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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第3章 激闘!ディエンド編
  第44話『全てを備えし虚無』

「『Fate/stay night』の世界ということは、これが使えるか。」
雅は左手にある令呪を見る。
「令呪、だっけ?それ。」
「ああ。それで、これが残っているということは、当然僕が十年前に召喚したサーヴァントはまだ残存しているはず。今回はとても頼もしい戦力になる。呼んでおこう。礼呪が残っているんだ、来てくれガーディアン。」
雅が宣言すると、透明なミッドチルダ式魔方陣が展開され、三十代後半の男性が現れる。
「えっ……雅が、二人?」
フェイトは雅と男性を見て呟く。
「マスター、呼ばれた理由は解っている。でも、まずはみんなに説明をしよう。」
「そうだね、ガーディアン。」
「雅、そのガーディアンって何?」
「この世界では、七人の魔術師が互いの願いを叶える為にかつて存在していた英雄を使役して万能の願望器、聖杯を掛けて互いに命を奪いあう世界なんだ。そして、英雄にはそれぞれクラスと呼ばれる能力補正が与えられる。剣術に長け、魔法攻撃への高い耐性を持つセイバー。騎乗戦に長け、軍勢との戦闘に有利なライダー。俊敏性はクラス一で、個人戦に有利なランサー。単体の武器性能が極めて高く、マスター無しでの単体行動を得意とするアーチャー。魔術に特化し、陣地形成を得意とするキャスター。自身の理性を封印し、全てを力に変えるバーサーカー。そして、隠密行動で敵のマスターを暗殺することに特化したアサシン。この七騎を基準に聖杯を掛けた殺し合い、聖杯戦争が行われる。」
「待って雅。さっきの説明にガーディアンっていなかった。」
「勿論、さっきの七騎は基準であって、中には例外もある。かつて召喚された者で分かり易くいうと、復讐者、アヴェンジャーが該当する。」
「それで、どうしてガーディアンになったの?」
「この世界の前日譚にあたる『Fate/zero』の世界ではキャスターが最後に召喚されたサーヴァントだけど、僕はそのキャスターの召喚に寸分の一も狂わずに合わせて召喚し、その際に既に七騎が揃ったことで、それらに該当しないクラスを与えた結果、ガーディアンになったんだ。」
「そうなんだ……。それで、このガーディアンの正体ってやっぱり…」
「ああ、はるか未来、人々を護る中で死に、英雄となった僕だ。」
「そう。僕の持つディロードライバーがそのまま宝具として認識され、召喚に応じる形になったからね。」
「本当に雅さんなんですか?じゃあ、ファイズの世界で、雅さんが変身した仮面ライダーは?」
「シグムだろ、圭一?あの時気を抜いていなければ海東にシグムドライバーを奪われずにすんだのに、って今でも思うよ。」
「それでは、雅さんはV3の世界と融合したリトルバスターズの世界をどのように救いましたですか?」
「何もしなかった。僕が動けば虚構世界に支障をきたす。」
「お見事ですわ。」
ガーディアンは圭一と沙都子の質問を間違えることなく解いてみせる。
「言ったはずだ、僕は雅だって。」
「わかった。それで、この世界で海東さんが狙っているお宝って何か解る?」
「フェイト、この世界で海東が狙っているお宝はセイバーの宝具の一つ、全て遠き理想郷(アヴァロン)。魔力を用いた永久回復機関だ。」
「アヴァロンって、確かアーサー王伝説の─」
「その通りだよ、圭一。アヴァロンはセイバーとして召喚されたサーヴァント、アーサーの宝具だ。」
「アーサー王って、そんな凄い奴をどうやって!?」
「サーヴァントの召喚には幾つか小技があって、ある程度呼びたい英雄を特定する方法があるんだ。その一つに、触媒と呼ばれるその英雄縁の物を用いることで、その英雄が召喚される確率が格段に上昇する。僕の場合は、僕が生前に使用していたディロードライバーが宝具、『全てを備えし虚無(ディロードライバー)となり、マスターが所持していたことで、召喚されたんだ。」
ガーディアンは圭一達に説明をする。
