転生とらぶる
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ペルソナ3
1949話
コロマルを仲間に入れると決めた翌日の放課後、俺とゆかりの姿はポートアイランド駅の裏側にあった。
本来なら俺1人で来るつもりだった。
ゆかりも今日は弓道部の練習があるって話だったので、ゆかりはここに連れてこなくてもいいと思っていたのだが……今日は顧問の事情で弓道部の練習は急遽明日にずれこんだらしい。
そんな訳で、今日暇になったゆかりは俺と一緒に行動していた訳だ。
……ゆかりを連れてきたくはなかったんだけどな。
もっとも、それは別にゆかりの身の安全を心配しているとか、そういう理由ではない。
ゆかりの場合、非常に気が強い為にこの辺りにいる不良達と喧嘩になる可能性が高いのだ。
もっとも、山岸を探している時に順平と一緒に情報を求めてここに来た時の一件が広まっていれば、恐らくそこまで問題になるような事はないだろうが……あくまでも、それは予想でしかない。
実際に本当にそんな風になるのかどうかは、それここにいなければ分からないのだ。
「ゆかり、一応言っておくけど、いらない騒動を起こすなよ」
「……あのね。私とアクセルのどっちがトラブルメーカーかって事を言えば、普通は間違いなくアクセルの方がそうだと言うと思うわよ?」
……否定出来ないな。
今まで俺がやってきた事を考えれば、ゆかりの言葉に何かを言えなくなるのは当然だった。
もっとも、だからといってそれを大人しく認めるかと言われれば……これもまた、微妙なところだが。
「とにかく、荒垣を探さないとな。……前もそうだったけど、連絡が取れなくなることがあるってのは、どうなんだ? 携帯もきちんと持ってるのに」
電話を掛けても、電源が入っていないか……といったお決まりのメッセージが流れるだけで、メールを送っても返ってこない。
普通であれば、何かあったのではないかと怪しむところだが……荒垣だしな。
何か事故や事件といったものがあっても、荒垣であれば自分だけでどうにかしそうな気がするのは、決して俺だけではない筈だ。
そうなると、可能性として残るのは……ペルソナの暴走?
元々荒垣が美鶴達と別行動を取るようになったのは、カストールの暴走が原因だった筈だ。
その暴走がまた起きた……という可能性は決して否定出来ない。
だが、同時に最近では荒垣本人が強くなってきたおかげか、ペルソナが暴走するという事は殆どなくなってきているのも、間違いのない事実。
「うーん、荒垣さんの事だから、料理に集中してて、携帯の電源を切ってるとか? だとすれば、ここに来ても荒垣さんを見つけるのは難しいかもしれないけど」
「その可能性があるというのが、微妙なところだな」
荒垣が料理を得意だというのは、既に俺達の中では決定事項となっている。
そもそもの話、俺が最近作るようになった釜玉うどんにしても、最初は荒垣から作り方を教えて貰ったんだし。
……もっとも、本当に料理に凝ってるようなら、乾麺や冷凍のうどんではなく、それこそ小麦粉からうどんを作ったりもするのだろうが。
さすがに、幾ら何でも俺達と同年代の荒垣がそんな真似をする筈がないか。
「ひっ!」
ゆかりと話をしながら道を歩いていると、不意にそんな声が聞こえてきた。
そちらに視線を向けると、髪をドレッドヘアにした男が、俺の方を見て信じられない光景を見たとでも言いたげな表情を浮かべている。
……誰だ?
「ちょっと、アクセル。あの人、あんたを見て驚いてるんじゃない? 何をしたのよ?」
「そう言われてもな」
初めて会った奴を相手に、そんな事を言われても……正直なところ、困る。
いや、向こうが俺を怖がっているのなら、寧ろこれは俺にとって幸運なのか?
