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八条学園騒動記

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第五百五十話 激辛料理その一

               激辛料理
 フックは四限目が終わると昼食を食べる為に学園の食堂の一つに向かおうとした。だがこの時にだった。
 ギルバートが彼を呼び止めてこう聞いてきた。
「食べに行くのか」
「ああ、今からな」
「カレーか?」
 食べるのはそれかとだ、ギルバートはフックにこうも尋ねた。
「それか」
「いや、まだ決めてないけれどな」
 特にとだ、フックはギルバートに答えた。
「何を食うかは」
「そうなのか」
「御前はカレー食いたいのかよ」
「いや、ただ言っただけでな」
「まだ何を食うかはか」
「決めていない、しかし言ってだ」
 言葉に出してというのだ。
「食べたくなった」
「じゃあ一緒にカレー食いに行くか?」
 フックはギルバートの言葉を受けて彼に誘いをかけた。
「そうするか?」
「それでいいか」
「ああ、一人で食うよりもな」
 今度は笑って言うフックだった。
「二人の方が賑やかで楽しいしな」
「それならだな」
「二人でカレー食うか」
「そうするか、アンはルビーと漫画を描きながら食べていてな」
 見れば二人で教室の中でそうしている。
「僕は今は二人だ」
「そうか、じゃあ余計にな」
「今日は一緒に食べようか」
「カレーをな。ただな」
「ただ?どうしたんだ」
「いや、カレーっていってもな」
 フックはギルバートと共にクラスを出て廊下を一緒に歩きながら話をした。他のクラスの学生達もそれぞれの食べる場所に向かっている。
「色々だけれどな」
「そうだな、そう言われるとな」
「星の数位あるぜ」 
 カレーの種類、それはというのだ。
「もうな」
「それはそうだな」
「もう何でも入れるからな」
 中の所謂具はというのだ。
「野菜だと人参に玉葱にジャガイモにな」
「オーソドックスだとそうだな」
「ピーマンも入れるし蕪もな」
 そうした野菜もだ、フックは挙げた。
「大根を入れる場合もあるだろ」
「大蒜もあるな」
「パイナップルもだろ」
「パイナップルは野菜だったな」
「そこ重要だぜ」
 フックは笑って言った、パイナップルは畑で栽培するものであり木から出て来るものではない。土から出るものは野菜なのだ。
「わかるよな」
「当然だ、苺も西瓜も野菜だ」
「それでメロンは果物だぜ」
「果物も入れたりするしな」
「林檎が有名だな」
 フックはカレーに入れる果物の話も笑って話した。
「あれを入れると味がぐっとよくなるんだよ」
「詳しいな」
「俺よく家でカレー作るんだよ」
「それで知っているのか」
「ああ、それで林檎を入れるとな」
「味がよくなるか」
「すって入れるんだよ」
 林檎はというのだ。
「そうしたらな」
「味がよくなるか」
「だからな」
「林檎もいいか」
「他にはバナナも入れるな」
 こちらの果物もというのだ。
「あとマンゴーもか」
「甘口カレーか」
「これが随分いい、ただな」
「ただ?」
「そういうのも入れつつスパイス次第でな」
「辛くなるか」
「うんと甘くて辛いな」
 その両方を併せ持ったというのだ。 
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