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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1944話

「何でまたこれが出てくるのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 まさに、慟哭としか表現出来ないような声が、ゆかりの口から響き渡る。
 武治との食事会が終わってから数日……ゆかり本人は、俺と武治の食事会について特に何も聞いてくるような事はなかった。
 勿論、実際には色々と俺に聞きたいのだろうが……聞いてこないという事は、今は黙っていた方がいいのだろう。
 ともあれ、そんな訳で今日のタルタロスの探索が終わったら、ゆかりと荒垣の2人に武治からお土産として持たせて貰った中華料理を食べさせるという約束をして、こうしてタルタロスに挑んでいたのだが……
 現在俺達がいるのは、55階。
 そこで探索中に、光り輝いている宝箱を見つけた訳だ。
 このレア宝箱には、当然のように希少なアイテムや武器防具といった物が入っている訳で、今回は何が入っているのかという期待と共にレア宝箱を開けたのだが……そうして出てきたのは、またもやハイレグアーマーだった。
 うん、これで3回目ともなれば、それこそ何者か……このタルタロスで宝箱を配置しているダンジョンマスター的な奴が、ゆかりにハイレグアーマーを着せようとしているようにしか思えない。
 ともあれ、そんな訳で……ゆかりは、三度目にしたハイレグアーマーを前に、これを企んだ相手に届けとばかりに、大声を上げていた訳だ。

「あー……まぁ、その、何だ。出てきた以上はしょうがねえし、そこまで嫌なら装備しなけりゃいいんじゃねえか?」

 荒垣が、ゆかりを宥めるようにそう告げる。
 恐る恐るといった様子で告げられた声に、ゆかりはジトリとした視線を向けた。
 その目にどれだけの迫力があったのか、荒垣が……ポートアイランド駅の裏側では名前を知られている荒垣が、思わずといった様子で数歩後退る。
 ゆかりの視線が、それだけ強力だったのだろう。

「お、おい。アルマー。岳羽はお前の担当だろう。何とかしろよ」
「何とかしろって言われてもな。……宝箱から出てくるアイテムをどうにかするなんて真似は俺には無理だぞ?」
「そういう事じゃねえ。岳羽を何とか落ち着かせろって言ってるんだよ」

 そう言われ、まるで盾代わりだとでも言いたげに、荒垣は俺の後ろに隠れる。
 そうなると、当然のようにゆかりの視線は俺に向けられる訳で……

「あー……ゆかり。発想の転換として、一度そのハイレグアーマーを着てみるってのはどうだ? そうすれば、これを用意している奴も満足して、もうハイレグアーマーを出してきたりはしないかもしれないぞ?」

 もっともこのハイレグアーマー、桐条グループの研究によると、その見かけとは裏腹に高い防御力を持ってるんだよな。
 ゆかりが今着ているプロテクターよりは、ハイレグアーマーの方が防御力が高いのは間違いない。
 ……問題なのは、やっぱりその形状なんだよな。

「本気で言ってるの?」
「ああ。こうして何度もハイレグアーマーの入っている宝箱を出してくるんだから、向こうがそう考えていてもおかしくはないだろ?」
「それは……」

 その言葉は否定出来なかったのか、ゆかりも黙り込む。
 実際のところ、ゆかりが一度ハイレグアーマーを着て、それ以降ハイレグアーマーの代わりに他のレアな装備品とかが出てきてくれるのであれば、こちらとしては大歓迎なのだ。