「ガーディアン、そろそろ行こう。海東もいつやってくるかわからない。」
「そうだな、マスター。それじゃ、留守番頼んだよ。って、懐かしいな。」
ガーディアンはフェイトの頭を撫でながら言う。
「そうだ、マスター。」
「どうしたガーディアン?」
「久しぶりにディローダーに乗りたい。乗せるからそれで向かわないか?」
「しかし、海東の襲撃に備えないと。」
「大丈夫、少しなら時間はある。僕はマスターの未来。解るな?」
「解った。一緒に行こう。」
雅とガーディアンはマシンディローダーに乗ってこの世界の主人公、衛宮志郎のすむ家に向かった。

「懐かしいな。こうして運転するのは。」
「そうなの、ガーディアン?」
「ああ、世界が平和になって、乗ることがなくなって、そのまま死んだから、何十年と乗っていないよ。」
「大丈夫ですか?」
「忘れた?僕の騎乗スキルを。」
「そうでした。もうそろそろ着きますね。」
「ああ。十年前と変わらない風景だ。」
雅とガーディアンは目的地に着き、インターホンを押す。
「はい、って、あんたサーヴァントね!セイバー、敵襲よ!」
門が開くと、アーチャーのマスターであった少女、遠阪凛が出てセイバーに知らせる。
「一体何事ですか、リン!」
セイバーは甲冑を纏った状態で雅達と出会う。
「何事かと思えば、ガーディアン、それにミヤビではないか。何故今更こちらに来た。」
「何故と言われても、切嗣さんに線香をあげに来たのですが。」
「ああ、十年前の知人が亡くなったんだ。線香の一本でも、あげないのは無礼と思わないか、セイバー。」
セイバーの質問に、雅とガーディアンは答える。
「何?じいさんに線香を?それだったらあがってくれ。」
玄関口で問答を広げていると、志郎がやってくる。
「ちょっと、そんなにあっさり信用していいの!?」
「その通りです、シロウ。彼らはかつてキリツグに味方し、非道な戦闘をした者達。何が目的か解ったものではない。」
しかし、志郎の言葉を聞き、凛とセイバーは反対する。
「でも、昔のじいさんを知っている人達だ。俺自身話が聴きたい。それに、もし本当にやばい奴なら、こんなに長々と話していられないだろ?」
「確かに、シロウの言う通りですね。わかりました。」
「そうね、十年前の聖杯戦争の話は重要だわ。」
志郎の言葉を聞き、セイバーと凛は納得し、雅とガーディアンは敷地内に入り、居間に上がる。
「切嗣さん、あなたが育てた子息は、あなたが叶えられなかった正義を目指しています。それは、あなたが誇るべきことです。」
雅とガーディアンは線香をあげて座る。
「さて、セイバー。十年前に僕が出した問いは、解ったか?」
「ガーディアン、今更そんな質問に、意味があるのか?」
「セイバー、それよりもガーディアンって何!?だって、サーヴァントは七騎でしょ。今の話だと、八騎目のサーヴァントがいたってことになるわよね。」
「リン、その通りです。彼はガーディアン、本来ならばあり得ぬ、八騎目のサーヴァントです。」
「でもどうやって!?」
「僕がガーディアンを召喚した時、既にキャスターの召喚が開始されていました。しかし、キャスターとそのマスターは七騎目の為の数合わせで選定されました。それは遠阪家の現当主である凛さんなら分かりますね。」
「ええ。」
「僕はそのキャスターの召喚に合わせて正規手順で召喚しました。それによって聖杯は混乱しました。クラスとしてはキャスターに正当性が、召喚手順と触媒は僕の方に正当性があり、片方を弾けませんでした。その結果、八騎目のサーヴァント、守護者(ガーディアン)のクラスを割り振って召喚させて聖杯戦争に参加権のないマスターとサーヴァントになりました。」
雅は左手にある竜を象った3画の令呪を見せる。
「その礼呪、本物みたいね。話に横槍を入れて悪かったわね。」
「お気になさらず。ガーディアン、セイバーとお話ししていても大丈夫です。志郎さんと凛さんに、海東のことをお話ししておきます。」
「ああ、解った。それで、志郎さんと出逢い、契約して見つけられたか、セイバー?」
「ガーディアン、確かに、今の私なら、お前の言っていたことが解る。人にはそれぞれ正義がある。それゆえに誰が正しいとは言えない。」
