八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百三十九話 雨のバイク部その二
「顧問の先生も厳しいし」
「うちの学園何処も怪我には気をつけてるからね」
「それでうちもなの」
モトクロス部もというのだ。
「怪我にはかなりね」
「気をつけてるんだ」
「そうなのよ、モトクロスってあれじゃない」
「凄いデコボコ道を全速力で進むからね」
「だからもうかなり危険だから」
つまりその分事故で怪我も多い、もっと言えば一歩間違えればその事故で死ぬことすらある。
「余計になのよ」
「怪我に気をつけてるんだ」
「そうなの、部全体でね」
「柔軟体操もしっかりして」
「いつも注意してるの」
練習の時もというのだ。
「とにかく危ないからね」
「余計に注意しているんだ」
「うん、特にね」
「特に?」
「ヘルメットはね」
「ああ、頭を守るから」
「絶対に着けてるの」
ライダーにとっては必須だがだ。
「これ着けないと乗るなって言われてるのよ」
「それバイクならもう絶対だしね」
「インドネシアでもそうよ」
イタワッチさんはこうも言った。
「私いつも被ってるから」
「いいことだね」
「日本でもそうよね」
「危ないからね」
事故を起こしたその時はだ。
「バイクのそれは」
「車や自転車よりもね」
「身体は全部出てるしスピードも出てるから」
この二つの要素が重なっているからだ、交通事故の中でもオートバイのそれは特に危険なのだ。
「気をつけないとね」
「部活でも言われてるわ」
「いいことだね」
「バイクは事故と隣り合わせだって」
「だから気を抜くなだね」
「いつもね」
こうモトクロス部でも言われているというのだ。
「言われてるし気をつけてるの」
「だから怪我人もいないんだ」
「ええ、創部以来大きな事故はないみたい」
「気をつけてるってことだね、それだけ」
「骨折はあってもね」
「骨折はね」
大きな怪我だけれど死ぬことに比べればこれ位はとなる、この辺り事故死というものの怖さが出ているだろうか。
「それ位はどの部活でもあるからね」
「そうよね」
「格闘技系は特にね」
「多いわね」
「そういうことでね、まあとにかく今日はね」
「レースも観て」
「比較的穏やかよ」
そうした一日だというのだ。
「ゆっくりしてるわ、それと雨の日のバイクは」
「大変だね」
「もう乗らないに限るわ」
それこそという返事だった。
「雨で濡れるしそのせいで寒くなるし」
「夏はまだましだけれどね」
「日本は秋や冬は寒いのよね」
「秋も十一月位になるとね」
それこそだ。
「寒くなって来るよ」
「そんな時に雨に遭ったら」
「下手したら風邪ひくよ」
「そうよね、あと先生にこうも言われたわ」
今度言われたことはというと。
「冬は暖かくして運転しろってね」
「ああ、冬のバイクは冷えるよ」
「風でよね」
「気温も寒いしね」
その中身体を外に出して風を切って走る、これでは身体が相当に冷えてしまうのも当然だ。
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