「嫌よ」

 だが、結局ゆかりはそう告げる。
 ……まさか、無理矢理にでもハイレグアーマーを着せる訳にもいかないだろうし、そう考えれば、これ以上は無駄か。

「駄目だった」
「そんなに簡単に諦めるなよっ!」

 荒垣が不満そうに叫ぶが、実際問題、ゆかりに着る気がない以上、ここで何を言っても無駄なのは間違いない。
 俺達がこれからハイレグアーマーばかりを集めるような事になっても……まぁ、レモン達へのお土産として考えれば、そんなに悪い訳でもないのか?
 うん、レモンとかのような大人の女がハイレグアーマーを着ているのを見れば、色々な意味で滾ってくるものがあるのは間違いない。
 となると、このハイレグアーマーはまだ大量に必要となる訳だが……これまでの経験から考えると、その階で宝箱から入手出来るアイテムってのは決まっているらしい。
 だとすれば、この階を含めて今までハイレグアーマーを入手した階で宝箱を取りまくっていれば、ハイレグアーマーの入手は容易な筈だ。
 もっとも、ハイレグアーマーはレア宝箱の中に入っているんだから、そもそもそのレア宝箱を見つける必要があるんだが。
 レア宝箱というだけあり、当然ながらその宝箱は普通の宝箱よりも見つけるのは難しい。
 それに、ハイレグアーマーを入手した階は、この階を含めていずれも双方向ターミナルのない階……つまり、毎日影時間になる度に構造が変化する階だ。
 そうなると、普通ならレア宝箱を見つけるのは難しいだろう。……普通なら、だが。
 だが、俺は到底普通な存在ではない。
 それこそ、俺1人だけという条件付きではあるが、スライムを使えばその階はあっさりと探査する事が可能なのだ。
 シャドウは倒しても特に何か意味がある訳ではないが、宝箱を集めるという意味では、俺はかなり有利なのだ。
 そう考えれば、やっぱり俺にとってタルタロスの探索というのは天職に近いものがある。
 ……勿論、スライムを使う以上、俺が1人でという条件付きだが。

「ほら、とにかく次に行くぞ。無駄に時間を掛けると、多分死神とかが現れるだろうから」

 その言葉に、ハイレグアーマーについて嘆いていたゆかりも、そんなゆかりをどうにかしろと俺に視線を向けていた荒垣も、黙り込む。
 実際、ここで死神が姿を現せば、こちらとしても色々と面倒なのは事実なのだ。
 そうならない為には、やはり死神が姿を現す場所から少しでも早く脱出する……というのが最善の選択だと、2人共分かっているのだろう。

「分かったわよ。……はい、これ!」

 それでもまだハイレグアーマーが出てきた事に納得出来ないのか、ゆかりは機嫌を完全に直した訳ではないまま、手に持っていたハイレグアーマーを俺に渡してくる。
 正直なところ、ゆかりの本音としてはハイレグアーマーは出来れば捨てたいのだろうが……俺がそれを許すとも思っていないのだろう。
 受け取ったハイレグアーマーを空間倉庫の中に収納すると、改めて口を開く。

「さて、次の番人シャドウがいるのは、恐らく結構先になる筈だ。階段を見つけたら、すぐ次の階に向かうぞ。……宝箱とか、残念だけど」

 残念というところで何かを感じたのか、ゆかりが一瞬鋭い視線を俺の方に向けてきたが、死神と遭遇するのは嫌だったのか、それ以上口に出すようなことはせず、大人しく探索を再開する。

「おい、アルマー。あまり岳羽を刺激するような真似はするなよ。お前があいつに恨まれるのはいいけど、俺まで巻き添えにするな」

 不満そうな様子を見せる荒垣。
 まぁ、荒垣にしてみれば、ゆかりというのは自分よりも格上の存在だ。
 勿論生身での戦いという一点においては、荒垣はゆかりよりも上なのは間違いないが……ペルソナを使った戦闘という意味では、ゆかりに軍配が上がる。
 どうやったところで、以前何度か模擬戦をしており、カストールではイオに勝てないと身に染みて理解しているのだろう。
 もっとも、以前俺が戦ったようにカストールが暴走すれば、イオに勝つ可能性もあるのだが。

「ああ、気をつける。……けど、ハイレグアーマーが出てきたのは、別に俺が悪い訳じゃないだろ?」
「そりゃあそうだが……」

 俺の言葉に同意して何かを言おうとした荒垣だったが、ゆかりが視線を向けたのに気が付いたのか、それ以上は口を噤む。

「何してるの。早く行きましょ。こんな階には、これ以上いたくないわ」

 こんな階というのが、ハイレグアーマーの宝箱にあるというのは、明らかだ。
 正直なところ、もう少しハイレグアーマーを探してみたかったのだが……今の状況でそれを言えば、イオが召喚されてガルが飛んで来かねない。
 そうならない為には、やはり早くこの場を去った方がいいだろう。

「分かった、じゃあ行くぞ」

 そう告げ、少しだけ名残惜しい感じを押し殺しながら、俺はゆかりや荒垣と共に56階に続く階段を探すのだった。





「来たな」

 タルタロスを進み続け、やがてその階……59階に到着したところで、俺は呟く。
 明らかにこの階は今までの階と違い、番人シャドウがいる階特有の雰囲気を発していたからだ。
 58階のレア宝箱からマジックミラーを見つけることが出来たのは、もしかしたらこの事を示していたのかもしれないな。