「そうだ、よくたどり着けたな。マスター、セイバーと話がしたい。志郎さん達に話をお願いしていいか?」
「解った、任せて。」
雅は自分の出自とこの世界に来た目的を話し始める。
「セイバー、それでは十年前に僕が本当にしたかった質問をしよう。この聖杯戦争というシステムについて今のマスター、すなわち志郎さんはこの戦いを終わらせようとしている。それについてどう思う?」
「シロウは未熟なだけです。」
「それで?」
「世の中には、人智で解決出来ないこともある。それらを叶える為に、聖杯は必要だ。」
「セイバー、では志郎さんの願いはどうなるのですか?」
「それは願いを叶えた後に破壊すれば…」
「ではセイバー、あなたの願いである、選定の儀を振り出しに戻す願いはどうすれば叶う?」
「何故そのような質問をする。それは聖杯に叶えてもらうまで!」
「やはり、聖杯の真実を知らないか。僕とマスターは、切嗣さんと供に一度聖杯の内部に入った。だから言える。聖杯はあってはならないものだ。」
「ガーディアン、貴様はサーヴァントである己を否定するのか!」
「ああ。聖杯が叶えられる願いはその人間の中にある願いを叶える方法を基準に形成される。切嗣さんの場合、世界を平和にする方法を問いた時に、全ての命が消えた世界が出てきた。聖杯は人の知識を基に破壊の力で願いを叶える。セイバーの願いは叶えることが出来ない。それは、セイバー自身が願いを叶える方法を知らないからだ。」
「それでは、万能の願望器と言われている聖杯は…」
「聖杯とて人の作りし物。人智を超えることは出来ない。」
「そんな…」
セイバーはガーディアンから語られた聖杯の真実に落胆する。すると、
「皆さん、伏せて下さい!」
雅は叫び、ラウンドシールドを展開する。雅の言葉を聞いた志郎達は咄嗟に伏せると、エネルギー弾がラウンドシールドに直撃し、雅は怯む。
「来たか。」
ガーディアンが呟くと、目の前にはディエンドがいた。
「この世界のお宝、全て遠き理想郷(アヴァロン)は僕がいただく!」
ディエンドは雅達に近づく。
「シロウ、下がって下さい!」
セイバーは騎士甲冑を纏ってディエンドに向かってゆくが、
「その王の証、それもいただくよ!」
ディエンドは構わずセイバーの心臓目がけて攻撃するが、
「させない!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身してその攻撃を防ぐ。
「ミヤビ、一体何故!」
「言ったはずです。この世界を護って見せると。ここにいる誰も、死なせません!ガーディアン、ディロードがふたりいるんです。あれで行きましょう!」
「そうか、あの世界にはもう行った後か。」
「はい!」
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
【KAMEN RIDE-BLACK-】
「変身!」
雅はバイオライダーに変身する。
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
【KAMEN RIDE-BLACK RX-】
「変身!」
ガーディアンもロボライダーに変身し、仮面ライダーBLACKとRXが召喚される。
「仮面ライダー…BLACK!」
「俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK!RX!」
「悲しみの王子、RX、ロボライダー!」
「怒りの王子、RX!バイオライダー!」
BLACK達は名乗りを上げ、4人のBLACKが揃う。
「ボルテックシューター。」
ロボライダーはボルテックシューターからエネルギー弾を放ちディエンドの動きを封じ、
「バイオブレード!」
バイオライダーの剣がディエンドを切り裂き、
「「キングストーンフラッシュ!」」
BLACKとRXはキングストーンフラッシュでディエンドを攻撃し、ディエンドは吹き飛ぶ。
「セイバー、最後は一緒に闘おう。」
雅とガーディアンはディロードに変身し、セイバー達に白紙のカードを渡し、
「「集え、世界の願い!」」
ふたりのディロードの掛け声によってワールドホープが誕生し、雅の変身するディロードがスキャンする。