情報を聞き出すという意味では、全く問題ないだろう。
そう判断し、俺はその男に近づいていく。
向こうは少し後退ったが、そのまま逃げるという選択はなかったのか、俺が近づいてくるのを待ち受けていた。
そうして俺が前に立つと、口を開く。
「な……何か用……ですか?」
その口調は、外見とは似合わない程に弱々しいものだったが。
ともあれ、こっちの用件を聞く気になったというのは、こっちとしても非常に助かる。
「荒垣を探してるんだが、今日は見てないか?」
「荒垣……さん、ですか? その今日は見てないです」
少し遅れてさん付けしたのを見ると、恐らく普段は荒垣と呼び捨てにでもしてるんだろう。
まぁ、別にそれは構わないが。
「あ、でも……この通りを真っ直ぐ行ったところに、荒垣さんはよくいるので、もしかしたらそこにいるかもしれません」
「そうか。情報助かった」
そう言うと、ドレッドヘアの男は安堵した様子で俺に頭を下げ、その場を去っていく。
「うわぁ……アクセルって実は不良だったりするの?」
「そんなつもりはないけどな。……まぁ、こっちに来た当初は色々と絡まれたりもしたけど。……あ」
そこまで言い、ふと気が付く。
俺達の前から急いで去っていったドレッドヘアの男は、以前順平達と一緒に山岸の情報を求めてここに来た時、ゆかりに絡んできた男じゃなかったか?
そう思い、ゆかりの方を見ても、何故自分が見られているのか分からないといった様子で、ゆかりはこちらに視線を返してくる。
うん、本気で気が付いている様子がない。
あのドレッドヘアの男も、哀れだな。
いやまぁ、ゆかりの性格を考えれば、以前絡んできた時の事を覚えていると余計酷い目に遭うような気もするんだが。
ともあれ、ドレッドヘアから教えて貰った場所に向かうのだが……当然のように、そうなれば俺達の姿は他の者達にも見られる。
「おい、見ろよ。魔王だ……」
「え? あの男が? 嘘だろ? どう見ても、そんなに強い奴には見えねえぞ?」
「ばっか、お前。あいつ1人に名だたるチームが幾つも負けてるんだぞ? 噂じゃサイクロプスの連中も動くとか何とか……」
「マジ? あのサイクロプスが? ……となると、また大きな騒動が起きそうだな」
「魔王はいいんだけどよ。あの魔王と一種にいる美人の姉ちゃんは誰よ? 随分気が強そうだけど」
「ああ、あの女は魔王の女だ。何でも外見通りに……いや、外見とは比べものにならないくらいに強いらしい」
「うげ、どんなんだよ。……いい身体、してるのにな。魔王ともなれば、毎晩ああいう女を抱けるんだろうな」
「魔王って位だから、勿論絶倫なんじゃないか? となると、あの気の強そうな女も、毎晩ヒィヒィ言わされてるんだろうな。うわ、興奮してきた」
「おい馬鹿、こんな場所で催すんじゃねえ」
本人達としては、別に俺に聞かせるつもりで喋っている訳ではないのだろう。
だが、常人とは比べものにならないだけの聴覚を持つ俺にはしっかりと聞こえてきたし……俺程聴覚が鋭いわけではないだろうが、それでもタルタロスでの戦いの影響か、高い戦闘経験を積んで五感が鋭くなっているゆかりの耳には、今の言葉……特に最後の方はしっかりと届いたのだろう。
羞恥……もしくは怒りで、顔を真っ赤に染めながら、噂話をしていた不良達の方に鋭い視線を向ける。
『ひぃっ』
そんなゆかりの様子に気が付いたのか、噂話をしていた不良達は一目散にその場から逃げ去っていった。
うん、最後の方はともかく……最初の方に聞こえてきた話だけを聞けば、どこからどう考えても不良漫画の展開だよな。
そんな風に思いながら……そして歩いている途中で他にも何人かの不良にゆかりが鋭い視線を向けるという真似を繰り返しつつ、俺達は道を進んでいく。
だが、どこまで進んでも荒垣がいるような様子はない。
さっきのドレッドヘアの男が騙したのか?
