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儚き想い、されど永遠の想い

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30部分:第三話 再会その五


第三話 再会その五

「今日は招きに応じてくれて有り難う」
「御招き頂き有り難うございます」
 二人は握手をしてから御互いに礼を述べ合う。
「それで今宵は」
「うん、最近のパーティーはあれだね」
 ここでだ。高柳はこんなことを言うのだった。
「どうも西洋の赴きばかりだね」
「そうですね。パーティー自体がそうですし」
「西洋の場で西洋の酒を飲み西洋のものを食べる」
「西洋の服を着て西洋の音楽を聴いてですね」
「そればかりでは飽きると思ってな」
 それでだというのである。彼はここでだ。
「だからせめて飲むものや食べるものはと思ってだ」
「それをですか」
「変えたんだよ。まず食べるものは」
 そこから話す。何を用意したのかをだ。
「寿司を用意したよ」
「寿司ですか」
「うん、それをね」
 彼が用意したのはそれだった。寿司だった。
「そして飲むものは」
「日本酒ですね」
「まあ場所とかはいつも通りだけれどね」
 ここでは苦笑いも入れた。場所や服装、音楽はだった。西洋のままだった。しかしだ。そこにあえてというのであった。
「日本も入れてみたよ」
「面白いですね。それは」
「いいと思うんだね」
「西洋のオードブルもいいですが。お寿司もいいものです」
 こう答えるのだった。
「同じ位に」
「そして酒もね」
「寿司とくればやはりですね」
「そうだろう?日本の食べ物には日本の酒だよ」
「はい、やはりそれが一番ですね」
「だからと思ってね」
 高柳の話は続く。
「いや、理解してくれて有り難いよ」
「では。そのお寿司もまた」
「あるよ。好きなだけ食べてくれ給え」
「そうさせてもらいます」
 こう話してだった。彼は実際にだ。
 いつもの友人達と合流してだ。そのうえでだ。
 寿司を食べていく。そうしてここでも話に興じた。
 その中でだ。また話す彼等だった。
「ところで八条君」
「何かな」
 友人の一人の言葉にだ。ここで応えるのだった。
「一体何かあるのかな」
「うん、さっき高柳先生とお話していたね」
「そのことかい?」
「あれかい?娘さんのことかい?」
 彼はだ。楽しげに笑ってこう義正に尋ねるのだった。
「それでなのかな」
「そんなのじゃないよ」
 だが、だ。義正は笑ってそれは否定するのだった。
「ただ。普通にね」
「普通にかい」
「挨拶をしただけなんだね」
「そうだよ。何だよ思ったんだい」
 笑顔でだ。友人達に問う彼だった。
「それじゃあ」
「まあね。結婚かって思ってね」
「僕もね。そう思ったよ」
「僕もだよ」
 これはだ。友人達の誰もがであった。そう思ったのである。
「そう思ったけれど。違うんだね」
「そういうのではなかったんだね」
「僕はね」
 そしてだ。義正もその彼等に対して話すのだった。
 
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