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東方奈落変

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プロローグ2

 
前書き
博麗サイドの一幕。 

 
ギラギラと照りつける太陽が高く昇り、日の恩恵を受けて青々と育った木々に張り付く蝉たちの鳴き声は、大きな渦となっていた。
「ったく…。クソあっついわね…」
博麗の巫女は空を睨みながら、額に浮かんだ玉のような汗を拭った。
夏真っ盛り、翌日に控えた大宴会に向けて、博麗神社では準備が進められていた。
「れいむ〜。この提灯はどこに持っていけばいいんだ〜?(ヒクッ)」
「あー、それそっちの方置いといて」
「わかった〜。(ヒクッ)」
酔いどれ鬼はフラフラしながら提灯を運ぶ。
「霊夢さん、境内の装飾おわりましたよ〜」
「ご苦労様。準備が早くて助かるわ」
先輩巫女に褒められた緑髪巫女は、嬉しそうにえへへっと笑みをこぼした。
「それにしても、あんなに声かけたのに手伝いに来たのが早苗と萃香だけって…。宴会では馬鹿騒ぎするくせにどいつもこいつも…」
霊夢は仏頂面でぼやいた。
「他の方はまだしも、魔理沙さんが来ないのは珍しいですよね?」
「そう、魔理沙よ。あれだけ手伝うとか言ってたくせに来ないじゃない(怒)。当日にヘラヘラしながら来たら陰陽玉食らわせてやるわ」
「れいむは人望がないなぁ〜(ヒクッ)」
「うっさいわ!!!」
霊夢の怒号で、蝉が数匹木から飛んだ。
そこへ
「これはこれはお怒りですな〜、博麗の巫女殿」
黒髪天狗が写真機を構えて降りてきた。
「また面倒な天狗が来たわね」
霊夢は露骨に嫌な顔をした。
「どうも、毎度お馴染み射命丸です。
あやあや、守矢の巫女と萃香様までいらっしゃるとは」
「悪いけど、取材は受ける気ないわよ?
こちとら人手不足で困ってるのよ。
なんなら手伝いなさいよ」
「あややっ、これは残念です。せっかくキンキンに冷えた瓶コーラを持ってきたのですが、これは後で自分で飲むとしましょうかね」
ゴクリ、と唾を飲み込み、暫しの沈黙の後、
「………何が知りたいのよ…?」
博麗の巫女はあまりにもちょろかった。
〜〜〜〜〜〜それから取材〜〜〜〜〜〜
「ほうほう、予定通り明日の酉刻開催、と。
何か出し物とかはやる予定で?」
「何も決めてないけど、プリズムリバーとかが勝手にやるんじゃないかしら」
「あや〜、無計画ですねぇ…」
「なんか文句ある?」(ギロッ)
「いえいえ、滅相も無い。
さて、ここらで切り上げて他を当たるとしますかね。霊夢さん、協力どうもです」
文は霊夢に瓶コーラを2本手渡した。
「はぁぁ〜これよ〜これこれ」
霊夢は瓶に頬ずりしながら嘆息した。
「文さんはこれからどこに行かれる予定ですか?」
早苗が純粋に聞いた。
「あやっ、私ですか?
これから永遠亭やら命蓮寺やらを回って、宴会料理の取材をしようと思ってます。毎回それぞれのメンツをかけて作ってきますからね、いい記事になりそうです」
「ふ〜ん、まぁちょっと気になるわね」
瓶の口を開け、一本を早苗に手渡して霊夢が呟いた。
「れいむ〜。なんだその美味そうな液体は。
酒か〜?(ヒクッ)」
「酒じゃないわよ。あんたは無限に酒が湧く瓢箪あるでしょ?。それ飲んでなさい」
「いいからちょっと飲ませろ〜(ヒクッ)」
コーラを死守する霊夢と必死に取ろうとする萃香、それを微笑ましく見守っている早苗を見て、文はパチリとシャッターを切った。
「あ、そういえば霊夢さん…」
「ん?まだ何か用?」
瓶を取られないように高く持ち上げた霊夢が聞いた。
「あやっ、小耳に挟んだ話なのですが。
地獄の閻魔様が白玉楼の主と接触するようですよ。これは幻想郷の転覆を謀った死者の進行作戦会議なんじゃないかという噂が流れてましてね。異変に発展するかもしれませんよ?」
「またどうせ文文。のインチキ記事でしょ?
あの堅物閻魔様が故意に異変を起こすなんて考えられないし、幽々子ももう大丈夫よ」
「あややっ、信じておられませんね。
まぁ一応伝えておきました」
文はぽりぽりと頭を掻いた。
「では、明日の朝刊を楽しみに」
そう言い残して、そのまま天狗は空へ飛んで行った。
「れいむのばか〜、ちょっとよこせ〜」
「嫌よ、って…でっかくなるな、馬鹿萃香!」
コーラを貰えなかった萃香が、怒って巨大化して暴走し始めた。
「あやあや…www」
文は空中で振り返り、巨大化して暴れている鬼とそれを必死に抑える巫女見て、念のため1枚写真を撮っておいた。 
 

 
後書き
僕、萃香は完全ロリキャラだと思ってますw
霊夢と早苗は仲がよろしい先輩後輩ということで。
「あややっ」はお気に入りのフレーズだったりします。 
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