【WORLD HOPE-Fate/stay night-】
ワールドホープが発動されて、ふたりのディロードの手にエクスカリバーが握られる。
「サークルバリア!」
ディロードはセイバーと供にディロードを囲い、それを包むように結界を展開する。
「カルテットバインド!」
ディロードはバインドでディエンドの動きを封じる。
【WORLD ATTACK RIDE-Fate/stay night-】
「行きましょう、セイバー!」
「うむ、世界に害を為す外道は、この手で絶つ!」
「「「約束された(エクス)……」」」
ディロードとセイバーは剣に魔力を込め、
「「「勝利の剣(カリバー)ッ!」」」
そのエネルギーをディエンドに放つ。
「このままでは!仕方がない。この世界のお宝も諦めよう。」
【ATTACK RIDE-INVISIBLE-】
ディエンドはエネルギー波が当たる直前に右腕のバインドを破壊し、この世界から立ち去る。
『轟ッ!』
表現するならばこの音が相応しい爆音が響き渡り、それが晴れるとディロードは変身を解除した。
「逃がしたかっ!」
セイバーは悔しがるが、
「だが、この世界を護る目的は果たせた。」
「僕の目的は、海東を殺すことではなく、世界の崩壊を防ぐことなので。さて、海東が去った今、僕もこの世界から出ていかないと。ガーディアンはどうするの?」
「僕はこの世界に残る。凪風雅はふたり居てはいけない。それに、僕はこの世界の住民だ。マスター、いずれマスターはこうなる。だから、頑張ってほしい。」
「解った。皆さん、ご迷惑おかけしました。」
雅は深々と礼をして去っていく。

「次の世界は、『装甲機兵ボトムズ』の世界か。」
絵巻には、巨大な機械を分解している男女が描かれていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
全能なるアストラギウス銀河の頭脳。異能生存体を管理せし者。雅はそれを破壊出来るのか?次回、『ワイズマン』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーBLACK:仮面ライダーBLACKを召喚するカード。
仮面ライダーBLACK RX:仮面ライダーBLACK RXを召喚するカード。
Fate/stay night(ワールドホープ):Fate/stay nightの世界のワールドホープ。ディロードがエクスカリバーを手に取る。
Fate/stay night(ワールドアタックライド):ディロードとセイバーが魔力消費ゼロでエクスカリバーを放つ。

ガーディアンの紹介
真名:凪風雅
年齢:38
血液型:O型
属性:中立 善
イメージカラー:透明
筋力:A
耐久:A+++
敏捷:B
魔力:A+++
幸運:E---
宝具:EX
特技:世界平和
好きなもの:平和、安寧
嫌いなもの:邪悪、破壊
天敵:悪魔神サタン
クラススキル
防衛:E-
ガーディアンの基本スキル。しかし、生前は先陣を切って戦うことで護っていた為機能しない。
騎乗:EX
仮面ライダー故に操縦の腕は人一倍。幻獣の類も操れる。
個人スキル
凪風流の心得:?
凪風流武術のマスター。それらは宝具に匹敵する。
邪竜の加護:A+
呪いの一種。ステータスの倍加を促すが、特殊な呪いを受ける。
回復:EX
回復に関するスキル。活動を行わないことで魔力の回復も行われる。
単独行動:EX
マスターが離れても単独行動が可能なスキル。魔力が尽きるまで単独行動が可能になるが、無尽蔵な魔力である為、永遠に活動できる。
宝具
全てを備えし虚無(ディロードライバー)
対自宝具:ランクA+++
雅が英霊たりえる宝具。雅をディロードに変身させる。ガーディアンはこれを触媒に召喚された。
手を繋ぎし英知と信仰(ロードスラスター)
対自宝具:ランクA
雅の武器。サーヴァントでありながらサーヴァントを召喚し得る宝具。召喚されたサーヴァントはクラス無し、能力『?』宝具無しとして使役可能になる。 
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