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オズのトト

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第六幕その七

「それが最近オリーブオイルも出来たばい」
「そしてこれがまた美味くて」
「わし等今ではのう」
「すっかりオリーブオイルの虜じゃ」
 また子泣き爺と砂かけ婆が言ってきました。
「何ともな」
「これは」
「あのオリーブオイルを使えば」
 狒々も言います。
「あらゆるお料理が美味しくなる感じがするな」
「和食にもなの?」
「ははは、和食はやっぱり違うな」 
 狒々は恵梨香の問いには笑って返しました。
「オリーブオイルではどうかという時もある」
「やっぱりそうよね」
「天婦羅には天婦羅油でな」
 そしてというのです。
「オリーブオイルは限られる、しかし」
「使える時はなのね」
「和食でもオリーブオイルを使うと美味い」
「まさに魔法の油だね」
 野槌も言います。
「あれはね」
「私も好きよ」
「僕もね」
 猫叉とすねこすりもオリーブオイルが好きみたいです、にこにことしてそのうえでお話をしています。
「勿論和食以外にもいいし」
「最高の油の一つよ」
「日本とオリーブの組み合わせはね」
 ドロシーは最初は違和感を感じました、ですが。
 すぐにです、こうも言いました。
「案外いいのね」
「お豆腐にかけても美味い」
「お刺身にもだぞ」
 赤鬼と青鬼も言います。
「是非そうして食べてくれ」
「一度な」
「胡瓜にもいいんだよね」
 河童もお勧めでした。
「オリーブオイルは」
「それでオリーブの木は何処にあるのかな」
 トトは妖怪さん達にこのことを尋ねました。
「それで」
「麓にあるぞ」
 赤鬼がトトに答えました。
「葡萄園や豆畑と一緒にな」
「オリーブ園もあってな」
 青鬼も言います。
「それで皆で作っているのだ」
「皆で仲良くしておるぞ」
 天狗もトトに答えます。
「この山でな」
「それはいいことだね、ただもうこの山には皆が暮らしているんだね」
 ここでこのことを言ったオジョでした。
「だったら」
「ええ、鳥さん達はね」
 ドロシーがそのオジョに応えました。
「どうしてもね」
「移住出来ないね」
「別の山ね」
「いや、別にいいぞ」
 天狗がドロシーに答えました。
「わし等は賑やかなことが好きだからな」
「毎晩楽しく飲んで食べてだからね」
 すねこすりも言います。
「誰が来てもね」
「先に誰かがいたら法律的に駄目だから」
 ドロシーが妖怪の皆にこの事情をお話しました。
「だからね」
「その鳥さん達もか」
「この山は駄目なの」
「そうなの」
 こう天狗とすねこすりに答えるのでした。
「これがね、しかもね」
「しかも?」
「しかもっていうと」
「鳥さん達は夜は絶対に寝るから」
 この事情もあってというのです。 
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