八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十一話 怪談その十三
だからだ、僕もニキータさんに話した。
「会えないと思うよ」
「じゃあ会う筈がないって思っていたら」
「急にね」
驚かせる為にだ、こちらを。
「出て来るんだよ」
「悪戯みたいに」
「妖怪は悪戯が生きがいだから」
それが三度の御飯より好きなんだと思う、結局は。
「だからね」
「会いたくて会えないのね」
「そこは気付いてね」
「出なくて」
「不意に出て来るんだ」
「じゃあおさかべ姫も」
「そうだよ、まあ狐や狸だったらね」
つまり変化の類はというと。
「こっちが意識していてもね」
「日本の狐とかは化かすっていうわね」
「そうしてくるからね」
「化かしてくるのね」
「実際にね」
「そうなのね」
「そういえばね」
またモンセラさんが言ってきた。
「安倍晴明さんっているわね」
「平安時代の陰陽師の」
「大魔術師みたいな人ね」
「実際に西洋で言うとそうだね」
陰陽道を魔術と考えるとだ、そういえば陰陽道は魔法陣に使うあの五つの星を使っている。
「陰陽道は」
「そうなのね、それでね」
モンセラさんはさらに話した。
「安倍晴明さんは狐よね」
「狐とのハーフだよ」
「人間と狐の間に生まれたのね」
「お母さんが狐だったってね」
「言われてるのね」
「そうなんだ、ただ言い伝えだから」
「本当は違うの?」
「歴史書ではそうだよ」
確かに言い伝えではそうなっているけれどだ。
「伝説の多い人だから」
「そうしたお話もあるの」
「そうなんだ」
「狐とのハーフってお話も」
「そうなんだよね、あの人は」
「実在人物よね」
「だから歴史書にも名前が出るんだ」
生没年もはっきりしていて公の記録にも出て来る、実在していたのうは紛れもない事実だ。
「実在人物なのは確かだよ」
「それでもそんな伝説があるの」
「他にも伝説の多い人でね」
「そうなのね」
「色々とあるよ」
今昔物語にも出て来る位にだ。
「空海さんみたいにね」
「弘法大師さんね」
「そう、あの人みたいにね」
空海さんは仏教、安倍晴明さんは陰陽道でもだ。
「色々な伝説があって」
「狐に関わるお話も」
「あるんだ」
こうモンセラさんに話した。
「怪談話っていうか妖怪退治とか術の勝負とか」
「そうしたお話なの」
「ファンタジーだね」
作品のジャンルにするとだ。
「あの人の場合は」
「ホラーじゃなくて」
「そっちだよ」
「ファンタジーなのね」
「式神とかも使うし」
「ああ、式神ね」
「あれを使うのも陰陽道でね」
今ではすっかりメジャーになっている和風ファンタジーの定番だ、これが出ないと和風ファンタジーではないというまでに出る。
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