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ドリトル先生と奈良の三山

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第六幕その四

「人気があるんだよ」
「そうだよね」
「それも世界的にね」
「歴史的だけでなくデザイン的にも評価されていて」
「いいんだよね」
「そうだね、何かね」
 また言う先生でした。
「あのデザインは僕も好きで」
「今度持ってみる?」
「そしてみる?」
「そこまではいいよ」
 ここでまた先生の無欲さが出ました。
「確かに歴史的価値はあるけれど」
「先生ご自身が持つことがだね」
「あまりよくないって思ってるんだ」
「そうなの」
「そうなんだ、どうもね」
 こう皆にお話する先生でした。
「僕個人が持つよりもね」
「皆だね」
「つまり博物館とか資料館が持つべきだね」
「そうした方がね」
「やっぱりいいっていうのね」
「僕としてはね、だから発掘してもね」
 遺跡調査の時もです、先生はそちらを行うこともあります。
「僕個人で持つよりもね」
「皆で持つ方がいい」
「そして皆が観る方がいい」
「それでだね」
「博物館とか資料館に渡すんだね」
「発掘しても」
「丁度うちの学園には博物館があるからね」
 八条学園の中にです、それもかなり立派な博物館です。
「丁度いいね」
「そうだね、確かにね」
「あそこの博物館なら丁度いいわ」
「歴史資料も一杯あるし」
「その中に入れてもね」
「いいわね
「そうよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「僕はそうするよ、勿論埴輪や土偶以外のものもね」
「そうしたものもだね」
「そこも先生らしいね」
「この場合の無欲はいいかな」
「そうだよね」
「発掘したものは皆で」
 そうすると、というのです。
「皆で観て学ぶべき」
「そうあるべきなのね」
「うん、そういえばイギリスにいた時には」
 先生はまたこの時のことを思い出しました、もう先生にとってはかなり昔に思える日々です。
「大英博物館にも行ったね」
「ロンドンに行くと絶対にね」
「あそこに行ってたわね」
「それで色々なものも観ていたね」
「あの博物館の中にあるものを」
「あそこにも埴輪があったね」
 その大英博物館にもです。
「あれを見て日本にはこうしたものもあったんだってね」
「思ったんだね」
「江戸時代や今の日本だけじゃなくて」
「そうした日本もあるって」
「そう思ったのね」
「そうなんだ」
 実際にというのです。
「僕もね」
「そうだったんだ」
「それで日本に住む様になったら」
「その埴輪もかなり見られて」
「そのことも嬉しいのね」
「そうだよ、土偶もね」
 こちらもというのです。 
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