令官に変わりました!
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プロローグ
石動惣一は片手に缶ジュースを飲みながら鎮守府を歩いていた。
「おい!石動」
後ろから誰かが惣一に話し掛けた。
「よう、どうしたんだ?久門提督」
そう石動は鎮守府の最高責任者の久門禎瑞提督を見て聞いた。
「新しく入った幼い艦娘が居るんだがその子達の面倒をみてくれないか」
禎瑞はそう惣一に言った。
「俺は、ガキの面倒は見ないんだ」
そう言って惣一は歩き始めた。
「お前しかいないんだ!」
禎瑞は頭を下げて頼んだ。
「わかったよ」
そう言って惣一は片手にジュースを飲みながら言った。
「それで、その艦娘はどこだ?」
惣一は禎瑞に聞いた。
「今来ているはずだ」
そう言って禎瑞は指揮官のイスに座った。
「失礼します!」
そう言って誰かがドアをノックした。
それは秘書艦の鳳翔だった。
「遅かったな」
禎瑞はそう言った。
「お二人に鎮守府を案内してましたから」
鳳翔はそう言って後ろに隠れていた艦娘に言った。
「赤城型一番艦の赤城です」
そう赤城は自分の名前を言った。
「加賀型一番艦加賀です」
そう加賀は鳳翔から隠れながら挨拶をした。
「っち、仕方ねえな。わかったよ俺がこの二人を育てればいいんだよな?」
惣一はそう禎瑞に聞いた。
「ああ、頼んだぞ」
そう禎瑞は笑みを浮かべて言った。
ーーー惣一の家ーーー
惣一は二人を家に入れて料理を作り始めた。
正規空母だけあって二人は良く食べる。
しかし惣一はそれを気にせずに二人に優しく接していた。
ーーー5年後ーーー
「これが正規空母の艤装なんですね?」
赤城はそう惣一に聞いた。
「ああ、そいつは選ばれた艦娘しか装着できない。だが、今のお前達なら出来るはずだ!これまでの訓練を忘れず活かしきれよ」
惣一は笑顔で二人に言った。
「父さん」
加賀は惣一の服を掴んだ。
「いつまでも甘えてたら駄目だぞ!お前は新しく来る艦娘の先輩にならないといけないからな」
惣一はそう言って加賀の頭を優しく撫でた。
「はい」
加賀はそう返事をした。
「そうですよ!加賀さん。今度は私達が父さんを守らないといけないんですから!」
そう赤城は腕を巻くって任せろと言いたそうな顔で言った。
「っふ!」
惣一は目から涙を流して顔を反らして涙を拭いた。
「最近涙もろくなっちまったな!」
惣一はそう二人の娘を見て言った。
「頑張れよ!」
ーーー数日後ーーー
「どういうことだよ!」
惣一は提督室で禎瑞に怒鳴り聞いた。
「どうしたもないだろ。赤城と加賀だけに任務に行かせたのはあの二人が誇り高き一航戦だからだ」
禎瑞はそう言って惣一に睨んだ。
「あの二人はお前が鍛えたんだろ?なら勝てるはずだ?なんたって貴様は怪物であいつら一航戦も怪物だろ?」
禎瑞はそう憎たらしく笑みで惣一に言った。
「なら、援軍を出してくれ!」
惣一はそう禎瑞に言った。
「それは更に無理だ!そんな事に資材を使いたくないからな!」
そう言って禎瑞は惣一の言葉を反対した。
「ッく!」
惣一は走り出した。
「待て、貴様まさかスタークになる気か?」
禎瑞はそう惣一に聞いた。
「ああ!こんな駄目な俺を父親と慕ってくれたあいつらを助けるために俺は、戦う!」
そう言って惣一は走り出した。
ーーードッグーーー
惣一はトランスチームガンとコブラフルボトルを両手に持ち目を閉じた。
「今助けてやるからな」
惣一はそう言ってトランスチームガンにコブラフルボトルを差し込んだ。
「蒸血!」
[ゴブラ、ミストマッチ!ファイヤー!]