「そうね。……アクセルの予想通り、前の番人シャドウからここまで、結構な長さがあったわね」
「……どんなシャドウが相手だ?」

 ゆかりと荒垣がそれぞれそう告げ、俺達は進み……

「へぇ、まさに騎士だな」

 現れた番人シャドウを見て、そう呟く。
 馬に乗っている騎士といった言葉がそのまま当て嵌まる外見。
 騎士は左手に馬上槍を持っており、恐らくそれが主武器なのだろう。
 ただ……騎士が乗っている馬は、当然普通の馬ではない。
 正確には、馬の外側の形だけで出来ている馬……という表現が正しいのか?
 まともな馬ではないというのでは、荒垣のカストールが乗っている馬もそうだが。
 カストールの馬は、馬は馬でもチェスのナイトの駒みたいな感じの奴だし。
 ただ、カストールの馬も、番人シャドウの馬も、共通点はある。
 それは、頭部から一本の角が生えているという事だ。
 つまり、馬ではなくユニコーン……という表現が正しいのか?

「1匹か。今までの番人シャドウで、1匹で出てきた奴は大抵強力なシャドウだったな」
「そうね。けど……勝ってみせるわ」

 そう告げるゆかりの戦意の理由の1つに、ハイレグアーマーの件があるのは間違いないだろう。
 個人的にはそこまで悪い装備ではないと思うんだけどな。

「いつも通り、俺と岳羽で挑む……と、そう考えていいのか?」
「ああ。何かあったらフォローはするつもりだが、出来ればそういう行為はなくてもいいように頼む」

 その言葉に、ゆかりと荒垣の2人が頷く。
 そうして番人シャドウのいる部屋に入ると同時に、戦闘が開始された。
 まず真っ先に動いたのは、ゆかり。

「先制攻撃といきましょうか。イオ、ガル!」

 その言葉と共に召喚器を使い、イオが召喚される。
 いつものように、牛の頭蓋骨に乗った女の姿。
 そして、イオからガルが、風の刃が放たれる。
 今までであれば、その一撃は相手に多少なりともダメージを与える事に成功していただろう。
 だが……この騎士は違った。
 風の刃が迫っているにも関わらず、特に何もしていないのだ。
 そうして、放たれた風の刃は騎士に命中し、その身体を斬り裂く……事もないまま、吸収された。
 そう、それはまさに吸収されたという表現が正しいだろう。
 風の刃は騎士の身体に触れるかどうかといった場所まで近づくと、そのまま吸い込まれたのだ。
 当然のように、吸い込まれたその一撃が騎士にダメージを与えた様子はない。

「っ!? ガル系は効果がないどころか、吸収されるの!? 荒垣さん、私は弓で援護するので、攻撃はお願いします!」

 この辺りの判断を即座に出来るようになったのは、多くの実戦訓練のおかげだろう。
 ガル系の魔法が効果がないと戸惑ったり混乱するよりは、随分と素早く、適切な判断。
 荒垣の方も、そんなゆかりの言葉にすぐに反応してペルソナを召喚する。

「カストール、デッドエンドだ!」

 その言葉と共にカストールが召喚される。
 同じ騎士だったが、その外見は大きく違う。
 そうして真っ直ぐに突っ込んでいったカストールは、敵の騎士目がけてデッドエンド……斬撃の一撃を放つ。
 騎士はその一撃を馬上槍でいなしながら、反撃しようとし……その足を止めるかのように、ゆかりが重藤弓で射った矢が襲い掛かる。
 身体全体が頑丈に出来ている騎士だっただけに、その矢の一撃は身体に突き刺さるという事はなかった。
 だが、それでも動きを止めるという点では間違いなく優秀であり、カストールが次の動きをするの時間を作るには十分な一撃。
 再び放たれた、先程と同じデッドエンドの一撃。
 だが、今度は騎士も馬上槍でいなすような真似は出来ず、次の瞬間には騎士の身体に見事に命中し……

「イオ、突撃!」

 騎士が怯んだ一瞬を見逃さず、ゆかりがイオを召喚する。
 先程のガルは吸収されたが、それはあくまでもガル……風の攻撃魔法だったからにすぎない。
 イオの巨体を用いた突撃は、風の攻撃魔法ではある筈はなく……そのまま騎士を吹き飛ばす。
 乗り物に乗っているという点ではいっしょだったのだが、それでも大きさという点ではイオが勝った。
 それ以降の戦闘は、多少のピンチには陥ったものの、それでもゆかりと荒垣の2人で無事に騎士を倒す事に成功するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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