オズのトト
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第五幕その九
「飲み過ぎるとね」
「悪酔いしてですね」
「後がよくなかったりするからね」
「僕達は強いにしても」
カエルマンはおかわりをしています。
「それでもね」
「そう、悪酔いは禁物だよ」
「その通りだね」
「いつも紳士でありたいからね」
例えお酒を飲んでいる時でもというのです。
「だからね」
「こうして飲んでいても」
「悪酔いはしないでいよう」
「是非ね」
それはというのです、そしてです。
教授とカエルマンはどんどんビールを飲んでいきます、オジョはマンチキンの青い葡萄ジュースを飲みながら二人が飲んでいるそのビールを見てです。
トトにです、こんなことを言いました。
「何かね」
「何か?」
「そう、二人共緑色のビールを飲んでるね」
「エメラルドの都のビールだね」
「そこから持って来たものなんだね」
「緑だからね」
それがわかるというのです。
「すぐにわかるね」
「僕もエメラルドの都には時々行くけれど」
「緑のビールはなんだ」
「はじめて見たよ」
そうだったというのです。
「マンチキンの青いビールはよく飲むけれど」
「ああ、マンチキンにいるから」
「そうだよ」
「そう、そしてね」
そうしてというのです。
「緑のビールを見てへえ、と思ったよ」
「はじめて見てだね」
「ああしたものなんだってね」
「まあオズの国だからね」
「何でもそれぞれの国の色でね」
「ビールもそうなるからね」
「そういえば」
ここで恵梨香が言ったことはといいますと。
「ウィンキーの色は黄色だから」
「黄色いビールになるよ」
トトがお話しました。
「やっぱりね」
「そうよね」
「ギリキンは緑、カドリングは赤だよ」
「そうなるのね」
「そう、普通にね」
それはというのです。
「ビールもそうした色になるよ」
「普通になのね」
「そうだよ、外の世界だと黄色いビールだよね」
「黒ビールもあるわよ」
「それオズの国でもあるよ」
「その国の色じゃないものも造られるから」
「そのビールもあるよ、ただそれぞれの色にした黒ビールもね」
そうしたビールもというのです。
「あるんだ」
「それじゃあ普通のビールと色でわからないわよね」
「いや、これがね」
「わかるの」
「黒ビールだと色が濃いから」
そうなるからだというのです。
「エメラルドの都だとダークグリーンのビールになるんだ」
「あっ、緑といっても色々で」
「そう、そうした緑のビールになるよ」
「そうなのね」
「だからわかるんだ」
「成程ね」
「普通のビールと黒ビールの違いもね」
こう恵梨香にお話すトトでした、そしてソーセージをもう一本食べて今度はベーコンを分厚く切ったものを食べるのでした。
そうしてです、またドロシーに言いました。
「最後のデザートは何かな」
「アイスクリームを考えてるわ」
「あっ、アイスなんだ」
「そう、それをね」
「いいね、バーベキューって不思議とね」
「アイスクリームが合うでしょ」
「そうなんだよね」
こうドロシーに応えるトトでした。
「お肉を沢山食べるせいか」
「その後はね」
「甘くて冷たいものが合う感じにね」
「お口の中がなってかしら」
「アイスが美味しくなるよね」
「そうでしょ、だからね」
「今日のデザートはだね」
尻尾をパタパタとさせて言うトトでした。
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