「さて、行くか!」
ブラッドスタークに変身した惣一は海の上を滑るようにして移動した。
ーーー海上ーーー
「赤城さん!」
加賀は赤城を呼んだ。
赤城は薄れ行く意識から目を覚まして起き上がり加賀を見た。
「加賀さん。私どれぐらい寝てましたか?」
そう赤城は加賀に聞いた。
「ほんの30秒です」
加賀はそう言った。
「このままだとお互いにまずいですね」
赤城は辺りを見た。
駆逐艦×19体。
重巡艦×8体。
空母×6体。
普通にあり得ない数を赤城と加賀は攻撃を仕掛けるが全く敵は減らなかった。
しかも赤城と加賀の弓はもう使い物にならなかった。
「どうすれば」
赤城は絶望の中希望の光を探した。
「赤城さん!直上!」
加賀はそう赤城の頭上の深海凄艦の爆撃機を教えた。
「ここで終わるんだ。ごめんなさい父さん」
赤城はそう言って諦めた。
その時。
ダァン!
何かが爆撃機を全て撃ち落とした。
「えっ?」
赤城は何が起きたのかわからないでいた。
「諦めるのは早いぞ!」
そう言って二人の横に立っていたのはブラッドスタークだった。
「貴方誰ですか?」
赤城はそうスタークに聞いた。
「この声ならわかるか?」
スタークは元の声で言った。
「父さん!」
加賀はすぐに惣一だと気付いた。
「正解だ!」
そう言ってトランスチームガンを片手に持ちながら二人を見た。
「赤城、加賀」
スタークは二人の名前を言った。
「何ですか?父さん」
赤城はスタークに聞いた。
「お前達の様な娘に出会えて嬉しかったぞ」
スタークはそう言ってスチームブレードを片手に持ちながらゆっくりと歩き始めた。
「何を言ってるんですか?」
加賀はスタークの仮面の下の父親の言葉に疑問を抱いた。
「お前達に見せてやる。ゲームプレイヤーの俺の戦いを」
そう言ってスタークは走り出して深海凄艦に攻撃を仕掛けた。
赤城と加賀はその戦いを見て自分の父親がどれ程強く優しく温かな人だったか。
ーーー2時間後ーーー
陸奥と日向と長門が援軍に来たときには深海凄艦は全て撃墜されその中ボロボロの姿でブラッドスタークのスーツとトランスチームガンとスチームブレードは大破されていた。
そしてブラッドスタークもとい石動惣一は立ったまま意識を失っていた。
ーーー鎮守府ーーー
鎮守府に戻った赤城と加賀は応急手当をしてタンカーで運ばれた人物を見た。
それは自分達を5年も育てた優しい父石動惣一だった。
惣一の手からコブラフルボトルが落ちそれを加賀は広い涙を流していた。
『お前達が幸せになってくれたら俺はそれで構わないんだ』
惣一が何度も加賀や赤城に言った言葉が二人の中に響いた。
ーーー1週間後ーーー
目が覚めた惣一は赤城と加賀の見舞いに参っていた。
「お前ら、また来たのか?」
そう惣一は二人に言った。
「父さんが寂しいかと思いまして」
赤城はそう言った。
「寂しくねえよ」
惣一はそう言ってりんごをかじっていた。
「そのわりにいつも病室で暇だって言ってるみたいですね」
加賀はそう言った。
「うっ!」
惣一は痛いところを突かれた。
「あっ、父さんに手紙が来てましたよ」
そう言って赤城は惣一に手紙を渡した。
「誰からだろ?」
そう言って惣一は手紙の内容を読むうちに顔が真っ青になった。
「司令官転属の知らせ。久門禎瑞を辞任し石動惣一を舞鶴鎮守府の最高責任者とする?」
そう加賀は手紙の内容を読んだ。
「うそーん!!!!!!!!!」
惣一の大声が病院に響いたのは言うまでもない。
後書き
始まりはこんな感じ。
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