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〜チマメ隊〜 ことの始まりは
  第5羽 うさぎになってもおじいちゃんのコーヒーは美味しいです

 
前書き
三羽の時にちょっと文化祭の話しましたよね?
あと半年で次の文化祭がきます。
…あれっ? 

 
前回のあらすじ。
床が食べられる素材で出来ていました。


「チノも食べてみなよ、ちょっと癖になるよ」
「じゃあ…ちょっとだけ…。?固いですよ?」

意を決したチノが床をかじろうとするが、床は固くて食べらることが出来ない。

「え?そんなわけない…ホントだ!ここだけモナカじゃなくなってる!」
「謎は全て解けたよ!メグ、この下はどうなってる?」
「この下?えーっと、普通のモナカだけど…あれ?ここだけコーヒーが染みてない!」
「やっぱり!この床、チノが食べようとしたところだけ本当の床で、裏から何かを隠せるような空間ができるようになってたんだよ!」
「ホントだ!こんなのが出てきた!」

サクサクとモナカを食べる音が響いた後、メグが床の裏から取って見せたもの。少し短めのショットガンのようなものがその手には握られていた。

「本当にありました!」
「思ったとおり!メグ、それでティッピーをうっちゃえ!」
「ええっ!?私!?」

戸惑いながらも床下からはい出て銃口を巨大ティッピーに向けるメグ。しかし散々無視され続けたティッピーは部屋の角で大粒の涙を流していた。
『ウッウッ…』

「あれ?ご、ごめんね?」

思わず銃を下ろし、巨大ティッピーをいたわるメグ。それを好機と言わんばかりに巨大ティッピーはメグに向けてコーヒーの大波を飛ばす。

「メグー!」
「銃が!」

流されるメグがうっかり手を離し、宙を舞うショットガン。咄嗟に動いたマヤはショットガンを掴み、流されながらも銃口を巨大ティッピーに向け、一思いに発射した。

「くらえー!」
『ぬぉぉおおおお!』
「ティッピー!」

ショットガンから放たれた光線は巨大ティッピーを包み込み、光線を受けたティッピーはみるみる小さくなっていく。やがて、いつもと変わらぬ大きさになったティッピーは自らが放ったコーヒーの波に揺られ、どこかへ流されていくのだった。

「メグー!」
「ここだよ〜」
これまたコーヒーに流され、間一髪壁に引っかかって流されずに止まっていたメグを救出に向かったマヤとチノ。

「これにて巨大ティッピー討伐成功だね!経験値はどれくらい貰えたかな?」
「経験値なんて貰ってどうするんですか」
「ねえ、あれなんだろう?」

やっと引いてきたコーヒーの海の底でキラリと光ったもの。メグが駆け寄り拾ったそれは、コバルトブルー色の水晶がはめ込まれた一つの鍵だった。

「ティッピーが落としていったんだね!」
「これでさっきの扉開くんじゃない?」

扉の鍵穴部分に鍵を差し込み、半分ほど捻ると、ガチャ、という音とともに扉が開き出す。

「ビンゴです!」

どんどん進もー!と、まだまだ元気なマヤが先陣を切って扉の奥へと進む。メグ、チノもマヤの後を追うように先へ行こうとするが、チノがふと足を止めた。
それに気づいたメグがどうしたの、とチノに声をかけるが。
「…いえ、なんでもありません」

それだけ答え、メグを追い抜くように扉の先へと駆けていってしまうチノ。
彼女は微かに聞こえたような気がしたのだ。頼りなくて、それでいて自分の姉を気取ろうとする、どうしようもないあの人の声が。 
 

 
後書き
さて、次からはチマメ隊からはちょっと焦点をズラして、もう片方のグループにスポットライトを当ててみようかなーと思ってまーすってことでよろしくオナシャスッ! 
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