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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1956話

 2匹目のイレギュラーシャドウを、いつの間にか倒していた俺達。
 まだ他にも敵がいるのかと思いきや、実際には思い切り肩すかしとなってしまった。
 そんな訳で、ラブホテルから外に出るべく移動しているのだが……微妙に、いや、思い切り気まずい。
 取りあえずゆかりと美鶴が俺を処刑するのは何とか思いとどまらせる事に成功したのだが、そうなったらそうなったで、2人揃って俺を見る目が何とも言えない感じになっている。
 うん、その辺りはどうしようもないんだよな。
 元々恋愛沙汰に関しては初心だった2人が、気が付けば俺と一緒に全裸でベッドの上にいて、しかも身体中を弄られていたのだ。
 それで何も思わない方が色々とおかしい。

「っ!?」

 ふと視線を感じた方を見ると、俺を見ていた美鶴と視線が合う。
 だが、次の瞬間には美鶴は顔を真っ赤にしながら視線を逸らす。
 この調子だと、これから色々と面倒な事になりそうな気がするのは、きっと俺の気のせいではない筈だ。
 さて、どうしたものやら。

「なぁ、アルマー。美鶴の奴はどうしたんだ? 岳羽も何か妙な感じだし」

 不思議そうな視線をこちらに向けてくる真田。
 真田も、何だかんだとファンが多いのに、恋愛関係に関しては疎いんだよな。
 別に女に興味がない訳じゃないんだろうが、今はそれよりも自分が強くなる方に精一杯ってところか。

「真田も知っての通り、俺達が倒したイレギュラーシャドウの他にもう1匹いた。それはいいな?」
「ああ。俺も面白くもないことを体験させられたしな」

 不服そうな様子の真田だったが、それでも1人だっただけいいと思うけどな。
 下手をすれば、俺がゆかりや美鶴とやったような事を、有里とさせられていた可能性もあるのだから。
 ……ただ、正直なところ、この一件はイレギュラーシャドウの仕業だと言い切れる訳でもない。
 俺が使った鬼眼が鏡の中にいたイレギュラーシャドウと妙な風に反応して、結果的にあんな感じになったという可能性も否定は出来ないのだから。
 ただまぁ、その一件に関しては言わない方がいいのは間違いない。
 俺の身の安全のためにも、そして他の面々の精神的な安定の為にも。

「それだ。お前と同じく、美鶴やゆかりもちょっと口に出来ないような体験をさせられたんだよ」
「ちょっと、アクセル! それだと、色々と人聞きが悪いでしょ!」

 俺と真田の話が聞こえたのか、ゆかりが不満も露わに叫ぶ。
 そうか? ……いや、そうか。うん、考えてみれば、今のは間違いなく人聞きが悪かったかもしれないな。

「とにかくそんな訳で、色々とあったんだよ。……詳しく聞きたいのなら、美鶴から聞いてくれ。俺は処刑はごめんだからな」
「俺だってそれはごめんだよ」

 美鶴の視線が向けられた瞬間、真田は一瞬の躊躇もなくそう言ってのけた。
 いやまぁ、美鶴と数年もの間一緒に行動していれば、今の美鶴の様子で下手にちょっかいを出そうものなら、間違いなく命の危機に陥るというのははっきりしたんだ。
 そんな地獄に、わざわざ自分から手を出すような真似を、真田がする筈がないだろう。
 有里も、そんな真田の様子を見てからは、口を開く様子はない。
 ここで何かを言えば、間違いなく自分にとって最悪の出来事が待っていると、そう理解しているのだろう。
 実際、ゆかりや美鶴にとって、あの時の出来事は少しでも早く記憶から消したいと思っても不思議ではないのだから。
 そんなこんなで、微妙な雰囲気ながらも、ラブホテルの外に出る。

「わん! わんわん!」

 すると俺達の姿を見つけたコロマルが、即座にこっちに走ってきた。
 嬉しそうに尻尾を振りながら、俺の近くを走り回るコロマルを見て……少しだけ、本当に少しだけだが、周囲の雰囲気が穏やかになったような気がする。
 勿論、あくまでも完全にって訳じゃなく、あくまでも少しだけなんだが。

「色々と危なかったようだが、どうやら何とかなったみてえだな、アキ」
「ふんっ、俺がそんな簡単にやられるかよ」
「湊、無事だったか」
「うん、まぁ、何とかね。色々と大変な事はあったけど、何だかいつの間にか終わってたよ」

 荒垣と真田が、順平と有里がそれぞれ言葉を交わし……残っているのは、俺、ゆかり、美鶴、コロマル……そして少し離れた場所で周囲の様子を警戒している山岸。
 ただし、山岸はもう1匹のイレギュラーシャドウの件もあってか、まだ警戒を解いた様子はない。