一瞬そうも思ったが、あの状況でこっちを騙しても、向こうには百害あって一利なしといった状況だろう。
となると、やはり荒垣は今日ここに来ていないという事か。
「どうする? ここをもう少し探していくか? それとも、もう戻るか?」
「うーん、そうね。もう少し探してどうにもならないようなら、戻りましょ。コロマルの事については、メールで知らせておけばいいでしょうし。……荒垣さんからの返信はないみたいだけど、見てないって事はないでしょうし」
「そうだな。……けど、今日はタルタロスの攻略は止めておいた方がいいか? コロマルがいる状況で、更に荒垣がいないとなると、ゆかりの負担が大きすぎるだろうし」
「ていうか、まだコロマルの召喚器は用意されてないんだから、暫くは待機でしょ。行くにしても、それからよ」
そう言われ、そう言えばコロマルの召喚器を用意する必要があるんだったと、思い出す。
もっとも、普通の召喚器ではなく、コロマル用の召喚器だ。
具体的にどういう形になるのか、それが分からない。
「コロマルをタルタロスに連れていくとなると、武器も必要だよな。まさか、素手で戦わせる訳にもいかないし。いや、コロマルの場合、素手って表現が正しいのかどうかは分からないけど」
「そうね。でも、コロマルにどんな武器が必要かしら? 犬だから、牙? もしくは爪?」
「その辺りが自然だろうな。もっとも、コロマルがそれを気に入るかどうかは別の話だが」
牙を装備するとなれば、今ある生身の牙――という表現が正しいのかどうか分からないが――の上から武器としての牙を身につける事になる。
爪となれば、コロマルの4本の足……もしくは2本の前足だけにか、爪つきの手甲? 足甲? 的な物を装備させる必要がある。
これが人間であれば、そこまで違和感とかはないのかもしれないが、幾ら頭が良くても、コロマルは結局のところ犬だ。
つまり、服を着たりとか、そういう行為には慣れていない……筈。
意外と、前の神主がコロマルに服を着せるような趣味があれば、話は別だが。
実際、犬に服を着せるといった行為は、それなりに珍しいが、数はそれだけいる。
その行為が具体的に効果があるのかどうかは別としてだが。
そんな訳で、もしかしたらコロマルが服とかをそういうのを着るのに慣れていれば……いや、服と牙、爪はまた別の話か。
「うーん、そうなると……どんな武器があるの?」
「いっそ武器を装備させないって選択肢もあるんだが……それはそれで、危険だしな」
臆病のマーヤを相手に戦っていた時も、武器を持っていれば怪我をするような事はなかった……かもしれない。
そうなると、やっぱり何らかの武器は必要なんだが、何がいいかと言われてもすぐには思いつかない。
何かないか、そう思いながら考えを巡らせていると、ふとネギま世界で小太郎が狗神になっていた時に口で長剣を持っていた事があったのを思い出す。
……そう言えば小太郎、今は何をしてるんだろうな。
夏美といい雰囲気だというのは、以前聞いた事があったんだが……
ともあれ、あの時の小太郎の事を思い出せば、コロマルの武器も想像出来る。
「長剣……は、ちょっと重量の問題や取り回しの問題があるから、短剣とかはどうだ? もしくは、短剣よりちょっと長い小太刀とか脇差しみたいな感じの武器」
「……それ、コロマルが咥えるの?」
「ああ。これならコロマルにとっても牙のマウスピースや爪の生えた手甲よりは、動きやすい筈だ。噛みつきは使えなくなるけど、シャドウに噛みつくのは色々と衛生的じゃないだろうし」
「そうね」
そこに関しては同意見だったのか、ゆかりは俺の言葉に即座に頷く。
ゆかりも、コロマルは可愛がっているのだ。
そうである以上、コロマルが怪我をするような事には、絶対になって欲しくはないのだろう。
「短剣か。その辺りも、美鶴に頼んで桐条グループに用意して貰った方がいいかもしれないな。……ともあれ、そろそろ帰るか。荒垣もいないし」
結局ポートアイランド駅の裏側までやってきたが、目的の荒垣の姿はない。
そうなれば、もうこれ以上ここにいる必要もない訳で……俺はゆかりにそう尋ねる。
俺やゆかりの事を知らない者も何人かいるようで、ここにいる不良がこっちに絡んでこようとしている者もいる。
このままここにいれば、恐らく……いや、確実に面倒な事になるのは確実だろう。
そうならない為には、やはりここから早く立ち去るべきだ。
勿論ここの不良と戦って、何か得るものがあれば話は別なのだが……特に何も得るものはないしな。
ああ、財布とかなら入手可能か?
ただ、こういう奴等が持ってる金額ってのは、それこそ数千円程度が関の山なんだよな。
全員がそうだと決まった訳ではなく、中には数万、もしくはそれ以上持っている可能性もあるが……今の俺は別に金に困ってる訳じゃないしな。
それこそ、ペルソナ世界に来たばかりの時とは違い、今の俺であれば金を稼ぐ手段は幾らでもあるのだから。
荒垣を探すという目的が達成されたなかった以上、いつまでもここにいても意味はない。
そう判断し、俺とゆかりはその場を離れるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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