雲は遠くて
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136章 ≪カフェ・ゆず≫で歓談する、G ‐ ガールズ
136章 ≪カフェ・ゆず≫で歓談する、G ‐ ガールズ
2月3日の土曜日、午後2時を過ぎたころ。
朝から曇り空。北北東の風で、最高気温は8度と寒い。
≪カフェ・ゆず≫に、ロックバンド、グレイス・ガールズ (愛称、G ‐ ガールズ)の
メンバー全員が集まっている。次ぎのアルバム作りのためのミーティンングも兼ねている。
清原美樹は、バンドのリーダーで、キーボード、ヴォーカル。
1992年10月13日生まれ、25歳。
早瀬田大学、教育学部卒業。外食企業・モリカワ本社に勤務。
大沢詩織は 、ギターとヴォーカル。
1994年6月3日生まれ、23歳。
早瀬田大学、文化構想学部卒業。外食企業・モリカワ本社に勤務。
菊山香織は、ドラムとヴォーカル。
1993年7月26日生まれ、24歳。
早瀬田大学、商学部、卒業。外食企業・モリカワ本社に勤務。
水島麻衣は、ギターと、ヴォーカル。
1993年3月7日生まれ、24歳。
早瀬田大学、商学部卒業。外食企業・モリカワ本社に勤務。
平沢奈美は、べースと、ヴォーカル。
1994年10月2日生まれ、23歳。
早瀬田大学、商学部卒業。外食企業・モリカワ本社に勤務。
≪カフェ・ゆず≫は、小田急線の下北沢駅の西口から歩いて2分、世田谷区北沢2丁目にある。
一軒家ダイニングで、店内は、16席のカウンター、4人用の四角いテーブルが6つ、
キャパシティーは40名だ。店の前には6台分の駐車場がある。
ミニライブができるステージもあって、YAMAHAのアップライトピアノが黒く光る。
≪カフェ・ゆず≫の女性のオーナーは、高田充希で、
人気の女優で歌手でもある、高畑充希に名前も容姿も似ていると、
下北沢では評判だ。
その高田充希は、1993年3月14日生まれ、24歳。
≪カフェ・ゆず≫は、親のが所有する土地にあった家を改装して、
去年の2017年の8月1日に開店したばかりだ。
「けどけど、G ‐ ガールズのみなさんって、同じ大学の卒業で、
同じ会社のモリカワさんの、それもこの下北沢の本社に、
みなさん、お勤めてっていうのは、
すっごく、珍しいことよね。うっふふ」
テーブルに紅茶やコーヒーを運びながら、オーナーの充希は、
そう言って、みんなに微笑んだ。
「そうなんですよ。運命的なくらい、不思議な感じもします。ねえ、みんな。あっはは」
大沢詩織がそう言って笑う。
「まあ、よく考えてみると、わたしたちがみんなモリカワに就職しているのは、
社長さんのご次男でもある森川純さんのリクルート力、
その熱意があったからかしら?」
清原美樹はそう言って微笑み、温かい紅茶を飲む。
「純さんは、わたしたちのミュージック・ファン・クラブの良き先輩だしね。
お人柄もすばらしいし、男らしいし。
そんな純さんとお付き合いしている香織ちゃんが羨ましいくらいだわ」
水島麻衣はそう言って、菊山香織に微笑む。
「あら、まあ、純さんは、きっと今ごろ、くしゃみしているわね。あっはは。
でも彼って、わたしから見ても、なんていうのかなあ、フェアというか、公平というか、
バランスがいいというのか、信頼できる人なのよね。
お付き合いし始めてから、5年くらい経つんだけれど。
そんな誠実さは、変わらない人だわあ。うふふ」
菊山香織は少し照れて頬を紅らめながら、そう話した。
「それはそれは、ごちっそうさま!あっはは」
平沢奈美は、そう言って無邪気に笑う。
「純さんもだけど、信也さんとか、あとクラッシュビートのみなさんも全員だけど、
フェアだし、公平だし、バランス感覚もいいし、さすが、音楽やっている男性たちって感じで、
好感持てる人たちばかりよね。だから、自然とモリカワに集まっちゃうのよ、きっと」
清原美樹はテーブルのみんなを見ながらそう言って微笑む。
「モリカワの経営理念は、『会社経営はシンフォニー≪交響楽≫!
みんなで力を合わせて、愛にあふれる、美しいハーモニー≪調和≫を奏でよう!』ですけど、
わたし、この経営理念が大好きなんです」
みんなの話を聞いていた、オーナーの高田充希が子供のような笑顔でそう言った。
「わたしも大好きです!とても芸術的な経営理念だわ!」とみんなも口々にそんなことを言った。
店内は女性たちの明るい笑いに包まれた。
≪つづく≫ --- 136章 おわり ---
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