「お前の様子を見ると、特に何もなかったみたいだな。……まぁ、コロマルの力があれば、その辺のシャドウが襲ってきてもどうとでもなるだろうけど」
「わん! わんわん!」

 褒めながら身体を撫でてやると、心の底から嬉しそうに鳴き声を上げるコロマル。
 相変わらず人懐っこいようで何よりだ。
 背後から向けられている視線には気が付いているのだが、ここで振り向けば色々と終わる。
 それが分かっているだけに、俺はその視線を無視してコロマルを可愛がる事にする。
 ……いや、していた。
 ぽん、と。そんな俺の右肩に、誰かの手が乗せられた。
 それが誰の手なのかというのは、それこそ俺がこの世界に来た時からずっと一緒に行動しているのだから、考えるまでもなく明らかだろう。

「さて。ねぇ、アクセル。あの建物から出てきた以上、しっかりとあの時の事を説明して貰わないといけないわよね?」
「……あー、その可能性がない訳でもないような気がするな」
「どこぞの政治家みたいな事を言わないの。桐条先輩はどうします? いつもならここでお別れですけど、桐条先輩もアクセルに色々と言いたい事があったりしませんか?」

 不意に話を向けられた美鶴は、そんなゆかりの言葉に少し迷う。
 それでも目の中に我に返った時のような強烈な怒りがないのは、多少なりとも時間をおいて、ある程度落ち着いたというのがあるのだろう。
 瞬間的な怒りだった為に、それが落ち着くのもすぐだったと。
 勿論、だからといって美鶴が俺を完全に許した訳ではないのは間違いない。
 ここで何かを言ったとしても、下手に美鶴を……そしてゆかりを怒らせるだけだと悟り、取りあえず口を開かずに美鶴の反応を待つ。

「そうだな。……正直なところ、アクセルの行動が全て悪かったという訳ではない」

 その言葉に、もしかして助かったか? と思ったのも束の間……

「それでも、ああいった行為が行われた以上、色々と話をする必要はあるだろうな」

 うん、やっぱりというか、予想通りというか……話はそう簡単に済む訳がない、か。

「そうですよ。乙女の柔肌を見て、触れて……その……」

 小声で、それこそ美鶴にだけ聞こえるように言っていたゆかりだったが、それでも恥ずかしくなったのか、途中で言葉が途切れる。
 見て、触れて、味わって……と、恐らくそう続く筈だったのだろう言葉を。
 だが、ゆかりが最後まで言わずとも、美鶴にはそんなゆかりが何を言いたいのか理解したのだろう。
 こちらも顔を赤くしながら、それを誤魔化すように口を開く。

「そうしよう。場所は……アクセルの部屋でいいな?」
「え? いや、俺はいいけど、そっちはいいのか?」

 正直なところを言わせて貰えば、美鶴が何を考えて俺の部屋でとしたのかが分からなかった。
 美鶴の部屋でないというのは、巌戸台分寮には隠しカメラやら何やらが仕掛けられている以上、それを嫌っての事だと分かる。
 ゆかりの部屋は……影時間が終わってしまえば、周囲で影時間を知らない普通の連中が暮らしているからというのも分かる。
 だが、それだけなら、それこそ24時間営業のファミレスとかでもいい筈だ。
 よりにもよって、下手をすれば抱かれていた俺の部屋で、それも12時をすぎた真夜中に来るような理由にはならないだろう。

「何だ? やはりアクセルは私達に何かをする気なのか?」
「そんなつもりはないけどな。けど、さっきみたいな事があったんだから、普通なら嫌がるんじゃないのか?」

 そう言っても、美鶴は薄らと頬を赤く染めるものの、問題ないと告げる。
 そうして……何だか色々と訳ありっぽい感じではあるのだが、とにかく俺は影のゲートを使ってそれぞれの場所に送っていくのだった。





「ふむ、夜にアクセルの部屋に来たのは初めてだが……昼とは随分と違うな」

 部屋の中を見回し、美鶴がそう告げる。

「まあな。巌戸台分寮と違って、影時間だと電気とかはないから、その辺はあまり気にしないでくれ」

 美鶴の言葉を聞く限りでは、今のところはそこまで怒っているようには見えない。
 その事に若干だけ安堵しながら、この場にいるもう1人……ゆかりの方に視線を向ける。
 そこでは、慣れた様子で壁を背に床に座ったゆかりが、何を言うでもなく俺と美鶴の2人に視線を向けていた。
 ここで何かを言うべきか?
 いや、けどここで何かを言えば、それが切っ掛けとなって俺がゆかりと美鶴の2人に責められる事になりかねないんだよな。
 取りあえず仄かに存在する緊張感をどうにかするべく、空間倉庫の中から取りだしたペットボトルの紅茶をゆかりと美鶴の2人に渡す。

「ありがと」
「すまない」

 それぞれがそう言ってペットボトルの紅茶を受け取るのを見てから、俺もまた自分の分のペットボトルの紅茶を取り出して口に運ぶ。
 無糖のストレートティーだからか、甘さは殆ど感じない。
 紅茶本来が持つ香り高さ……とか、普通ならそういう表現をするんだろうが、生憎と俺は別にグルメって訳じゃないので、そんな表現は得意じゃない。
 ……そこまで考えて、ふと思った。
 こうして色々な世界に行っている俺だが、基本的には何らかの戦いのある世界に行く事が多い。
 だが、それは絶対という訳ではないだろう。
 そんな俺が、もし料理漫画の世界に行ったらどうなるのか……釜玉うどんだけで天下を取るか?
 いや、ないだろ。
 取りあえずそういう世界に行っても、料理人として活躍するのは無理だろうな。
 かといって、料理を食べてその表現をする方でも無理だ。
 となると……ああ、材料を獲る方であれば、どうとでもなりそうだな。
 そうなれば、俺の特技とかも色々と使えるだろうし。
 そんな風に半ば逃避行動をしていると、最初に口を開いたのはゆかりだった。

「それで、アクセル。一応聞きたいんだけど……何か釈明はある?」
「そう言われてもな。真田や有里から聞いた話から考えても、あの一件は俺じゃなくてイレギュラーシャドウの能力だろう? それに引っ掛かったのはどうかと思うけど、それを言うなら俺だけじゃなくてお前達も同じだと思うが?」
「あのね、それに関しては私も何とも言えないけど……それでも、私や桐条先輩の柔肌を蹂躙したのは事実でしょ?」
「蹂躙って……お前、その表現は……美鶴を見てみろ、露骨な表現に顔を真っ赤に染めてるじゃないか」

 ゆかりの言葉を聞いた美鶴は、俺の言葉通り顔を真っ赤に染めていた。
 それこそ、何かあればすぐにでも爆発してしまうのではないかと、そう思える程に。

「いや、私は別に……」

 年上としての威厳からか、必死に取り繕おうとする美鶴だったが、それは殆ど意味をなさない。
 うん、正直なところ、普段凜々しい美鶴がこういう風になるのって、破壊力が高いよな。
 もし学校にいる――学校だけではないだろうが――美鶴のファンクラブの連中がこの表情を見れば、それこそ嬉しさからの雄叫びを上げるのは間違いない。
 そして何も知らない奴であれば、その表情に一撃でノックダウンされ、美鶴のファンクラブに入ってもおかしくはないだろう。

「蹂躙は蹂躙でしょ。最後まではしなかったけど、それでも……」

 勢いでそこまで言ったゆかりだったが、やがて自分が何を言ってるのかを理解したのだろう。そこで一旦言葉を止め、急激に顔を赤く染めていく。
 これも……ゆかりのファンクラブが見たら、一発でKOされそうな表情だな。

「まぁ、お前達が何を言いたいのかは分かったけど……さっきも言った通り、あの一件は俺が望んで行った事じゃない」
「ちょっ! 責任回避する気!?」

 ゆかりの声が周囲に響く。
 これって多分、本当に俺を責めてるって訳じゃなくて、恥ずかしさから半ばテンパってるだけなんだよな。
 普段のゆかりの性格から考えても、多分そうだと思う。
 だとすれば、我に返らせる為には……ショックを与えるのが一番か。

「へぇ? 責任回避、か。なら……責任を取るような真似をしてもいいんだよな?」

 壁に寄りかかってこっちを見ているゆかりに向かって、近づいてく。

「な!? ちょっ、アクセル!?」

 突然の俺の行為に驚きも露わにするゆかりだったが、俺はそれに構わずに近づいていく。

「こんな夜遅くに1人暮らしをしている男の部屋に来たんだ。つまり、そういう事なんだろう?」
「ばっ、ちょっ、誰もそんな事は考えてないから!」

 そっと頬に手を伸ばし、戦闘による影響とかが全くない滑らかな頬を撫でつつ、顔を近づけていく。
 次第に近づいていくゆかりの顔は、戸惑ったようにしつつ……何故かそっと目を瞑り……

「私の前でそのような不埒な真似はさせん!」

 残り数cmといったところで、部屋の中に美鶴の怒声が響き渡るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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